03 薔薇の人
王城の奥の奥。ちょっとした離れになっているような渡り廊下でつながっている小さな建物。人はほとんどおらず、侍女の姿を今までに伊織は見たことがなかった。そんな冷たい場所に、ミラベルが一人いる。
涼しさが増してきたからか、庭園に咲き誇っていた薔薇の花の数はずいぶんと減っていた。
寂しくなった。素直に伊織はそう思いながら、長い渡り廊下を進んだ。
また一つ、高そうなカップが割れてしまった。今日も変わらずに美しく整えられている髪が大きく揺れた。
「怒っていても静は来ないよ?」
「どうして!」
ミラベルは甲高い声で叫んだ。
「どうして、誰も私を……私を……!」
両手で顔を覆い、美しい赤髪を振り乱すミラベルはその場にうずくまった。微かに嗚咽が漏れ始め、また会話にならない状況になったのだと伊織は理解した。
伊織は隣にいるヴィンセントを見上げる。ヴィンセントは無言で小さく頷き、軽く伊織の背に手を添え、部屋を出るように促した。
部屋から出て、またすぐに渡り廊下を二人並んで歩く。クレアにウーロ、それとエドヴィンは渡り廊下の手前で待機してもらっていた。
前回、あのようなミラベルを前にクレアはずいぶんとショックを受けたように顔を青ざめてしまったからだ。だからクレアには渡り廊下の手前で待機してもらい、エドヴィンはその護衛としていてもらっていた。ウーロは蛇だからという理由だけで駄目だった。悲しい。前回は一緒だったのに。
「伊織、どう見えた」
「うぅん……。曇ってる、ように見えた。黒くて、暗い」
ヴィンセントの問いかけに、伊織は大きく顔をしかめながら首を傾げた。
「うまいこと隠しているということか」
「……ごめんね、ちゃんと見えなくて」
「謝るな」
伊織はそれが正しく何かが見えない。
全てが見えるこの力は、伊織の知識により、当てはまるものがあれば見える姿が変わってくる。だがミラベルのそれは、明らかに隠されていた。
たとえ隠していても見えるものはあるが、あれは何かが邪魔をしていた。何か、曇り硝子のようなものが間にあった。そしてその向こう側は薄暗く、黒かった。
しかし硝子であれば割れるはずだ。何か、きっかけさえあればあれを取り除けそうだと伊織は見ていた。
「ミラベルについて、少し調べた」
「……調べた?」
「ああ。より深くな」
ヴィンセントは足を止め、庭園を見つめた。伊織は一度、そんなヴィンセントを見やり、そして同じように庭園を見つめた。
「ミラベルは、このロトアロフから南西に隣接している国の王族だ。そしてきっかけは、あちらの先々代の王が馬鹿をした」
「馬鹿って?」
「攻め入ろうとした。が、事前にエヴァンハイン家が収めた為、大きくはならなかった。さすがは守護伯と言われる一族だ」
国が、国に攻め入ろうとした。しかしそれを一つの家が食い止めた。
それがどれほどすごいことなのか、伊織は正しく理解出来ない。それにこの世界には魔術があるのだ。ヴィンセントのように強い魔術が使えれば、結末は大きく変わるはずだ。
「それで賠償金が足りなかった結果、ミラベルをこの国へと輿入れさせた」
「ひどい」
「そうだな。しかし王族もだが、貴族の連中も似たようなものだ。自分が好いた相手を添い遂げられるなんていうのは稀。どうやって家を存続させるかが重要だからだ」
伊織が考えている間にも、ヴィンセントはさらに話を続ける。
いつも伊織を見つめる琥珀はどこを見ているのか。寂しい庭園を見ているのだろうか。それとも、何か別のものを見ているのか。
揺れる光は少しだけ鈍い。
「滅多な事は言えんが、供物の方がまだマシだと思ってしまった」
ヴィンセントが発した言葉に呼応するように、光はさらに鈍くなった。
