準1級アンテ
第8話
クラル
「アーム 剣 ターム アタック」
クラルが放射状に鋭く広がるプラズマを帯びた剣を持って、サソリ型メレピン獣のスコーピアを早々と(やや右斜め上から左斜め下へ)切りつけた。
コアとその周辺にダメージを受け、動きが鈍ったスコーピア。
ハサミの腕でクラルを斬りつけにかかり、鈍く弱った攻撃がクラルに向かう。
クラル「ターム バリア」
ネラ
「アーム 砲 ターム アタック」
ネラが大きめの銃をアリ型メレピン獣アンテに向けて連射する。
時間差を作り、よく狙いを定め、弱めの弾がコアに命中したが、当たり方が悪く、惜しくも仕留めきれない。
弱ったアンテの後ろと前で歩き進む6体ほどのアンテが、ネラに方向転換して進んでくる。
山場1
ヒュラ
「ワイヤー」
地面に叩きつけられかけのところで、バネ性のワイヤーを飛ばしその先を軌道修正してアンテの胴体上部に刺して掴まり、浮遊していた。
勢いで宙に投げ出されたヒュラは、空を飛ぶ(ミツバチ型メレピー)アピソにワイヤーを引っ掛け直して上昇し、アピソの触角を掴み投げ飛ばした。
高く飛び上がったヒュラは、上空へ長くワイヤーを伸ばし、剣を上に結びつけて先端を下へ向けた。その先には準1級アンテがいる。
「ルーム チャージ ブースト!!」
剣をワイヤー伝いに力一杯、下の方へ投げ飛ばした。
(ワイヤーは直後に解除)
アンテの死角から高速で落下するフィールドを纏う剣は、アンテの体深くにめり込んだ。
上空数十mから墜落するワイヤーの持ち手の先端で、倒立したヒュラは辺りにほとんど誰もいないことに気づく。
ヒュラ
「こいつだけ群れてないのか?」
遠くの方で、サマンダーがスコーピアと戦っている。
別の方に目をやると、どうやらザンがアンテとスコーピアの群に苦戦して、近くでケラが大勢を相手に激しく戦っているようだった。
100mほど下にはミツバチ型のアピソが点在している。
ちょっと離れてアピソが群れている。
コアとその周辺にダメージを受け、動きが鈍ったスコーピア。
ハサミの腕でクラルを斬りつけに襲いかかる。
「ターム バリア」
鈍く弱った攻撃がクラルに向かう。
「チッ。浅かったか」
プラズマを凸上に纏わせた剣で防御特化用の強化フィールドを敷いて受ける。
すぐさま後ろに引き、構え直した。
「アタック」
剣にプラズマを纏わせ直し今度は長く伸ばすようにしてメレピーに突き刺した。
マラル
「アンテは群れて動きがちで、装甲が硬く、力がめっちゃ強い。
わざわざ自分からおびき寄せるなんて勇敢だぜ。ネラにしては、だがな」
ネラ
(確かにアンテは体術戦では上級のC級レベルでも苦戦を強いられる。コアは小さく狙いにくい。だが、特段速くはないし、遠距離戦なら、なんとか耐え凌げるはずだ。何より、アンテは射撃で仕留めるのが、他より容易だ。)
ネラは遠距離戦が得意である。
ネラは数百mくらいの射程距離を維持しながら、アンテを引き付けて逃げる。
マラル
「なんだ。逃げるのか?
