後方援助からの進撃
第12話
導入
アレンがネラの敷いた磁気を利用して加速しながら身体中に電気を帯びてナークに体当たりしに来た。
アレンは、体当たりを交わされるも、襲いかかるナークの太刀を、勢いを殺さないままに交わしながら、再び攻撃した。
チェンジで手の甲から出した刃でナークを切りつけにかかった。
しかし、身体ごと一周回ったナークの剣に刃物を砕かれ、腕と身体を切られる。
ナークがアレンの腹を膝で蹴り上げて言う。
「おっ。君もなかなかやるね。
(ただの不意打ち狙いかと思いきや、交わされても勢い殺さずに立て直して攻撃し、この速さの斬撃に2回も持ち堪えるなんて。)
もっと深く切りつけるつもりだったんだが」
一つはアレンの俊敏さが、ナークの攻撃に耐えた理由である。ただし、ヒュラの重力操作によりナークの剣先が逸れたのも、ナークの攻撃に耐えた理由である。
アレン
「甘いな。喰らえ。電気ショック!」
ナーク
「分散しすぎだよ。パフォーマンスも低い。
経験不足だから仕方ないところもあるけど」
電気ショックを受けた膝を中心にフィールドが集中して形状が変化する。
ナークが防御するのにフィールドのエネルギーが割かれている。
フィールドが集中していたのだ。ヒュラはナークにアレンの電気ショックが通るように重力操作するが、それも虚しく終わる。
ケラが蹴りを入れるも、ナークの左手に掴まれ、足の自由を奪われる。
アレンは数m先で転がっていた。
ネラがサテライト(軌道変化弾)を打つ。
クラルがプラズマの弓矢でナークを狙う。
ヒルがナークの方へと走りながら銃を構える。
ナークは宙に飛び、頭を下にした。
それから、射撃の攻撃をシールドで防いだ。
ヒルがシールドを避けて銃を撃った。
と同時にケラが左手で殴りにかかった。
ナークは右手に盾を出して、ケラの左手を盾に受けて、盾でケラを叩きつけて叩き飛ばした。
くるりと回り、ヒルの弾丸も盾で防御した。
その弾丸は爆発し、ネラの攻撃を防いだシールドを破損した。
ナークは防御を盾1つに絞った。
ネラとクラルの攻撃が続く。
ザンが右背後から殴りにかかった。
ナークは盾を持ち替え、フィールドで作った剣を握った右手で、ザンを切りつけた。山場1
サマンダーがステルスを解除して、ナークに衝突させたフィールドを刃物のようにして串刺しにしようとした。
サマンダーのフィールドは、ナークにとって、片手間に他の攻撃を防ぎながら残しておいた少ないフィールドだけでも、不意打ちに対応しながら充分に防御可能であった。
ナークが気味悪く笑う。
サマンダーはフィールドごとナークのフィールドに引きずり込まれて身動きが取れなくなった。
ステルスで防御に踏み切ろうとしてもナークのフィールドに捕まった身体ではステルスを発揮できない。
まさに蜘蛛の巣に絡まった小バエだった。
ナーク
ザンがもう一度殴りにかかるのを交わす。
アレンがプラズマの剣を突き立てに行く。
ナークは、(通常の武器の剣より武器性能に劣るフィールドの)剣で、アレンの腕を切り落とす。
「君も壊系だったね」
サマンダーに切りつけにかかったナークの腕に、ヒュラの鎖が絡みつく。
頭上から高速でヒュラの剣が墜落してくる。
ナークは咄嗟にフィールドを防御に転用した。
「今年のC級全員強すぎない?」
ドリルのように鋭く構成された糸状の頑丈なフィールドは、頭上でヒュラの剣と共に粉々に砕け散った。
ナークの体から発するフィールドは、変形して鎖の周りに巻き付きよじるようにして、ヒュラの鎖を引きちぎった。
砕け散ったフィールドは、気化するようにして針のように再び硬化し、サマンダーの頭を貫いた。
その隙に、ネラが、吹き飛ばされたアレンの腕に握られた剣を磁気でナークへと誘導する。
ナークに追撃したネラだったが、その剣は、ナークの盾に弾き返された。
ナーク
「そろそろ、ネラ君もメレピン切れでしょ?」
ネラもメレピン切れで戦闘不能になった。
と同時に、ネラの最後の巨大な雷がナークを襲う。横殴りの雷である。
そこに、ケラとザンとアレンが同時にナークに襲いかかる。
ヒル
「アレン!止まれ!」
アレンが足を緩める。
ネラの雷を受けたナークの盾が爆発して、ナークは放電のダメージを受けた。
しかし、傷は作れなかった。
そして、雷が途中でナークに掴まれた。
ナーク「さすがにここまでよくやったよ」
ナークはアレンに高速で雷を変形させて喰らわした。
アレンは防御体制を取ったが、防ぎ切れなかった。
