xX-06 ソーラン節。
観測者
[『主婦転』 wW-9〜wW-10の裏側へようこそ。]
???
「どっこいしょー! どっこいしょ―!」
直樹
「お…俺居たああ!!」
少年は、
その人物に指を差した。
無言で、
固まる中佐。
???
「誰?」
その人物は、首を傾げる。
チャーリー中佐
「直樹が…二人……」
直樹
「おい!TSIだろ?見分けられないのかよ!」
???
「パパ?」
チャーリー中佐
「直樹…」
中佐は、
その人物へ近づく。
直樹
「え!?」
ちっ…
拳を握る。
出ろ必殺技
あいつの脇腹へ…
掌を構えた。
中佐の脇腹へ勢いよく掌を打ち込んだ。
チャーリー中佐
「ぐはっ!」
崩れる。
直樹
「おい…お前、隙ありすぎだろ…」
「……目覚ませ」
中佐を、
引きずりながら離した。
直樹
「あいつは敵だ」
???
「使い心地いいよ。ありがとう怪人さん」
「ねぇ、パパ?」
チャーリー中佐
「……」
「どうした」
直樹
「ごめんね」
チャーリー中佐
「…っ……なに…が」
息が詰まる。
直樹
「ふっ……ふははは!!」
直樹
「なにが可笑しい!」
「貴様!ガキを返せ!!」
「俺の身体も返せ!」
直樹
「返すわけ無いだろ」
声が変化する。
その人物は、
少年から怪人へ姿が変わった。
直樹
「ほらな、俺の身体だ!」
怪人は、
ひょうたんの蓋を外す。
怪人(相田の体)
「おい!相田!」
直樹
「……」
罠にハマるわけ無いだろ
怪人(相田の体)
「じゃあ…大越 大地」
「ほーら」
「息子に出会えるぞー」
「ほれほれ」
ひょうたんを振る。
ひょうたんの中から声が聞こえる。
子供の声
〈〈出して!ママパパ!!助けて!!〉〉
チャーリー中佐
「直樹!!」
怪人が不敵に笑む。
直樹
「おい!返事するな!!」
怪人(相田の体)
「ご苦労さん」
チャーリー中佐
「しまった!」
直樹
「おせーよ!」
突然、
風が吹き荒れる。
直樹
「掴まれ!」
ひょうたんの方へ、
体が吸い寄せられる。
中佐は、
直樹の手を掴んだ。
直樹
「離すなよ!!」
中佐の体が宙に浮く。
怪人(相田の体)
「馬鹿め!」
「相田、真彩を頂戴する」
直樹
「なに!?」
チャーリー中佐
「あっ」
直樹
「……やっちまった」
――ヒュンッ!
二人は、
ひょうたんの中へ消えて行った。
◇◆◇
ひょうたんの中。
直樹
「お前…本当にTSIなのかよ」
「しかも、中佐だろ?」
大地(チャーリー中佐)
「息子の声に反応しない親はいないだろ!」
ギャーギャー騒ぐ。
子供の声
「パパ…パパー!!」
小柄の天使が、
抱きついて来た。
大地
「直樹!」
直樹(天使)
「パパ怖かったよー」
直樹
「おい!」
「なにがあったのか覚えてるか?」
直樹
「あのね…」
「僕ね……」
「授業中、お腹痛くなったからトイレ行ったの」
「トイレでたら北野先生が居て…」
大地
「担任のあの北野先生か?」
直樹
「そう!」
「先生がね」
「“お母さんの事尊敬してる?”って聞かれたから」
「『僕はママを尊敬してます』って答えたんだ」
――『僕は……
ママを……す…』
相田はハッとした。
アレは…夢ではなかったと…。
直樹
「ひょうたんに吸い込まれたってことか!」
直樹
「うん」
直樹
「なぁ…北…野?先生って女か?」
直樹
「うん。そうだよ」
直樹
「そう言えば…」
「トイレで会った女…教室の先公と同じ顔だった」
俯き、
黙り込む中佐。
直樹
「寝てんのか?」
大地
「駄目だ…」
直樹
「なにが」
大地
「通信が遮断されている」
首を傾げる天使。
直樹
「なんで僕?」
直樹
「…肉体はここにある。代われたらな…」
静かに俯いた。
◇◆◇
――カチャッ
玄関の、
鍵が開く音。
偽直樹が、
玄関へ駆け寄る。
真彩
「直樹、ただいま!」
偽直樹
「ママ!おかえり!」
ひょうたん越しに聞こえる会話。
偽直樹
「服…どうしたの?」
真彩
「あ…あはは…」
「気にしない、気にしない」
軽く、
受け流した。
真彩
「着替えたら、ご飯作るね」
偽直樹
「うんっ!」
〈〈相田「あのやろう…」〉〉