まあ、ネラのことだからな。
俺は正面突破だ!」
マラル
「アーム 砲 爆弾 ターム バースト」
マラルは右手に爆弾を抱え、フィールドを変形させネラを追うアンテの方へ走り出した。
あと数十m(10~30m?)で(両足と右手のフィールドが濃くなる)高く飛び上がった。
右手から、爆弾が着火し始めていて、マラルは爆弾をアンテに投げつけた。
「喰らえ!」
爆弾はアンテの近く2~3mくらいのところで爆発し、7体にダメージが及んだ。
ネラが致命傷を負わせたアンテと、他の2体の、計3体が機能停止。
残り4体のうち1体は腕が1本もげる。
マラル
「これで俺は合格だな。一番乗りだぜ」
ヒュラ
(今日は調子が本当に良いはずなんだが)
ヒュラはアンテに墜落直前で、剣を解除し、宙で回転しながら、右足をシールドで覆う。
敵の傷口に蹴りを入れて着地したヒュラは、激しく感電して足を離せなかった。
しばらく動けずに感電し続け、アピソの羽からの空気の斬撃を拡張したシールドで受け続けた。
シールドが壊れた時、弾みで一瞬アンテからヒュラが離れた。
アームの盾を起動したが、斬撃が肩をかする。
盾で胴体を守りながら、ヒュラは盾に斬撃を受けて、弾き飛ばされた。
ヒュラは地面を転がって、すぐ立ち上がった。
アンテがヒュラの右側から素早く走り回り込んで、左足で右斜め後ろから(盾を交わして)しなやかに叩きつけに来る。
間一髪、ヒュラは体を倒して交わした。
その直後に突進しにきたアンテを盾で防御する。
ヒュラは弾き飛ばされ、盾に亀裂が走る。
ヒュラの左肩は、擦り傷が深まりニューオンが流出。
(あの高さから全力で投げ下ろしても、ほぼダメージなしか)
アンテがまた放電を始めた。
背中を中心に、フィールドのように電気を纏い始めた。
「まさか。嘘だろ?!」
アンテがヒュラにプラズマを飛ばし始めた。
ヒュラはシールドを広く敷いて距離を置き始めた。
動き回りながら、ヒュラは小さめの銃を構えた。
アナウンス
開始1分30秒時点。状況報告。
合格者1名 ヒル隊員 時刻 開始11秒後
負傷者1名 ヒュラ隊員
現存メレピー 36体
各隊員の暫定記録
ヒル隊員 3体 アピソ 11秒時点
クラル隊員 2体 スコーピア
ネラ隊員 1体 アンテ
アレン隊員 1体 アピソ
マラル隊員 2体 アンテ
マラル「なんだと?」
13体のアンテと乱闘し、ハチ型メレピン獣のアピソ2体からの攻撃を凌ぐケラが、近くを通りかかった。
その近くで、アンテに標的にされて、今はアピソに標的にされているザンもケラと同じ方へと移動していた。
ケラ
「よかったじゃない、ネラ。点数評価は正確なようね」
マラル
「どういうことだ?ケラ。
あのアンテを倒したのは俺だぞ?」
ケラ
「確かにとどめを刺したのはマラルだけど、あのアンテの点は、致命傷を与えたネラに入れるのが自然じゃないかしら?」
ザン
「確かに機能停止するのは時間の問題だった。
ネラに点が入らなきゃ不公平だな」
ヒュラは銃を構え、アンテのコアに狙いを定めて3発撃った。
ジリジリと迫って来るアンテは、一瞬歩みを止めたが、腕で弾を弾いてまた迫ってきた。
シールドの形状を調整してヒュラは反撃の隙をうかがった。
(ステートで奴のコアに重力場を作り、アームで火力の高い爆弾を出して放つのが得策だ。
同時に使える技にはドメイン、属性ともに通常は2個までと限りがある。
シールドやワイヤーは軌道力が高くて攻撃性や決定力が低い分、ドメイン発動が終わっても消えるまでの時間が長いから他の技と併用できるが、そんな小賢しい攻撃は通用しない。)
(ここで必中のダメージを与えるには、十分に強力な素早い攻撃が要る。
その攻撃をコアかその周辺に与えるには、防御に技を割けない上に、相当のニューオンを割り当てて攻撃のタイミングを見計らう必要がある。)
ジリジリと詰め寄り、攻撃の量と範囲を一層増して、ヒュラに近づいて来る。
そして、走りながら、足を振り上げてきた。
「よし、今だ」
「アーム 砲 爆弾 + 弾 サテライト」
「ターム シーズ +チャージ リフレクト 軌道操作 」
ヒュラは後方に大きく飛び跳ね、アンテに爆弾を投げ付けた。
プラズマ弾が一層増し、爆弾にも攻撃がかかる。
一部のプラズマが、コア付近の重力場に引き寄せられる。
アンテのコアに、爆弾が命中し、爆発した。
アンテの腕が少し小振りになり、ヒュラの手前を通った。
一瞬のうちに、大量のニューオンがコアを中心に流出。
(やったのか?!)
引き
「シールド」
ヒュラは逃げるように、必死でプラズマ弾を交わし続けた。
身体中を横切るが、なんとか負傷はしていなかった。
ヒュラが向き直り、様子を窺う。
とどめを刺すのを考えていた。
すると、アンテが大爆発して、シールドは粉々に弾け飛んだ。
ヒュラは爆風で吹き飛ばされた。
アンテは大きなコアを剥き出しにして、頭のない状態の6本足でヒュラに迫ってきていた。
左前足はもげかけである。
一瞬ヒュラが足をすくませた。
交わそうと思った頃には、アンテの両前足に捕まっていた。
剥き出しのコアが電気を帯びて熱い。
「道連れにする気か?」




