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俺、“なんで”消えた?〜幼き手は、俺に託された〜  作者: しろ兎
主婦から“平和な”転職できますか?-外伝 Episode I-
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8/18

xX-07 騙し合い。

観測者

[主婦から“平和な”転職できますか?]

[wW-11〜13の裏側です。]

真彩は、

ベランダから離れる。


ラファルサ少佐

《中まで入れない…》

《もし…奴らが彼女を…》


《相棒。喋るな聞け》


Naparnik

【……。】


吉草(よしぐさ)へ通信》


吉草(よしぐさ)

[お前から連絡してくるなんて大雪でも降るんじゃないか?で、どうした?]


ラファルサ少佐

「お久しぶりです。“師匠”」


小声で返答する。


吉草

[ん?おーい。聞こえづらいが…。]


薄暗い店内。

レジ前で売上金を数えていた。


ガラケーを耳に当てる、おじいちゃん。


吉草

「とうとう耳が遠くなったか?」


ガラケーの、

音量を上げた。


ラファルサ少佐

[小声ですみません…緊急事態でして…。]


吉草

「その様子。敵陣の中って事か…」


5月後半の、

暗闇のベランダ。


肌寒い。


部屋から薄光りが背を照らす。


ラファルサ少佐

「はい…」

「師匠。ライダー出動お願いします」


吉草

[事情は後で聞く、あの風来人(バカ)捕まえてすぐ向かう。]

[座標送ってくれ。]


通信を切った。


――シャァァー!!