〈〈直樹「ママ…それ僕じゃないよ!」〉〉
〈〈大地「しっ!」〉〉
真彩
「直樹!体操着は、出した??」
偽直樹
「出してない!」
真彩
「明日体育は??」
偽直樹
「ないよ」
真彩
「ここで出すな!」
〈〈相田「なにを…」〉〉
〈〈直樹「たぶん体操着」〉〉
真彩
「貸して」
偽直樹
「んっ」
体操着を差し出した。
真彩は、
それを持って、
洗面所へ向かう。
そのまま、寝室へ歩いて行った。
偽直樹
「ふっ…順調だ」
ひょうたんを揺らした。
〈〈相田「地震の様に揺らすな!〉〉
〈〈大地「直樹…」〉〉
〈〈直樹「パパ…」〉〉
偽直樹
「何作るの?」
真彩
「………」
「ママはオムライスの気分かな〜!」
偽直樹
「自分は…チキンライスの気分かな〜!」
真彩
「…………」
視線が、
ベランダから感じる。
偽直樹
《ちっ…TSIか…》
真彩
「チキオム決定〜!」
偽直樹
「やった〜!手伝う!!」
真彩
「ありがとう〜!」
ベランダから視線。
睨みながら、
遮光カーテンを閉める。
すぐに、全開にした。
ニヤつく真彩。
――パチンッ
ベランダの鍵が勝手に開いた。
無言。
真彩
「直樹!」
偽直樹
「なに??」
偽直樹が、
寄ってきた。
ラファルサは、
偽直樹へ視線を向ける。
ラファルサ
《…怪人》
偽直樹
「どうしたの?虫?」
真彩
「うん、虫いる」
偽直樹
「どこ?」
ラファルサへ不敵に笑う。
真彩
「殺虫剤取ってきて」
偽直樹
「OK!」
ラファルサ
『…………お前』
息を呑んだ。
真彩
『ん?』
首を、
傾げる。
ラファルサ
《お前に言ってない》
偽直樹が、
駆け寄ってくる。
偽直樹
「ママ、はい」
真彩
「ありがとう……」
真彩は、
ニコニコしている。
ラファルサ
『やめろ』
真彩
『何のこと?』
ラファルサ・真彩
「「混ざんな」」
偽直樹
「え?……ママ今、バケモノみたいな声になったよ?」
ラファルサ
《お前が言うな》
〈〈相田「お前が言うな!!」〉〉
〈〈大地「怪人がバケモノって…」〉〉
真彩
「風邪引いたのかな?ぁ゙あ゙…」
『キモイ喋るな!』
ラファルサ
『キ?!……っ…』
ラファルサは、睨みつけた。
偽直樹
「ママ虫は?」
真彩
「排除するかァ」
偽直樹
「どこどこ?」
見つめながら、
わざとらしく見渡す。
真彩
「ゴキブリだよ」
偽直樹
「…ひぃ!」
偽直樹、逃走。
ラファルサ
『誰がゴキブリだっ!』
ガラガラガラ…
動かないんかい!
殺虫剤を、
少佐の顔面へ向ける。
一瞬で、
手首を掴まれ…
偽直樹
「ママ!停電!」
ラファルサ
《罠か!?》
真彩
『離せ!』
抵抗する。
ラファルサ
『それは、出来かねないな』
偽大地
「ただいま…どうした」
偽直樹
「パパ!停電!」
偽大地
「ブレイカーか、待ってろ」
真彩
「だっ!……ん」
口を塞がれた。
真彩
『離せ!!』
ラファルサ
《どういうことだ!夫も怪人だと!?》
『…………くそっ!』
そっと、
離し、
背を向けた。
ラファルサ
『行け!…だが見ている』
真彩
「………」
電気が付く。
真彩
「………」
偽大地
「真彩、そんな所で何やってんの?」
偽直樹
「ゴキブリだって」
偽大地
「や…やめろよ。たっ…倒したのか?」
真彩
「うん。……倒した。安心し」
日常に、
足を戻した。
◇◆◇
ひょうたんの中。
相田
「汐川氏なにやってるんだよ!」
大地
「汐川?」
相田
「部下のくせに名前知らないのかよ」
直樹
「僕たちこれからどうなるの?」
相田
「奴らの目的がなんなのか…知るべきだ」
「おい…直樹って呼んでいいのか?」
天使へ、
視線を向ける。
直樹
「うん!」
相田
「直樹。絶対お前を救って見せる。安心しろ!」
天使は、
小さく頷いた。
相田
「俺の身体だって!」
「ぜってー取り返してやるからな!」
大地
「この状態でどうやって…」
「お前…元気だな…」
天使と中佐の、
視線が痛かった。
Next Time Hint
――ラファルサ少佐。
観測者
[最後まで、読んで頂き、ありがとうございます。]