「ミラベルは元々、輿入れする予定ではなかった」
「……そうなの?」
「ああ。本来であれば、第二王女が輿入れする予定だったが、その妹のミラベルに変わった。何かあったかは知らんが……、簡単に挿げ替えられる程度には自由なんてものはない」
全ては国の為。
仕方が無い事なのだと、伊織は理解まではいかなくても、そういうものだと受け入れるしかないのだと知った。
「ここへ輿入れした時のミラベルは、王族の一人として毅然とした姿を見せていた。だがどうしてか、アレクシア妃とだけは年相応の振る舞いを見せたらしい」
「……そうなの?」
「ああ。想像するに、静に対しての対応と同じだろう」
正妃アレクシア。その人はどんな人だったのだろうか。どこか、静に似ているところでもあったのだろうか。
見た目は異なるだろうから、やっぱり性格といったものが近かったのだろうか。
「それ以外は王族の一人として振る舞っていた。これについては前に話をしたとおりだが、覚えているか?」
「うん」
伊織は慣れない思考を回しながら、ヴィンセントの続く話に頷いた。
以前にヴィンセントがミラベルについて簡単にだが話をした。一切、マティアスを見ようとしなかったという、そういう話だ。王族としては良い事なのだろうが、親子というもので見たら到底良いものではないことぐらい伊織は分かっていた。
マティアスはきっと、苦しかった。苦しくて、けどもどうにか振り向かせたくて仕方が無かった。そのはずだと伊織は聞きながら想像した。
「お待ちください……!」
静寂が満ちている場所に、エドヴィンの良く通る声がよく響いた。
ヴィンセントと伊織はそろってそちらを見やり、伊織は金の瞳を丸くした。
「兄上の婚約者だからと、自由に歩き回りすぎではないのか? アンジェリカ」
そこには自身の侍女を引きつれたアンジェリカが足早にヴィンセントと伊織の元へと歩いてきていた。
後ろには止めようとしているエドヴィンとウーロがいる籠を持つクレアが追いかける。エドヴィンなら無理に止めることも出来るだろうが、開いてはランスロットの婚約者であるアンジェリカだ。きっと無理に止めることは出来なかったのだろう。
「ごきげんよう、伊織様」
「ご、ごきげんよう……? えっと、どうしたの?」
「少しお願いがございまして」
「お願い?」
アンジェリカにつられて同じ言葉で挨拶を返しつつ、伊織はその意味が分からずに首を傾げた。だがヴィンセントはまるで何か察したように、ああ、と小さく声を漏らした。
「だからか」
「え、どういうこと?」
「昨日、兄上がずいぶんと焦ったような声が聞こえただろう? アンジェリカが今日、こちらにやってくる日だったから焦ったんだ。伊織に会わせないようにな」
「どうして?」
「ミラベルに会うためだ」
だから、ここにアンジェリカがいるのかと伊織は遅れてようやく理解した。
アンジェリカは少しだけ乱れたドレスのスカートを整えながらも、改めて姿勢よく立ち姿を見せた。
「今のミラベルに、以前の面影はない」
「しかし、まだ側妃であらせられるでしょう?」
「奴は婚姻の指輪を捨てた。故にもはや王族ではない」
「陛下に一度、預かっていただいているだけでは? まだ離縁されておられませんもの」
まるで静のように捻くれたことを言うアンジェリカに、ヴィンセントは重苦しい息を吐きだした。
つい先ほどまで鈍かった光はその反応とは大きく異なり、明るく瞬いている。これは楽しんでいる時の光だった。
「ずいぶんと、図太くなったじゃないか」
「ふふっ」
ヴィンセントは琥珀の瞳を細め、口角をあげる。アンジェリカもまた同じように、しかし上品に口元に手をあて微笑んだ。
「伊織、どうする」
