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俺、“なんで”消えた?〜幼き手は、俺に託された〜  作者: しろ兎
主婦から“平和な”転職できますか?-外伝 Episode I-
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xX-08 隔離室。

観測者

[泣きながら書いてませんよ。]

[……。]

とある軍事基地。


廊下。


壁にもたれ掛かる男。

腕を組み、目を閉じている。


静かに、俯く。


???

「待たせたな」


その声へ顔を上げた。


???

「師匠…」


少年を抱えた風来人(ふゆと)の姿。


風来人

汐川(しおかわ)さん……先ほどの女性は?」


汐川(ラファルサ少佐)

「……集中治療室だ」


風来人

「え!?なにがあったの?」


吉草(よしぐさ)(師匠)

「システムを起動させた反動か…」


ラファルサ少佐

「はい…」

「チャーリー中佐が行方不明でして…」

「本来なら中佐が管理しているのですが……」


吉草

「なるほど…チャーリー…一体どこへ行った……」


〈〈大地「ここだ!」〉〉

〈〈相田「ええい!!壁を叩け!」〉〉


――コココッ… ココッ コココココッ…


風来人

「ん?」


ひょうたんへ視線が行く。


風来人

「ケロちゃんかな?」

「だしてーて?」


「ジィ、この子?ここに置いていい?」


吉草

「待て」


少佐へ振り返る。


吉草

「汐川この少年を隔離室へ」


ラファルサ少佐

「わかりました」


少佐は二人を案内した。


空室の密室。


風来人

「拷問でもするの?」


そう言いたくなる程の空間だった。


風来人

「椅子に座らせるの躊躇するけど…」


吉草

「姿に惑わされるな!」


風来人

「でも、肉体はケロちゃんだから……」


吉草

「中身は敵だ。その迷い捨てろ」


そっと少年を椅子に座らせた。

少佐は、躊躇することなく手首と足首を拘束した。


ラファルサ少佐

「でるぞ」


監視室。


ライダーの変身を解く吉草。

続いて、風来人も変身を解いた。


ひょうたんを手に取った。

蓋を外す。


風来人

「ケロちゃーん出ておいで〜」


ひょうたんを逆さにした。


〈〈「「「うわあああ!!」」」〉〉


――中では水と共にかき混ぜられる。

直樹を強く抱きしめる、大地。


風来人は、ひょうたんの側面を優しく撫でる。


「Exi foras」

(出てこい)


――ポンッ


ビシャアァァ…


ひょうたんから、水と共に物体が飛び出てきた。


相田

「痛ッ!!」


大地

「…っ…!!」

「直樹??」


「直樹!!」


「どこだ!!」


相田(直樹の姿)

「……ここにいるだろ」


直樹は首を横に振った。


相田

「ん?」


大地

「居た!」


相田(直樹の姿)

「うわぁ!おい〜」


大地

「直樹っ!」


ラファルサ少佐

「チャーリー中佐!!」


相田(直樹の姿)

「ちょ…」


直樹

〈ぼくは…戻れないんだよ…〉


相田(直樹の姿)

「は?」


直樹

〈ぼくね…〉


翼を触りながら、微笑む。


相田(直樹の姿)

《お前…》


天使の頭には輪が輝いていた。


相田(直樹の姿)

《嘘だろ…》


ラファルサ少佐

「チャーリー中佐!!気をしっかり!!」


大地はすすり泣きながら、直樹からゆっくり離れた。


大地(チャーリー中佐)

「すまない…」


立ち上がり少佐の前へ。


大地

「助かった。ありがとう」


ラファルサ少佐

「いいえ、お怪我はありませんか?」


大地

「ああ…大丈夫だ」


ラファルサ少佐

「礼なら後ろの方々に…」


手を上げて挨拶する、風来人。

深くお辞儀する、吉草。


ジィは孫の頭を鷲掴みして頭を下げさせた。


大地

「助けて頂きありがとうございます」


吉草

「大変な目に遭っていたとは…お役に立てて光栄です」


大地

「硬い硬い」


「息子も無事に戻ってきましたし…」


視線は直樹へ。


風来人

「………」


首を傾げる。

直樹の姿の相田へ視線を向けた。


風来人

「ケロちゃん」


相田(直樹の姿)

「ケロッ」


風来人

「だよね?」


相田は頷いた。


風来人は中佐へ、首を傾げる。


風来人

「わ…」


相田(直樹の姿)

