B級最上位クラス
第9話
前回から
ヒュラは準1級のアンテと悪戦苦闘し、コアに攻撃技を決めて勝利したかに思えた。
だが、アンテは頭とコアの一部を爆破により失い、コア本体を残した胴体上部を剥き出しにしてヒュラに突進する。
ヒュラに腕を巻きつけ、コアが電気と熱を放ち始める。
ヒュラ
「こいつ、僕を道連れに自爆する気か?」
「まずい…。ルーム チェンジ 」
ヒュラは掴まれた状態で、右足ふくらはぎから鋭い刃物を生やした。
ちょうどアンテの左足で損傷して刃が通りそうなところを選んだ。
無謀だと思いながらの最後の足掻きであった。
導入
「終わった。来年受け直しだ」
ヒュラはアンテの左足の手応えに気付いた。
そんなはずはないと思った。
だが、(チェンジで変形して刃物を突き出した)右足で力を込めて切ると、アンテの足は切れた。
思いの外、簡単に抜け出せれたようだった。
急いでアンテから逃れ、盾を構えた。
爆風と雷電の衝撃を受けて、ヒュラは盾ごと吹き飛ばされた。
重力場でプラズマを圧縮して自らに纏わせた。
両腕にそれぞれ擦り傷が2ヶ所でき、盾はヒビだらけになった。
群れを成したアピソが、援軍を連れてヒュラの方へと斬撃を送ってきた。
山場1
アナウンス
現在、5分経過。
各自、自由に戦闘してください。
新規合格者は次の通りです。
クラル隊員 1分49秒 4体
ケラ隊員 2分41秒 11体
アレン隊員 3分1秒 3体
マラル隊員 3分17秒 3体
負傷者は、
マラル隊員 ヒュラ隊員 ザン隊員
暫定戦闘実績は次の通りです。
ヒュラ隊員 準1級アンテ撃退 1体
ザン隊員 2体
ネラ隊員 2体
サマンダー隊員 2体
メレピー残り14体
アンテは21体中残り1体
スコーピアは9体中残り7体
アピソは15体中残り6体
ヒュラ
「またみんなに遅れをとったな。
ヒルの11秒合格はもちろん、ケラの2分41秒後に合格で11体倒すのもやばい。
ていうか3体倒して30秒以内に退出するのに、どうやって11体倒したんだ?
1分半時点で0だったはずだしな。変な奴だ」
そう思いながらヒュラは5体のアピソがいるところへと重力場に捕らえたプラズマの塊を投げ付けた。
そこにサマンダーがやってきた。
「ルーム チャージ リフレクト」
軌道を逸らして、あちこちに散るプラズマを1体のアピソに集中させて、撃退した。
サマンダー「ルーム チェンジ 羽」
その衝撃波を利用して、出口の方へと飛んでいった。
サマンダー
「準1級アンテの撃退おめでとう。
あなたが無事で良かったわ。
おかげで楽に3体目を倒せたからね。
ありがとう」
爆風でふらふらと落ちかけたアピソに残りのプラズマの塊を投げ付けたヒュラだったが、プラズマは、アピソを倒すには少しエネルギーが足りなかった。
ヒュラはアームで銃を取り出し、アピソに撃った。
「まったく。これでやっと2体目か」
ネラは最後のアンテ1体に狙いを定めた。
ここまでかなりの距離を逃げ回っていた。
ケラ達と会ってすぐに、スコーピアに斬り付けられたが、なんとかシールドで防いだ。
「3対1の接近戦で勝てる見込みが低い。
ここで苦戦すれば、空中からの斬撃の餌食になる」
「ターム ステート」
ネラは自分の特殊能力である磁気移動によりスコーピアに磁気を帯びさせた。
「ルーム チャージ ブースト」
勢いよく後方へ飛び上がっていきながら遠ざかろうとした。
「ターム ステート」
再び手にスコーピアと反対の磁気を帯びさせ、高速で遠ざかっていった。
スコーピアはネラに向かって一斉にプラズマ混じりの射撃を繰り返す。
ネラは磁気移動でプラズマを交わしてアンテに近づき、周りを旋回し続けた。
しばらくしてスコーピアの攻撃が止み、アナウンスが聞こえた。
大型銃を構え、タームで飛び回るネラだが、アピソの斬撃は交わした。
幸い、アピソは一体だけだった。
飛び回りながらネラは射撃。
アンテの小さいコアになかなか当たらない。
「これで最後だ。この弾で仕留める!」
その弾はアンテのコアを外れた。
バランスを崩したネラは、落下していった。
アピソはネラに斬撃を、アンテはネラに打撃を与えようとしていた。
とその時、そこにスコーピアのプラズマ弾がアピソの方へ飛んで来ていた。
「よっしゃー!」
とザンの歓喜がネラの電膜(人間で言う鼓膜)を震わす。
ザンがスコーピアを倒していた。
ネラは、とっさにシールドから磁気移動に転じた。
そして、銃を構えた。
「アーム 銃 + ターム ステート
プラズマ誘導弾!」
ネラは武器ツールのアームと特殊能力ツールのタームを組み合わせた。
スコーピアの流れ弾であるプラズマ弾が、ネラの誘導弾によって威力を増しながらアピソに直撃した。
そして、アンテの右足の攻撃もまたネラの左脇腹に直撃した。
山場2
アナウンス
現在、7分が経過。
現存するメレピーは
スコーピア5体 アピソ3体 アンテ1体
残るはヒュラ隊員のみ。
ここでヒュラ隊員に優遇処置があります。
マラル 「はあ?なんだそれは?」
アナウンス
残る兵を全滅させれば、第3試験の受験を拒否する事が可能です。
マラル
「ヒュラだけ特別扱いするんじゃねえよ。
なんなんだこの試験」
アレン
「第3試験って、この変なポスターのやつか。
B級上位と昇級をかけて争う?
