Chapter1-3
「しかし、ただ待つ、というのも、暇でしょうし、そうですね・・・」
学院長は少し考えこむ。
「貴殿は、その時が来るまで、ここの生徒になる、というのはいかがでしょうか?」
とんでもなく突拍子もない発言だと、ムイトはそう思った。
「まあ、魔力を保有していない君には、少々退屈かもしれませんが。」
わかってるじゃないか__。そうムイトは言いたくなった。
「せっかくこの世界で貴重な存在、人間である貴殿には、この学院に通う生徒たちに、人間という存在が、いかに尊く、素晴らしい物なのかを、その体を張って、教えて差し上げてほしいのです。」
さすがのムイトも叫ばずにはいられなかった。
「無理です!その体を張って、って、一体自分はどうなるんですか!」
しかし、学院長は顔色一つ変えずに、
「心配はいりません。ここの生徒である限り、貴殿に被害を加えようなどと愚かな考えを持つ者は、この学院にはいませんので」
と言った。さらにはこんなことも。
「その分、報酬は弾みますよ?衣食住は無償で提供。ここでの生活で必要なものを揃えたいときは、この学院の購買部へ。そこではなんでも手に入ります。この仕事を受け入れて下さるのでしたら、そこでわたくしだけが使うことのできる、金のカードも差し上げます。このカードを差し出すだけで、何でも手に入りますよ?
なんでも、ね?いかがです?」
「のった」
「交渉成立、ですね。」
ムイトはちょろかった。