分かりきったことを聞くヴィンセントと、少しだけ顔を曇らせたアンジェリカが伊織を見つめる。
伊織はいつものように笑顔を浮かべた。
「行こう!」
「はい!」
すぐに踵を返し、伊織はヴィンセントと共に足を進める。今度はエドヴィンとクレアも一緒だ。おかげで先ほどよりも寂しさはない。
アンジェリカと会わせることでどんなことが起きるのか。伊織はあえて何も考えず、なるようにしかならないと言っていた静の言葉を信じ、突き進むんだ。
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「失礼いたします。ミラベル様」
中に入ったのはアンジェリカ、一人だけだ。伊織とヴィンセントがまた一緒に中へ入れば、ミラベルがまた怒りのままに声を荒げてしまうかもしれないからだった。
アンジェリカの侍女も同じように待ち、扉の僅かに開いている隙間から伊織は覗き込んだ。
「……どなた……?」
「ランスロット殿下の婚約者であります、アンジェリカと申します。以前お会いした事があったかと思いますが」
丁寧な物腰のアンジェリカに対し、ミラベルはゆったりと余裕のある動きで頬に手をあて、薄く笑みを浮かべた。
「ふふっ……一体何の御用?」
思い出したのか、それとも誤魔化したのか。ミラベルの胸の内はぼやけたままでうまく見ることが出来なかった。
代わりに伊織はアンジェリカの背中を見る。
人はいろんな光を持っている。アンジェリカは薔薇のように見える光が一輪。その花は以前よりも大きく花開いているように見えた。
「私は、次の雪解けの季節にランスロット殿下と婚姻をいたします」
小さく伊織は息を飲んだ。そしてすぐに奈緒が夜会に出席した方が良いと言った理由を知ってしまった。
きっと、夜会の時に、これを言うのだと。
対してミラベルはずいぶんと落ち着いた態度で、全く興味がないように視線を逸らした。
「そう」
「はい。ですので、その前にご挨拶をさせていただきたかったのです」
「あら、このような罪人に?」
「それでも側妃であらせられるのは変わりないのですから」
ずっと丁寧な対応を見せるアンジェリカはしかし、わざとらしく大きく息をつく。そして先ほどのミラベルのように頬に手を添えた。
「そのうえで、側妃であられたミラベル様にご指導をしていただきたかったのですが……。この様子では難しいようですわね」
ミラベルの冷たい視線がアンジェリカを射抜いた。
「アレクシア妃が今の貴方様を見たら、なんとおっしゃられるか」
「だまらっしゃい!」
甲高いミラベルの叫びが響き渡った。
それと同時、曇っているものが大きく揺らいだのを伊織は目にした。
「私は……! ええ、私は……確かに望んで……! ですが、あのお方が……アレクシア様が……私を」
混乱しているように、両手で頭を抱えミラベルはその場に座り込んでしまった。
それが曇り硝子の向こう側。暗く黒い合間から何か光のようなものが見えた、気がした。それに誘われるように伊織は部屋の中へと飛び込んだ。
「伊織!」
背中からヴィンセントの声が聞こえたが、伊織は無視して床に座り込むミラベルの前に両膝をついた。
「ミラベルさん。アレクシアさんのこと、大好きなの?」
「……ふふっ……貴方が、このお方を連れてきたというわけですのね?」
「うん、ごめんなさい。それで静のことも大好きなの?」
今なら話せる。そう見えたのだ。
ミラベルは涙がにじむ瞳を伊織に向ける。先ほどのように錯乱する様子はなく、打って変わって波さえもない水面のような視線を向けてきた。
「……ええ、そうですの。お二人とも、大好きですわ」
「どうして?」
「アレクシア様は私の初恋のお方ですもの」
「そうなんだ。じゃあ、静は?」
