表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルカナの戦慄  作者: 三古谷
第四章 『Broken mirror』
PR
35/227

『仲間じゃない』

「あ"…づい………」

照り付ける太陽のもと、今日も元気に任務中。

そして、藤木分隊、愛美班戦闘中。

五人で構成される班のうち、

愛本陽灯及び岩瀬永徳2名が悪魔教、団員1名と戦闘。


先には愛美班長達が他の団員と戦ってる…

けど、それほどの人数じゃないから脅威にはならいはず…。

私は暑さをぬぐい、しっかりと前を見据え、敵に集中した。


相手も、もうかなり消耗してるはず…、ここは一気に畳み掛ける!!


そう決意し、私は敵へ斬りかかった…と、同時に


バンッ!!


という鋭い音が聞こえ


『避けろ!!!!』

GEMから岩瀬さんの声も聞こえた。


「えっ…」

もう斬りかかってしまっている…。

既に避けることもできず、私はそのままその方向へ進む。


立ち止まり、感じた違和感に自分の肩を見ると、一発の弾丸が撃ち込まれていた。


たちまち、肩から大量の光…アニマが逃げていく―


私はそれを確認するや否や、驚く敵の、宝石ルーナ目掛け、細剣を突き刺す。

宝石ルーナは硬く、一度では砕けなかったが、ヒビが入った。

剣を回すようにもう一度突いたことで、宝石ルーナは砕け、それによって出来ていた敵の換装も解けた。


砕けてくれたことに内心ホッとした。

しかし、それを敵に悟られぬよう、敵に剣を向け極めて冷徹に口を開いた。

「死ぬ覚悟があるんですの?」


敵は目を見開いて怯えた顔をし、そして何とも言えぬ叫び声のようなものを発しながら逃げていった。

敵の姿が小さくなってきたところで、私の換装は勝手に解けてしまった。

それによって手に持っていた細剣も消えてしまう。


当たり前だ。

あれだけアニマが逃げてしまったんだから。

今、攻撃を受けたら、さっきの敵のように本当に死ぬ。


イヤリング型のGEMに手を当てながら、私は口を開いた。

はなはだ、嫌気が差しましたわ。

 どうやら貴方は余程私のことが嫌いなのですね。

 それこそ死んでほしいほどに。」

私は背後にある廃ビルの屋上か何処かに居るであろう、姿の見えぬ相手を睨み付け強く言った。


今までの、無視やら、悪態やら、理由の解らない嫌われっぷりには目を瞑りましょう。

孤児だから、そういうのには慣れてる。嫌な慣れではあるけど。

けれど。

任務に支障を来す…もはや、妨害と言っても良い行為。


避けろと言っていたところから?

誤発射なのは解りますけど?

間違いで殺されてたら世話がない。

もしも別の誰かにあれをやっていたかと思うと、本当に…。

甚だ、嫌気が差した。


『結果的に撃ったことは悪かったが

 スナイパーが居ると解ってる以上、攻撃する前に何か言うべきなんじゃないのか?

 お前に任せていたら、俺の居る意味がない。

 お前の戦いはいつも身勝手だ。』


「なっ…!!!」

謝られたって許す気は更々ないが、まさか文句を言われるとは思わなかった。

そっちだって、撃つよ。とか一言も言わなかったくせに!!!

ナイフは常に攻撃するものでしょう?!

スナイパーは、そんなバカスカ撃つものじゃないでしょ?!

むしろ、まだ相手が気づいてないときに撃つもので…、さっきのは私一人で十分だったじゃない!!!!


何が身勝手よ!

「そうですか!

 貴方がそういう考えならば、もういいですわ。

 私はもう戦闘不能なので離脱させていただきます。」

そう言い終わると、一方的に通信を遮断し、アンゲルス本部へ向かった。

ああっ!太陽が暑苦しい!

何よ!こっち見るな!

私、間違ったこと言った?!


愛美班長へ戦闘不能になったので、離脱する。と伝えたが、その間も声がイライラしていたと思う。

愛美班長には八つ当たりのようで、申し訳ないけど…。

ここまで腹が立つことが今までにあったか…、いや絶対にない。


私は何処にもぶつけられない怒りのやり場を探して、地面を強く踏んだ。


怒り方が分からない!!!!







「だから今怒ってるの!!!!」

と怒鳴るように良いながら、私はペットボトルを机に叩きつけた。

と言っても、丁寧にキャップを閉じたし、ペットボトルなので特に大きな音も立たない。

そして怒鳴り声もあまり大きくなく、ラウンジに居るたくさんの人の音や声に掻き消えた。


「まあまあ…。

 永徳だって態とやった訳じゃないんだ…」

私は隣に居る男をギロッと睨んだ。

「礼人はどっちの味方なの?!

 旧友?!