「待って」


首を振った。


風来人

「ん?」


相田

《直樹…この身体に戻る気はないのか?》


直樹

〈戻れるのかな?〉


相田

《試してみようぜ。来い!》


直樹は翼を羽ばたかせて、相田に抱きついた。

優しく受け止め、抱き寄せる。


――何も起きない。


相田

《そっ…か…》

《俺……お前を助けられなかったんだな》


直樹

〈泣かないでよ〉


天使に、涙を拭われる。


直樹

〈笑って!じゃないとパパとママが悲しんじゃう〉

〈ぼくの身体大事にしてね〉


相田

《待った!それどういうことだ…》


直樹

〈だってぼくたち…死んだんだよ〉


息が詰まった。


勢い良く立ち上がり、隔離室へ駆け寄った。


目を疑った。


直樹の姿の手足は拘束されている。


だが……


――床一面、血溜まりができていた。


自分の残骸を目にし、嗚咽。

その場で吐いた。


大地

「直樹!!」


駆け寄ってくる。


直樹

〈パパに真実を言わないで…〉


大地

「大丈夫か!!」


少佐は、隔離室の異変に気づき駆け出す。


ラファルサ少佐

「自害したか…」


風来人

「うわっ!トラウマ急」


目を背ける。


吉草

「聞けんかったか…」


悲惨な光景から視線を逸らした。


相田(直樹の姿)

(ぼく)の身体が……ゲホッ」


そっと中佐に抱き寄せられた。


大地

「大丈夫だ。直樹の体はここにある」


体を揺らす。


大地

「ここにほら」


相田(なおき)は泣き崩れる。


相田

《これから…俺はどうすればいい》


直樹

〈大越 直樹として、ぼくの人生を生きて〉

〈ぼくのパパとママを護って〉

〈ぼくは…傍で見守ってるから…ね?〉


ラファルサ少佐

「………」


相田(なおき)を見つめる。


ラファルサ少佐

『俺も全力でサポートする』


相田

《え…?》


ラファルサ少佐

『俺はお前が見える。直樹もだ』


相田

《霊感つえーのか?》


ラファルサ少佐

『……さぁ』


ゆっくり相田(なおき)へ屈む。

背中を擦った。


ラファルサ少佐

「後処理は私が…息子さんを医務室へ」


大地

「すまない」


立ち上がり部屋を後にした。


風来人

「ごめん……吐くっ…俺も行く!」


廊下へ駆け出る。


風来人

「待って俺も行く〜」


息子を支えたながら歩く大地。

風来人へ振り返る。


大地

「案内する」


風来人は大地の後ろを歩いた。


風来人

「……ケロッ」


小さく呟く。


相田(直樹の姿)

「…ケロ」


小さく返事した。


風来人

《やっぱケロちゃんだ》

《二人きりになれないかな…》


医務室は案外近かった。


入口をノックする。


――トンットトンッ


医療班

「はい。どうぞ」


医務室の中へ入った。


医療班

「どう…………」


風来人を見て固まる。

顔がみるみる赤くなる。


医療班

「あ…あ……あの」


大地

「どうした」


医療班

「い……いえ!」


風来人はわざとらしく、彼女の顔を覗き込んだ。


医療班

「きゃ!」

「王子様。心臓に悪いです!」


風来人

「やっぱりね。俺のファンだ」


キャピキャピしている。


大地

「仕事の邪魔をするな!」


風来人は小さく舌を出して頭を掻く。


そこへ医師がやってきた。


医師

「あ!!」


駆け寄ってくる。


医師

「チャーリー中佐!!」


「今までどちらに…」

「それより緊急です!オペ室へ!カルディだけでは限界です!!」


中佐は、医師に連行された。


風来人

「やっと二人きりになれたね」


相田(直樹の姿)

(ぼく)だってなぜわかった」


風来人

「だってケロちゃんはケロちゃんじゃん」


相田(直樹の姿)

「答えになってないと思うが…」


風来人

「相田ちゃんなのはわかってるよ」


相田(直樹の姿)

「ちゃん付けやめろよ…」


直樹

〈ぼくのことも見えてる?〉


風来人

「俺ちゃんには()えるよ」


相田(直樹の姿)

汐川(しおかわ)風来人(ふゆと)…王子と(ぼく)だけ直樹が視えてるってことだ」

「この家族…どうなってしまうんだ…」


直樹

〈ぼくが傍にいるから、ぼくの癖とか仕草とか教えるよ〉

〈だから…心配しないで。一緒に生きよう(・・・・)


Next Time Hint

――ガラケー。

観測者

[………な…泣いてないもん。。。]

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