Chapter1-5
新居が無事決まったのち、学院長は学院について、其の他色々説明をしてくれた。
「アウローラ・アカデミー」では、生徒たちは、魔法や人間について学んでいくこと。
その中で、ムイトは生徒となり、共に学んでいくこと。
そして「人間学」という特別講義の特別講師として、生徒に人間について教えてほしい、という事。
「はあ・・・」
ムイトは大きなため息をつき、屋敷の一室に置いてあるキングサイズのベッドへ倒れこんだ。
「ふかふか・・・」
そのベッドは少し埃っぽかったが、とても大きく、とてもふかふかで___。
「これからどうしよう__」
ずっと、思考許容範囲を大きく超える出来事ばかり起き、実感が湧いていなかった。
だが、この大きく柔らかなベッドに倒れこむことで、今の自分の状況に少し実感が湧いてきていた。
(父さん、母さん、弟、妹・・・みんな元気かな。僕がいなくても、まあ、そんなに変らない、か)
元いた世界に戻る方法も無く、この世界に自分の居場所は無い。
分からない事だらけで、心細いどころじゃない。
だが、こんな時でも、ムイトの目は乾ききっていた。
そんな自分が、ムイトは嫌いだった_。
* * *
「おい。おいおいおいおいおおいおいおいおいおい__」
「!?」
とてつもなくうるさい何かの声で目が覚めて、目を開けると、二つの目があった。
ムイトは命の危機を感じた。
「誰__というか、何__?」
目のまえに立っていたのは、人形だった。つぎはぎだらけの人形だ。ガラス玉の目にもふもふの毛。
「お前のお世話係に任命されたしがない付喪神様ダ!」
その人形は短い手足を大きく広げて仁王立ちしていた。
「か、かわいい」
ついムイトが口を滑らすと、その付喪神は
「何だト!?俺様が可愛イ!?俺様はかっこいい、ダロ!!」
と怒った。
(ますますかわいい)
「それより、ムイト!もう学校の時間だゾ!早く支度シロ!!」
付喪神の言葉にムイトは急いで、支度を始めた。