レースカーテンが開く。


真彩

「………」


少佐は、

腕を組んで、

ベランダに立ち続けている。


真彩

『カフェオレおいし~』


明らかに、

わざと言った。


ラファルサ少佐

『………』


真彩

『腹減ってないの?』


ラファルサ少佐

『………』


静寂。


風が髪を撫でる。


少し、

指先が動いた。


ラファルサ少佐

『黙れ』


真彩

『夫に…説明してくれないか?』


ラファルサ少佐

『……』


真彩

『もう、戻れないのだろう?』


ラファルサ少佐

『………』


真彩

『虫ならぬ…ゴキ…』


ラファルサ少佐

『黙れ』


真彩

「………」

『ラファルサ少佐』


ラファルサ少佐

『何だ』


真彩

「………」


少佐を見つめたまま。

黙り込む。


ライダー姿の二人が、

ベランダの端に転移してきた。


少佐は、

横目で二人を見る。


片手で、

静止の合図を送った。


ラファルサ少佐

『ドヴィラだ』


真彩

『ドビラ』


ラファルサ少佐

『ドヴィラ……』


真彩

『ドビィラ』


ラファルサ少佐

『お前…わざとだろ』


真彩

『いや…別に』


背後のリビング。

偽夫と偽息子の笑い声。


偽直樹

「ママ、今日外ばっか見てるね」


背後から声。


真彩

「星見てるだけ」


偽直樹

「ふ~ん」


偽大地

「ハハッ、黄昏れてるな」


また、

笑い声。


〈〈大地「クソッ…」〉〉

〈〈直樹「…ママ」〉〉

〈〈相田「……」〉〉


真彩

『なあ…もう戻れないんだろ?』


ラファルサ少佐

『…………ああ』


真彩

『息子が寝静まってからでいい』


ラファルサ少佐

『…………』


数秒黙る。


窓越しに、

視線が重なる。


真彩・ラファルサ少佐

『『……勘弁してくれ』』


真彩は、

離れて行った。


ラファルサ少佐

「すまない…」


吉草

「間に合ったか?」


風来人

「汐川さん朝ぶりです」


小声で話す三人。


吉草

「さっきの彼女はステレスが見えるのか」


ラファルサ少佐

「はい。はっきりと見えています」


風来人

「ジィ中に怪人が…二人」

「あれ?一人ケロちゃんだ…なんで?」


首を傾げる。


ラファルサ少佐

「偽物です。本物は奴らに…」

「……風来人、あの中に知り合いがいるのか?」


吉草

「どれ…ああ……アレは、あの例の変態ぞ」


ライダーは、

窓越しから、

こっそり覗き込む。


風来人

「偽物…でも。でも、なんで肉体だけが…」


ラファルサ少佐

「やつらの狙いは彼女です」

「師匠。捕獲お願いします」


「私は彼女を保護します」


室内から声がする。


真彩

「直樹。そろそろ寝なよ」


偽直樹

「ええー…このドラマ見たいっ!」


偽直樹は、

医療ドラマに、

どハマリしている。


〈〈直樹「あ!ズルい!!」〉〉



真彩

「終わったら、すぐ寝なよ」


偽直樹

「わかった」


最近、

CMが流れる度、

OPを口ずさむ息子。


だが、

今日は、

歌っていない。


夢中な姿を、

見て微笑む、真彩。


ベランダへ、

視線を向ける。


真彩は、

離れた場所から声を掛けた。


真彩

『ここにいれない…んだろ?』


ラファルサ少佐

『………ああ』


再び、

ため息。


真彩

『夫にも…会えないのか?』


ラファルサ少佐

『……察してきたか』


真彩

『そりゃ…』


言葉が詰まる。


真彩

『痛かったからな』


ラファルサ少佐

『………ああするしかなかった』


真彩

『痛くなかったのか?』


ラファルサ少佐

『………我々は感じにくい』


真彩

『その言い方。少しは…あったのか…』


ラファルサ少佐

『……』


真彩は、

リビングから離れ、窓越しへ。


そっと、

背を預けた。


ライダーは、

音を立てず影に隠れる。


真彩

『いきなり消えたくない』

『……』

『息子の泣く顔を、思う事も。嫌だ』


ラファルサ少佐

『………』


真彩

『姿を現して…』

『息子と夫に説明して』

『これ以上…家庭を壊さないで』


ラファルサ少佐

『………だが』


真彩

『私、死にかけたんだろ?』


ラファルサ少佐

『……っ!』


真彩

『管理下に戻る条件として…』


肩越しに、

視線を向ける。


真彩

『駄目か?』


少佐の、

表情が崩れていた。


無表情だった、

あの顔がだ。


ラファルサ少佐

『お前の前だと調子が狂う』


真彩

『知るか』


窓越しに、

温度が感じた。


温もりへ、振り向く。


少佐は、

背を向けて、

もたれ掛かっていた。


真彩

『そんなに、困らせることだった?』


ラファルサ少佐

『………軍事機密だ。一般人に話す…だと?』


真彩

『………』

『ここにいてはいけないんだろ?』

『………』


ドア越しに、

額を触れさせた。


ラファルサ少佐

『……やめてくれ』


