第0試験
第7話
導入
人型2体がクロー3体とスコーピア1体を回収して撤退しようとしていた。
急いで矢を放つヒュラ。
壊れかけのクロー2体とスコーピア1体が盾になるように割り込んできた。
狙いを僅かにずれた4本がその3体にとどめを刺した。
軌道修正した最後の矢が人型に向かうも、人型Aのプラズマの膜で弾かれた。
矢が爆発して、ゲートから脱出間近のクロー1体を仕留めたが、近くにいたスコーピアを仕留めるには至らなかった。
人型は舌打ちしてゲートを抜け、去っていった。
ヒュラは武装を解いた。
準2級7体と3級5体のメレピー合計12体と1人で戦い、うち9体を無傷で倒し、ハドラリアーを撤退させた。
勝敗は着かなかったが、これはヒュラの事実上の勝利である。
山場1
アナウンス
「まもなく、目的地の島に到着します。
乗船ありがとうございました」
ヒュラ
「これが戦闘訓練用の島か。
試験会場はあの巨大な城塞みたいな建物か。
4年前の魔の世界戦終了後に見たあの城塞を思い出すな」
それは、ヒュラが剥き出しの地下室で、カプセルから出て目にした荒野の中。
当時そこにあったのが、空中都市の存在感を放つ一際大きい軍事施設だった。
城塞のような試験会場
ヒュラは、透明なガラス張りの入り口から簡単に入れた。
中の一角に水族館みたいなものが見える。
廊下が長く続いている。
暗くてその先が見えない。
(場面戻ってヒュラのいる試験会場) 「廊下長いな。お、扉だ」
ヒュラは、扉を押して引いてみたが、すぐには開かなかった。
ドアノブを掴み、いろいろな捻り方を試すと、ドアノブが外れ、扉が開いた。
「変な扉だな」
そう思って暗闇の中を入り進んでいった。
しばらくすると、視界が明るくなった。
大きく開けた空間のようで、ふと振り返ると、遠くの方にあるドアが予想外に大きくて、ヒュラは驚いた。
聞き慣れた声がする。
「ヒュラ、久しぶりだね。
君もここに来てたんだ」
ヒュラが前を向くと、親友のネラがいた。
すぐに、ケラとクラル、ヒルにも気づいた。
試験会場には、ヒュラと同じクラスだった7人が全員集まり、その他には2人いた。
山場2
アナウンス
「ここにいる9名に、これから3つの試験を実施いたします。
とその前に、倍率50倍の最難関、第0試験
『本試験会場への入場』おめでとうございます。
C級隊員は現在24,000人であり、この度の選抜試験受験者はあなた方を含め6627名です」
クラル
(最難関が試験会場に着くための第0試験?)
ヒル 「お前、どうやって入ったんだ?」
ケラ
「試験会場に通じる道は17本。
隠された1本の道以外は、迷路のように入り組んでいるわ。
予定時刻まで残り15分を切ると、会場への門が閉じるの」
ヒュラが建物の中に入ったのは開始17分前。
廊下を渡り切ったのは11分前。
扉を開けて会場に入ったのは7分前だ。
ヒュラ
「さっきの扉が閉じた門なのか?問題なく開いたんだけどな」
そう言って振り返ると、後ろには何も見当たらなかった。
会場全体が明るくなる。
アナウンス
「それでは、こちらのC級用ステレオをご利用ください。
第1試験では、各自で、メレピー3体以上を倒してください。
会場内には、準2級相当の試験用メレピー44体が放たれます」
ヒルは、ヒュラがやってきた方を見て言った。
「あっちにはドアなんてないぞ。
会場の入り口は今見える3つだけだ」
ヒルがヒュラの方へ向き直る。
「どうやって来たか知らんが、到着できてラッキーだったな。
幸運が続くとは限らんが」
アナウンス
「制限時間は20分。
合格後は30秒以内にあの扉から退出ください。
ただし、開始5分後~15分後に限り、受験者同士の戦闘や妨害、横取り等も許可します。
この試験では戦闘データが記録されます。
データは、C級内のランク決定に利用します」
ヒュラ
(会場は、1km四方の四角形で、そこで戦闘の記録を取るって募集要項に書いてあったな。
受験者もメレピーも、開始と同時にあらかじめ指定された場所に配置されるんだな。)
引き
「メレピーを3体倒せば、試験は合格です」
辺りが仮想空間に置き換わるように、輪郭が薄くなっていく。
「第1試験開始。ステレオを起動せよ」
各隊員が武装し、所定の位置に配置された。
サマンダー
(メレピーって意外に個体差があるようだわ。
あのアリ型メレピン獣アンテだけ準1級相当ね)
ヒュラは準1級アンテと向き合って臨戦体勢をとっている。
アンテを叩きつけに行った。
コアを2本の細い触角で守るアンテ。
たった2本の細い触覚は微動だにせず、ヒュラの拳をつまみ止めている。
ヒュラがアンテの右足の攻撃を警戒して後方へ退こうとする。
準1級のアンテは頭を回してヒュラもろとも振り落とした。
そして、ヒュラを踏みつけに突進しに来た。
*コア
弱点となる中枢器官。仮想空間上の全ての兵に存在する。