「……遊戯盤を」
素直に教えてくれるミラベルは、どこを見ているのか。虚ろな瞳は目の前にいるはずの伊織なんてものを見ておらずに、揺れる声で答えた。
「遊戯盤を……しようと、誘ってくださって……。あの子……、遊戯盤が好きで……それで」
伊織は反射的に扉へと振り返った。すでに部屋の中に入っていたヴィンセントまで聞こえたのだろうミラベルの言葉に、険しい表情を浮かべた。
あの子。きっと、ミラベルにとって、とても親しい相手だった人だろう。そしてこの輿入れによって離れ離れになってしまった。
なんて悲しいことだろうかと、伊織は他人のことだというのにどうしてか胸が締め付けられるような思いを初めて抱いた。
「……ミラベルさん。あの子って?」
「あの子……?」
ミラベルは、小首を傾げて不思議そうに伊織を見つめた。
曇り硝子の向こう側がまた、暗く黒く濁った。
「ふふっ……、一体誰のお話をしていらっしゃるの?」
一瞬にして、ミラベルは人が変わったかのように、伊織へ冷たい視線を向けてきた。
あの向こう側で一体何が起きているのか。どうしたら目の前の硝子を割ることが出来るのか。硝子なのだから割ることが出来る、そのはずなのに。それとも、見えているこの曇っているものは硝子ではないのか。
何もかもが分からなくなってくる伊織は、どう答えれば良いのか分からずに見つめるしかなかった。その様子がおかしいと言うようにミラベルは口元を隠しながら微笑んだ。
「せっかく……。ええ、せっかく。王族ではなく、ただの罪人となったというのに。そしたら静様も会いやすくなると思ったというのに……。うまくいきませんわね、全部。困りましたわ」
くすくすと笑うミラベルは、目の前にいる伊織の手に自身の手を重ねた。
「ねぇ、伊織様?」
「え……?」
「どうして静様は会いに来てくださらないの?」
「……だって、今のミラベルさん。怖いもの」
「怖い? まぁ、私が?」
そういえば、と思い出す。
静はミラベルを可愛らしい薔薇のような人だと例えた。桃色の、棘のある薔薇。
「ねぇ、伊織様。どうして伊織様は聖女をなさっているの?」
「それは、えっと」
「何もしない神々に、どうして祈っていらっしゃるの?」
「祈らないと、いけないからで……」
「ええ、そうですわね。けどもご存じ?」
うっそりと、ミラベルは微笑む。その目はまるで、獲物を狙う蛇のようだった。
「あの方々がいなくとも、理想郷へ行けますのよ?」
伊織が反射的にその言葉の意味を聞こうとした。しかしそれよりも前に、後ろから誰かの腕が伸び、そして目の前に大きな手が視界を塞いだ。
「ようやく吐いたか、ミラベル」
「あら。私が知っているのはこれぐらいですわ」
「何も知らないと言ったというのにか?」
上からヴィンセントの声が聞こえる。伊織の視界を塞いでいる手はヴィンセントの手ということだ。では今、伊織を抱き寄せているのは誰だろうかと思いながら、試しにその手に触れた。
「ああ、申し訳ございません。苦しかったですか?」
「あ、ううん。誰かなって思って」
「アンジェリカですわ」
どうやらアンジェリカが伊織を抱き寄せてくれていたらしい。優しく抱き寄せてくれる細い腕の中は温かく、少しだけ甘い花の香がした。
「ねぇ、ヴィンセント。見えないよ」
「もう見るな」
「やだ」
えい、と伊織が力づくでヴィンセントの手をどかす。と、思ったよりも簡単にヴィンセントの手が除き、改めてミラベルを見やる。
ミラベルはもうすでに立ち上がり、優雅にソファに座っていた。
「理想郷か。あの男が言っていたのか?」
「どうだったかしら?」
「静を連れて来いと?」
「そちらの聖女でもよろしくてよ?」