 それとも弟子ぃ?!」

この裏切り者。

私が神夜さんに弟子入りした時期辺りに、岩瀬さんを弟子にしていたのだ。

つまり、礼人がいつの間にか師匠になっていたのだ!

私が弟子になっている間に!!


「どっちってこともないだろぉ…」


「あ"ぁぁー、もう!

 今世紀最大級にイライラするぅ~!

 他人に対してこんな怒りを抱いたの生まれて初めてだわ…!!!!」

本当に比喩でもなんでもなく、そもそも他人に怒りを抱いたことすら…あるけど。

かなり少ない。

それでも普段なら、誰かを危険にさらされて…とかだけど、今回は単純に腹が立つ。

ただただ腹が立つ。

誰のためとか誰のせいとかじゃなくて、本当にただただ純粋に。

しかも、これだけ継続するのもはじめてだ。

怒りが日も跨ぐなんて、本当にはじめて。


あああああああ、思い返せば返すほど腹が立つ。

もう、もう、撃たれたことは最悪良いの!

それは良いの!

いや、許せないけど良いとするの!

でも、そのあとのあの態度はなに?!何なの?!


「っていうか、もう一緒に戦えなくない?!

 普通に考えて無理じゃない?!!!」

こんな状況で背中預けられるわけがない!!!

あんまり言いたくないけど、また間違いが起こるかもしれないじゃない。


「えええ

 落ち着けよ…、仲間だろぉ……?」

さすがに礼人も困った顔をしたけど、それに気を使って静まる怒りなら、とっくに収まっているのだ。


「仲間なんかじゃない!!!!」

口を吐いて出た言葉はやっぱりラウンジの音や声に掻き消えたが、先程よりも多い人数に届いていた。


「あぁ、そうかよ。

 俺もそう思ってたところだ。」


「永徳…!」

驚く礼人の視線を追うと、そこには岩瀬さんが居た。


「そう思ってた…?」

その言い方、何か可笑しくない?

まるで、今回の件が両方悪いみたいじゃない。

まるで、今までの事に、私にも過失があるみたいな言い方じゃない。


「そうだ、仲間じゃないって。

 前からな」

何時ものように冷めた顔で言う岩瀬さんを、私は明確に睨んだ。

「そう、前から………。

 そうね。ええ、そうね。

 仲間を撃つような奴が仲間なはずがありませんわね。」


すると、岩瀬さんの目に熱が宿り、私と同じように睨んだ。

「あ…?

 もっぺん言ってみろ。」

と言いながら、岩瀬さんは隊服のネクタイに付けられたGEMに手を伸ばした。


「お望みとあらば、何度でも。

 一歩間違えば人殺しですもの。」

そう言いながら、私は自分のGEMを発動させ戦闘体に換装した。

アンゲルス内の武器の使用は禁じられてるけど、そっちがやる気なら私に止める術はない。

換装しなで攻撃されたら、死ぬんだから。

「あぁ?!!」


互いに睨みあった瞬間

「止めなさい!!!!!」

響いた怒鳴り声に、私と岩瀬さんはビクッと震え、周囲も静まり返った。

自分達には関係ないと思い、周囲はまた騒がしくなったが、私達は微動だに出来なかった。


自分の旧友、もしくは師匠が鬼のような顔をしていたから…

「喧嘩は多いに結構だ。ああ、好きにやれ。

 だがな、お前達は何のためにGEM(それ)を持ってるんだ?

 喧嘩のためか?相手を黙らすためか?」


岩瀬さんはGEMから手を離し、礼人の方に向いた。

「…違います」

私も換装を解いて、礼人の方を向いた。

「民間人を守るため…です」


「そうだな。

 怒りに任せて間違いを起こすようなら、

 お前達はアンゲルスに居るべきじゃない。」

私と岩瀬さんは顔を伏せて黙った。

私達の喧嘩の善悪に関係なく、私事で、ましてやアンゲルス内とはいえ、人の集まるラウンジでGEMを使うべきじゃなかった。

私は防御のために換装をしたけど、それが宣戦布告と取られても可笑しくない。

冷静じゃなかった。


「頭を冷やしなさい。」

最後の一語まで礼人の声は低く、重苦しかった。

13日の金曜日だ。

奇しくも小説も不気味、不吉な感じになりました。


次回、アスターが完全登場します

初登場の電話…そこでのイスィールの意味ですが。

アスターの即興謎々です。

Aster

エイ エス ティー イー アール

最初の文字を消して

イスィーーール

イスィールです。


それと会話。

盗聴されても良いように、予め決めた暗号で会話しています。

言っている色は、色によって変わるアスターの花言葉です。

白「私を信じてください」

青「信頼」「あなたを信じているけど心配」

紫「恋の勝利」「私の愛はあなたの愛より深い」


そして最後の俺。はジニアの花言葉

「不在の友を思う」「注意を怠るな」です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