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アルカナの戦慄  作者: 三古谷
第二章 『Narcotic human』
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24/227

〈事無かれ〉

予期せず懸憐さんのいう“きっかけ”が出来たAクラスはかなり…いや、大分…。


要するに仲良しになった。

気の置けない仲、というやつだ。

特に私はイーサンや明石家さんと多喜本さんとか、あ、礼人とか佐久間さんとかエッカートさんとも仲良いよ。

あ、もちろん内匠さんもコロンn


言い出すときりがなかった。

ああ、でも内匠さんと仲良いのは、むしろ礼人とコロンナさん…あと天都さんかな。

みんなそれぞれ仲の良い人が居て、あと喧嘩する相手も居て、とっても良い感じ。


そんな良い感じのまま…なんと…なんと…、とうとう最終試験が来てしまったぁぁ

それぞれ、志望する部に対応する試験を受けなければならない!

一応全部紹介する

【普通科】

愛本 陽灯は普通部ナイフ

近距離、中距離から敵と戦闘。戦闘員


澤田 礼人は狙撃部スナイパー

基本的に遠距離から敵と戦闘。戦闘員


近川 美代は暗殺部アサシン

近距離、中距離、遠距離に関わらず、任務の遂行。準戦闘員。


【情報・通信科】

佐久間 凉は会計部カルキュレーター

アンゲルスの諸々の報告の纏め。


李 イーサンは通信部オペレーター

普通科の人達へ指示や援護。


エッカート 秀は情報部スパイ

様々な情報処理や管理。


【技術科】

多喜本 アカシアは研究部サイエンティスト

悪魔やマターなどの研究。時折マッドが付く。


明石家 瀧は工学部エンジニア

セカイやGEMの管理、修復、製造。


鎹 夕美は施設部ホーム

本部の管理、修繕。また遠征時では基地の管理。準戦闘員。


【衛生科】

桜庭 辰弥は治療部ヒーラー

隊員や職員、市民の治療、修復。


内匠 エナは看護部ナース

治療部の補助や、負傷者の日常的な治療。精神面を含む。


コロンナ ギファは薬学部ドラッガー

様々な薬などの研究、製造。


天都 キリ。

彼だけはアンゲルスには入らない。

カルディアであったがために、コントロール能力を高めるのと、暴走しないためにGEMを受け取っただけだ。

戦うのは絶対に嫌とのこと。

お母さんを悲しませないためらしい。良い子だ。


あと、内匠さんの特殊能力は治療に使えるらしく、看護部へ推奨され、本人もそれを望んだ。咲空さんが居るので安心だ。

あとコロンナさんは特殊能力を制御する薬か、もしくは解毒剤を頑張って作るらしい。


みんな偉いなぁ…と染々思う。

「あ、俺ら試験受けないんだ。」

と言ったのはエッカートさんだ。

そして、俺らに含まれている視線の先には近川さん…。


「殺されたいのか、すぐる

とんでもなく低く恐ろしい声を近川さ…様はお出しになられた………

多分、みんな怯えた。


「えー?

 良いじゃん!

 どうせ全員受かるし、もうバレたって問題ないじゃない?」

全く怯えていなかったエッカートさんは呆気からんとそう言った。

言われた近川さんはふかー……い溜め息を吐いて、エッカートさんの居る教壇へ向かった。


「私は暗殺部アサシンだ。

 侵入者の発見、監視、なにより研修生達の護衛を命令されていた。

 それについて、澤田礼人、佐久間涼、愛本陽灯の3名を危険にさらしたこと改めて謝罪する。

 また他のみんなにも不安にさせて申し訳なかった。」

そう、近川さんは深く一礼をした。


「俺はその補助…ってか近川とみんなとの潤滑油ね。」

エッカートさんの言葉に、私は俄然納得言った。

つまり、あのときのもう一人の嘘つきはエッカートさんだったわけだ。

多分だけど、エッカートと近川は結子さんのこと何らか感づいてたのか…、もしくは単に偶然?

まあ、もう嘘つきに恐れる必要はなさそうで安心した。


「……あ、じゃあついでに私も言っておくけど…

 あ、なるべく言わないでね。

 私、レジティーマだから。

 同じレジティーマにも知られてないから、内緒ね。」

…………え………、なにそれ、怖いんですけど…鎹さん………。

確かに鎹なんて名字聞いたことないし……でもレジティーマって言うことはつまり代々続いてる家系で……え?レジティーマにも知られないレジティーマって何?え?怖い…。

お願い、誰か細かいとこ聞いて…


シーン…………


誰か聞いてぇぇぇぇぇぇえええええ


「…ちなみに能力は?」

よくぞ聞いた天都さん!!!!!!まずはそこからだ!