ヴィンセントの光が慌ただしく強い光を発す。伊織はすぐに立ち上がって手を伸ばし、ヴィンセントの袖を掴んだ。
「また来るね!」
「ええ。今度は静様も連れてきていただけると嬉しいですわ」
「それは駄目! じゃあお邪魔しました!」
伊織は無理やりに声を張り上げながら、ヴィンセントの袖を引っ張るように部屋の外へと急いで出て行った。
エドヴィンが扉を閉めるその直前、伊織が振り向き残されたミラベルを見る。
ミラベルはもうすでに伊織達を見ておらず、その曇った向こう側はまた微かな光が見えた、気がした。
そして伊織はヴィンセントの袖を掴んだまま渡り廊下を進む。
「私、大丈夫だった」
「しかしな」
「ミラベルさんは痛い事してこない」
「あの口車に乗せられるかもしれないだろう?」
「お話しないと見えないもん」
「それなら見えたのか」
「見えてないけどぉ」
伊織はつい、ちょっとした不満を口にするとヴィンセントは伊織の機嫌をなだめる様に、しかしちゃんと言い返してくる。
まるで子ども扱いのそれだった。
つい拗ねた様な、まさしく子どものように答える伊織に、後ろからアンジェリカが小さく笑ったのが聞こえた。
「伊織様。それでもヴィンセント様はしっかりと待たれていたのですよ?」
「そうなの?」
「ええ。私がすぐに間に入ろうとしたというのに、ヴィンセント様は私をお止めになさったのです」
部屋に入ってすぐに事だろうか。それともその途中のことだろうか。
しかしアンジェリカの嘘のない話に、伊織はすぐにヴィンセントの袖を強く引いて笑顔を向けた。
「ありがと!」
「……機嫌が悪いと思ったら、すぐに良くなって……。どうなっているんだ」
「違うよ。私、怒ってるんだから」
「そうかそうか。で、いつまで掴んでいるんだ?」
「静の真似!」
「ああ、奴もよくルイスを引っ張っているな。手を」
ヴィンセントの琥珀の瞳がきらり、と光ったように見えた。
「袖で良いのか? 伊織」
伊織はどうしてか、そのよく分からないヴィンセントからの目を向けられ、反射的に手を離した。
「なんだ、もう止めるのか」
「ウーロにたくさん魔力食べられちゃえ!」
「そうだな。一度、どれほど食えるのか試すのも良いな」
後ろからクレアが小さな悲鳴をこぼした。振り返り見れば、ウーロが大きく頭を持ち上げ籠から出ていた。そのせいで急に重くなったらしく、クレアは慌てて籠を床に下ろしていた。
ウーロはクレアを見上げ、即座に籠の中に戻る。かと思えば、ちょっとだけ籠から頭を持ち上げ、チロチロと舌を見せた。ごめん、と謝っているようにも見えるそれに、クレアは困ったように微笑みを浮かべ、今度は抱えるように籠を持ち直した。
ヴィンセントはその様子を見て、いつものように喉の奥を鳴らすように笑みを零しながら伊織に問いかけた。
「それで? 今日のこと、静にどう言うんだ?」
「ちょっとだけ話すよ。けど、会わせないけど」
「また会いに行くのか」
「うん。だって、私とお話してくれる気になってくれたもん」
それに、あの曇り硝子の向こう側がどうなっているのかがやはり気になって仕方が無かった。
次こそはあの硝子を割ろう。けどその方法はどうやろう。
慣れないことをうんうんと考えながら歩いていると、急に手が覆われた。
「ほら、転ぶだろ。袖を掴んでいろ」
「……うん」
伊織の手を覆って来たのはヴィンセントの大きな手だった。
ヴィンセントは迷いなく先ほど伊織が掴んでいた袖へと掴ませる。そしてしっかりと伊織が袖を掴んだのを確認し、また前を向いた。
伊織はいつもと変わらない瞬く光を持つヴィンセントを見つめる。やはりその裏にあるものが気になるが、今はそれよりもミラベルのことだと思い、目を逸らした。