そして、槍のように先端が尖った雷に刻まれ、アレンもメレピン切れ(ニューオン流出過多)で戦闘不能になった。
交わしながら両サイドから蹴りと拳を入れたケラとザンは、ナークのフィールドに串刺しにされて戦闘不能となった。
ナーク
「さすがに大人気なかったか、
ステート発動時にルームのチャージでフィールド強化の最強合わせ技を使って瞬殺するのは。
ただ、それだけ君たちが僕を本気に…」
マラルとクラルがナークを包囲するように爆弾を搭載した簡易ミサイルと簡易微小雷を大量に作って操作し攻撃を仕掛けた。
ナーク
「意外だな。君たち仲がいいんだね」
(マラルの大振りで威力の高い粗雑な攻撃で撹乱しつつ、僕のフィールドの限界範囲と操作速度を考慮した緻密な無数の電気線で素早く弱点を突きに攻撃。理に適っているし、即興にしては悪くない連携だ。)
クラル
(やつの言う通り、この能力はこれ自体では特別性に欠ける。やつの技の圧倒的強さには、その前提がいくつも揃う必要がある。逆に、その前提が揃わない点を作れば、勝機はある。)
ナークはしばらくその戦いを続けざるを得なかった。
その要因の一つとして、クラルの戦術とそれを実行できるだけの攻撃操作の腕前が優れていたことは大きかった。
また、上空で絶えず味方を援護するヒュラの存在と、系統が異なる4人と同時に戦闘する状況で迂闊に動きにくい、という要因は無視できないだろう。
しかし、ナークが足止めされた最大の原因は、ネラの最後の巨大雷電を筆頭とした総攻撃を受け、フィールドを酷使した事である。
特に、ネラの雷を、ダメージが蓄積された盾で受けて防ぎ切れず、直接に喰らった影響は大きく、フィールドだけでなく、ナークのメレピン体そのものにも疲労による動きと反応を鈍化させた。
そして、ナークからの防御を兼ねた攻撃の間合いに注意しながら、戦況把握と味方の統率を行っていたヒルと、ネラと共に中距離戦法に切り替えて様子を伺っていたクラルは、この戦いに勝てる最大の好機が今しかないことを理解していた。
山場2
クラルとマラルがナークの足止めをしていた。
ヒュラも天井に自分のワイヤーでぶら下りながら、ナークに狙いを定めるべく銃を取り出した。
第1試験でメレピンをやや消耗し、肩にはすり傷が残る。
そのため、残り1つ分しか使えない状態でひたすらナークと距離を置きながらの味方援助に徹していた。
また、ナークと交戦する見方の援助攻撃に出るのはかなり難易度が高かった。
しかし、クラルとマラルがナークを足止めし、先ほどの猛攻の成果か、ナークも少しは消耗したようだった。
実際、決定打になりそうな攻撃は重力操作で攻撃力を少し増強し、アレンとザンが受けた斬撃も、剣先の軌跡を僅かに逸らしたおかげで2人とも傷が浅くて済んでいた。
ヒュラ
「自分で勝機を見出せないからって、味方にずっと隠れてる。
ネラなんて、自分の弱さわかった上で、身を乗り出して派手に戦ってたのに」
ヒルが鎖をナークの体に巻きつけた。そして、サテライト弾をナークに撃った。
ナークがフィールドの一部をヒルの攻撃への防御に回し、身体からフィールドを広げて鎖を砕いていく。
サテライト弾は、軌道調節機能を備えた追尾性の弾である。
それと同時に、ヒルは身を呈してナークに殴りかかった。
引き
ナークはヒルを串刺しにした。
そして、その間に生じた綻びを、クラルの電気弾が突いて、フィールドの一部が剥がれた。
ナークに直接攻撃が決まった。
ヒル
「まだだ。これじゃダメだ」
体中が穴だらけの状態で、サテライトとステートメントの超予測を使いながら、攻撃を受け続けても防御せずに攻撃を続けたヒル。
クラルの攻撃は計6発、ナークに直接命中したが、擦り傷が付かない。
ヒル
(なぜだ?やつの体は無防備なメレピン体のはず。なぜ切り傷一つ付かないんだ?)
ナークが微笑む。
「フィールドって形が自在に変えられて本当に便利だよ。
皮膚化すら可能だ。
ちょっとの傷すら致命傷になる場面に備え、戦闘体を死守する手段もあるんだよ。
ニューオンの浪費と戦闘のパフォーマンスだだ下がりの問題技だけどね」
ヒル
(ハンデありのこの状態で、戦闘のパフォーマンスを自ら下げていただと?)
ナーク
「初めに気落ちしないように言ったでしょ?
僕一応A級中位の隊員と互角に戦えるから」
ナークとヒルが乱戦していたが、ヒルが圧倒的に不利な状況であった。
上から見ていたヒュラが、上空に用意した大量のサテライトを一斉にナークに突き落とした。
ヒュラ「これでどうだ!メテオライト!」