こんなの通るやついるのか?俺以外で」
*ポスター
B級上位のエリートと模擬戦可能!!
この試験会場にて、B級上位、次期A級昇格候補者のナークとの戦闘、第3試験を実施。
ナークはC級用のステレオで足かせをして武装してもらい、無傷で勝ち上がれば昇級できるという条件で戦闘に参加。
戦闘資格
・第1試験でメレピーを倒し突破した者
・第2試験の計測により、基準を満たした者
戦闘資格を有する者は、第3試験を受け、C級内での立ち位置を確認してもらう。
ヒル
「本当にB級上位を倒すんなら、お前じゃ無理だ。
ここの全員が協力しても、いい勝負ってとこだな」
クラル
(どうも腑に落ちない。大掛かり過ぎないか?
いくら戦闘員とはいえC級の平均レベルはメレピー2級程度だ。
戦闘データをランク決定に利用するのも、すでにC級扱いされているようで、引っかかる。)
ナークがやって来る。
「君がマラル君かな?ヒュラ君と仲悪いの?」
マラル
「あんた誰だよ。仲悪いもなんも、不公平でしょ。
1人だけが第3試験を免除されてC級に入隊できるなんて」
ナーク
「自己紹介遅れたね。
僕は今日君たちと戦うナークだ。よろしく」
「ちなみに、君たちは初めのアナウンスを聞いていたかな?
勘違いしてるみたいだ。まあ無理はないけどね」
クラル
「どういうことですか?」
ナーク
「はじめの方で、アナウンスが、
『メレピーを3体倒せば試験は合格です』
って言ってたよね?
君たち、もうC級だよ?」
一同
「えっ?!」
ナーク
「まだ公式じゃないし、辞退できるけどね。
それと、ここの9人と同時に戦闘して無傷で全員を倒せば、僕はΑ級に昇格できるんだ。
大丈夫だよ。もう君たちの合格は確定してるから」
サマンダー
「もし、あなたがA級に昇格することになっても、私たちはC級に入隊できるって考えていていいの?」
ナーク
「そうだね。ただ、勝つ気で来てね。
もちろん、負けても気落ちしない事だ。
君らは結構、強いらしいからね」
ヒル
「仮にあなたを倒せれば、場合によっては飛び級とかってできるんですか?」
ナーク
「できないこともないよ。
ただ、僕の順位が落とされるだけかも?」
アレン「お気の毒です。ナークさん」
ナーク
「その時はしょうがないかな。
ただ、僕のΑ級昇格はヒュラ君次第…」
ヒュラ
「僕の話をしてましたか?」引き
ナーク
「あっ、ヒュラ君か。
僕は第3試験の対戦相手をするナーク。よろしく」
ヒュラ
「とりあえずメレピー全部、倒してきました。
不合格が怖いので。第3試験は………」
ナーク
「もうC級だから大丈夫だよ」
ヒュラはネラに促され、ポスターを見た。
それから、先ほどナークが説明した内容を、ネラから聞いた。
ヒュラ
「ナークさん、よろしくお願いします。
僕、すでにニューオン消耗してて、すぐ負けるかもですけど」
ナーク
「いいよ。君たちがどれだけ万全でも関係ないから。
ちなみに僕も今朝、襲撃してきたメレピー170体と戦って、ちょっとだけ消耗してるんだ。
まあ、2級40体と準1級130体倒しただけだけどね」
ヒル 「1人でですか?」
ナーク 「もちろん。B級上位だからね」




