Chapter1-4
「この学院には五つの寮があり、生徒は必ずいずれかの寮に入寮して頂くのですが。
本来はその入寮の選定を入学式で行います。ですが、残念ながら入学式は先ほど終わってしまいましたので、貴殿の入寮先はわたくしが直々に選定して差し上げましょう。感謝してください。」
「恩着せがましいですね。」
(入寮の選定__なんていうからには、血とか抜かれるのかな?)
ムイトは少し身構える。しかし__。
「はい、やはり貴殿は魔力を保有していないので、どこの寮にもふさわしくありませんね。」
学院長はあっさりと言った。
「少しだけ、ほんの少しでいいので、危害を加えさせてください。」
「人間は野蛮ですね~。」
学院長に対して、少しの殺意をムイトは覚えた。
「ちょうど、良い物件の空きがありますので、こちらについてきてください。」
学院長の後ろをムイトはついて行った。
* * *
「こちらです。少々趣を感じるとは思いますが、造りはしっかりしているので、住には困らないと思いますよ。」
学院長(不動産屋)が紹介した物件は、趣のある屋敷だった。
「確かに、好物件ではありますけど・・・自分一人が住むのには、少し広すぎませんか?」
その屋敷は文字通り、しっかり屋敷であった。しかし、学院長は、
「ここには誰も住みたがらないので、ずっと手付かずの物件だったのですよ。わたくしも忙しい身の上故、手持無沙汰で。消すことも出来ませんし、貴殿が住んで、この屋敷を綺麗にして下さるのなら、わたくしとしましても、とても喜ばしい事なのですが・・・。」
と言う。
「何ですか、そのあからさまな事故物件。」
「いやですか?」
「他に空き物件は?」
「ありません」
「は?」
「ありません」
学院長は清々しい程に笑顔だ。
(最初から拒否権も選択権もないじゃないか)
「わかりました。ここに住まわせてください。」
ムイトはやむを得ず承諾した。
(無償で提供してもらえるだけありがたいよな)
「そうですか!気に入っていただけてよかったです」
(思ってもない事を__)
こうして、ムイトの新居が決まった。