「名字のままだよ。金属だけど、大したことはできない。

 あ…GEM使えばそれなりになるか。」

金属…?怖い…異端ゼノじゃん……。なのに知られてないってどゆことなの…???

怖いよぉぉぉぉお。


耐えきれずに自分で口を開いた

「えっ……と、なぜ内緒なのでしょうか……?

 レジティーマに対して…」

一般人に対して内緒なのは大いにわかる。

けど、なにゆえレジティーマにまで…?


「戦力にならないのと、別に仕事があるから知らされてなかったからね」

あ……、なるほど……………………別の仕事?!!!!


「うちは代々、柊家の秘書やってるの。」

と、にっこり微笑んだ鎹さん。

解らなくても怖かったけど、解った方がもっと怖かったです…。

柊家の秘書て……秘書てて…………。






「あっ!」

その帰り私は忘れていたことを思い出し、礼人に振り返った。

突然振り替えられた礼人の方は目を開いて私の言動を待っている。


私は鞄の中に入っていた包装紙を取り出した。

まあ、お金が掛かるからとケチって自分で作った包装紙だから不格好だけども。

別に良いよね

「これ!

 作りましたから」

と、礼人にその不格好な包装紙ごとそのプレゼントを渡した。


「………お?

 ……あっ…あぁー!」

完全に忘れていたらしいが、しばらく凝視して思い出してくれた。

まあ、エッカートさんに教えるために一緒に作っただけのものだけど。

…誕生日が2月らしいから。

もう3月だけど。


「指輪な。マジで作ってくれたのか。

 ありがとな!」

何だと。やっぱり冗談だったのか。

ついでだから良いんだけど。


「まあ、遅れたけど

 誕生日おめでとう」

兄っぽい人。

口には出すつもりないけど、何となく頼りにしてるし信頼してるよ。

晶にぃと同じくらい。


まあ、腹立つとこも大いにあるけど!











俺は水だけが入った硝子張りの神殿に手を重ねた。

ヒンヤリと冷たい感触が一瞬触れ、俺の体温で少しずつ熱をもった。

俺が軽く見上げる高さにある硝子の神殿は筒状で、中の水は透き通っている…ように見えるが俺からすればこの水はもうダメだ。

「はぁ…」

俺が吐いた溜め息は地下のこの空間でどこまでも共鳴し、やがて俺の耳に聞こえないレベルまで消えた。

神殿に触れていた手を机へ置くと、ヴォン…と音を立てて端末が起動した。


虚構のキーボードを打っていくと、神殿から水がなくなっていく。

それと共に走馬灯のように記憶が蘇っては流れる水のように消えた。


「もう5年も経つのか…」

考えてみれば、5年もネチネチネチネチ…我ながら気持ちわ…

いや、違う。

一途なんだ俺は!

一途…?恋か?恋をしていたのか?俺は。

いや、そんな訳ないな。


まあ、そんなのはどうでも良くて…。


愛本陽灯のセカイでの怪我は完治したらしい。

自然治癒なのか、設定上なのか、それとも何らかの治療が行ったのかは解らないらしいが。

まあ、何にしろ治ったのなら。

そして治せることが解ったのなら、それだけで十分だ。


「ジニアさん。

 いらっしゃいますか?」

上から降り注いだ声に、俺は前を見据えたまま口を開いた。


「居るよ。

 どうかした?」

そう、なるべく優しい声で答えた。

上を見ないのは、今見たらもしかしたらスカートの中身を見てしまうかもしれない。

そもそもズボンの可能性もあるんだが、恐ろしいので見ない。


秋桜コスモスがな。

上から降りてきた、この幼女は向日葵ヒマワリだ。ヒマちゃんだ。

幼女だが、恐らく誰よりもしっかりしてる。偉い。

そんな偉い幼女のヒマワリが来るのは、大抵にして何かの情報を得たときか、親に「たまには外で遊んできなさい。」と言われたときだ。

家よりもこもっちまってるな。

日光浴びた方がいいぞ。ヒマワリなんだから。


「もう、水は抜いてしまうんですか?」

ヒマワリが見たのは神殿だ。

まあ、都合上そう読んでるだけでただの硝子の筒だ。大きいけど。


「ああ…。

 もう必要ないからな。」

硝子の筒を撤去するのは骨が折れるし、いつか使うかもしれないから撤去はしないが。

…水くらいは抜かないとな。


するとヒマワリは一瞬悲しそうな顔を浮かべてから、パッと我に返り。

「教団に動きがありました。」

俺は目を見開いてヒマワリを見てから、また神殿へ目をやった。


「それ…他の奴等には言ったのか?」

俺の言葉に、ヒマワリを首を振った。


「何より先にジニアさんに、と。」

ヒマワリの言葉に、つまり…そういうことか…と。俺は溜め息を吐きながら頭を掻き


目を見開いた。

「…で、目的と人数は」


「人数は不明です。

 とりあえずはアンゲルスの新入生の邪魔。

 あわよくば能力者や隊員の誘拐。洗脳。戦力増強。」

あまりのクズっぶりに思わず天を仰いだ。


「事前に潰すか。」

私的な恨みもあるし。と拳を握った。

ヒマワリをガッツポーズした。


「いや、それは止めた方が良いだろうな。」


「うわっ、びっくりしたぁ…」

突然、背後取るの止めろっていつも言ってるだろぉ…??