二人へ、

合図を送った。


少佐は、

視界から消えた。


偽大地

「うわ!!」


室内から叫び声。


偽直樹

「虫!?」


〈〈相田「害虫なのはお前だろ!!」〉〉


怪人は、

殺虫剤片手に、

部屋へ駆け寄ってきた。


真彩も、

駆けつけた。


目を見開いた。

――そこに居たのは。


ラファルサ少佐。


偽大地

「……誰ですか?!」


〈〈大地「いや…ラファルサだろ!」〉〉


殺虫剤、

片手に、

立ち尽くす偽息子。


少佐は、

偽息子へ、

視線を向ける。


小さく一言。


ラファルサ少佐

「それ、しまえ」


偽直樹

「不審者!!」


〈〈相田「お前が言うな!!」〉〉


寧ろ、

殺虫剤を構える。


真彩

『害虫だってよ』


ラファルサ少佐

『誰が害虫だ!』


少佐は、

眉を引きつらせた。


思わず、

笑い出す真彩。


少佐の、

不快そうな顔。


ラファルサ少佐

『再確認する。ここで……』


真彩

「死ぬのか?」


ラファルサ少佐

「!?」


真彩は、

膝から崩れ落ちる。


偽大地

「えっ!」


ラファルサは、

咄嗟に抱き上げる。


ラファルサ

「もう、限界だ」


偽大地へ、

振り向く。


ラファルサ少佐

「猶予がない」


偽大地

「何の話だ」


ラファルサ少佐

「……すまない」


偽息子と偽夫の前から姿を消した。


偽直樹

「なにやってるんだよ!宇佐美(うさみ)!!」

「さっきのTSIだろ!!」


偽大地

「くそっ!!連れ去られた!!」


偽直樹

「お前が鈍臭いからだろうがっ!」


偽大地の頭を(はた)く。


偽大地

「痛ってーな!」


〈〈相田「汐川(しおかわ)やったか!!」〉〉

〈〈大地「ラファルサナイス!!」〉〉

〈〈直樹「どういうこと?」〉〉

〈〈大地・相田「「ママを助けたってことだ!」よ!」〉〉


ギャーギャー騒いでいる。


ラファルサは、

ベランダへ転移。


ラファルサ

「後は頼みます」


焦りながら呟く。


吉草

「任せろ!」


ジィは、

親指を立てる。


頷く、

風来人。


少佐は、

音もなく姿を消した。


風来人

「さて、行きますか!」


吉草

「我らの出番だ!」


二人は、

立ち上がる。


ベランダの、

ドアをスライドした。


吉草

「静かに近づくぞ」


風来人

「ああ…逃げられないように」

「同時に捕らえる」


吉草

「ふっ…」


部屋の扉を包囲した。


ジィは、

視線で合図を送った。


風来人

「やあやあ!君たち!」


入口の縁に寄り掛かる。


偽直樹

「誰だ!!」


偽大地

「お前は!!」


風来人

「あっ!知ってる?」


怪人に近づく。


吉草

「あのバカッ…」


小声で呟く。


偽直樹が、

後ろ歩きで部屋を出ようとする。


吉草

「おっと、待った」


両肩を掴む。


少年の、

身体は硬直する。


吉草

「事情を聞かせてもらおうか」


偽大地

「もう一人居たのかよ…」


風来人

「はーい。そこに正座して」


逆らうことなく、

正座しだす怪人二人。


風来人

「ねえ。…ん?」


少年が、

腰に下げている、

ひょうたんへ視線が行く。


ひょうたんを手に取る。

耳に当てた。

ゆっくり振ってみた。


〈〈大地・直樹「「わっ!!」」〉〉

〈〈相田「バカ!王子!揺らすな!!」〉〉


風来人

「ケロちゃんの声がする」

「どういうこと?」


少年へ屈む。


風来人

「君さ、その身体、自分のじゃないでしょう」


少年は、

唾を飲む。


風来人

「ねえ…なんで女性を狙ってるの?」


視線を、

偽大地へ向ける。


〈〈相田「逃がすな!!」〉〉


偽直樹

「あ!!」


突然の大声。

指を窓際を差す。


釣られて、

そちらへ視線を向ける。


怪人二人が逃げ出す。


吉草が、

少年の首の後ろを突いた。


音を立てて倒れる。


偽大地は、

躊躇することなく姿を消した。



風来人

「ジィ!ナイス!」


吉草

「なにがナイスだ!まんまと騙されおって」


「さて、尋問だな」

「ついて来い」


風来人

「待って」


リビングの方へ向かって行った。


風来人

「戸締りしないとね」


キッチンのガス栓。

電気消灯。


風来人

「鍵OK!」


――シャァァー


「カーテンOK!」


頷く。


「よし!」


「ジィおまたせ」


吉草

「…ああ」


小さくため息。


ジィの、

肩を掴む。


風来人

「いこ!」


二人と一匹は、

音もなく姿を消した。


Next Time Hint

――秘密基地。

観測者

[いつの間にか、ミステリー&サスペンス小説になっていました。]

[え?無意識ですよ。似てる?違いますよ。]

[気付いた時、ガチで腹抱えました。]

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