二人とも。


今俺に声をかけたのはキク

あともう一人の幼女2号はアザミ。口で幼女とか2号とか言ったらたぶん殺される。


「何故ですか?

 悪事を見過ごせと言うのですか?」

キクに詰め寄らんばかりのヒマワリを、慌ててどうどうとおさめた。


「まさか。

 止めた方が良いのは事前に…だけだ。」

キクの言葉に、俺とヒマワリは顔をしかめた。

ヒマワリの方は理解できないから…、だか、俺は理解した上でこの顔だ。


「アンゲルスにとっては良い予行演習だろう。

 それに俺達も彼らの実力をみたい…。

 違うか?」

キクの言葉に、はぁぁ…と深く溜め息を吐いた。

違わないのが逆に困る。


「だがなぁ…

 その予行演習で怪我でもしたら…」

正義感が強そうで、しかも実力が中途半端にある新入生には何人か心当たりがあるんだよなぁ…。

いや…、アンゲルスも馬鹿じゃない。

事前に隊を組んで…。

あー…、子供らが戦わなくて良いなら、それに越したことはないだろうに……。


「援護…行く…?」

今まで黙っていたアザミが、キクの袖を掴みながら口を開いた。

…言わずと知れたアザミ様だが。

血的には同じはずなんだがな…、この独特の雰囲気は、やっばりアザミ様にばかり引き継がれる。


まあ、それだけじゃないのは見てて解るんだが。

人間と言うのは良くできたシステムだよ…熟。


「え、うっそー、会いに行くの?!」

上からはしゃいだ声で来たのは秋桜コスモスと、蒲公英ダンドリオンだ。

主にコスモスの姿をみて、俺は深く溜め息をついた。


「あっ、なにその溜め息!

 どういう意味…?」

俺はそれを軽い気持ちで無視してキクに向き直った。


「アザミの言う通り、行きたい気持ちはあるが…

 俺じゃ援護どころか足手纒だ。」

すると、俺は至極全うなことを言っているにも関わらず、コスモスが上でクスクス笑った。

ちょっとイラッとして、やっぱり俺は無視をした。


「怒らないでよ。

 大丈夫よ。

 最悪の場合、あの子はアスターが守るだろうし…。

 そうでなくとも、アンゲルスには優秀な隊員が居るでしょう?」

それを言われるとぐうの音も出ないんだが…。

何というか…、先に情報を持っているのになにもしないのは…、もどかしい…。


「もしもの時は、リオンでも引き摺って行ったら?」


「えぇぇ?!俺っすか?!」

あからさまに嫌そうな顔するな、ダンドリオン。


「そうですね…、私が行くわけにもいきませんし…。」

まあ…、こんな揉め事くらで出すわけにはいかんな…。


「いや、自分で行けば良いじゃないっすか!コスモスさん!」


「こんな、か弱い乙女に押し付ける気…?

 っていうか、私は別の任務があるから。パス。」

別の任務なんてあったか…?


はぁ…うちの組織はどいつもこいつもインドアだなぁ…。

まあ、インドアの哲学者が好き好んで入ってる組織なんだから、仕方がないと言えばそれまでだが…。

あとは、恩とか。そんなもんだな。


「まあ、何もなければ良いさ…」

空になった神殿へ、俺は微笑んだ。






Narcotic human―麻薬人間―






杖  主な組織…フルール・ド・リス

ACE   「華綾」

  「」

「」

 「」

  「」


聖杯 主な組織…アンゲルス

ACE   『綾雅』

  『』

『』

 『』

  『』


剣  主な組織…紫の庭

ACE   〈フール〉

Page  〈百日草ジニア

Knight〈キク

Queen 〈秋桜コスモス

  〈〉


金貨 主な組織…教団

ACE   《ルキフェル》

  《》

《》

 《》

  《》

みんなの換装体の見た目は、多くの場合髪型とか髪や瞳の色が変わってます

が、ややこしいので基本的に描写しません

因みに、陽灯の場合は通常時はショートで

換装時はセミロングくらいに伸びます。


あとアンゲルス隊員は映画とかドラマとかと同じ

系統の職業にも分類されます。芸術系?

法律上の問題です。

故に換装した状態で、新聞とかテレビに出てます。

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