xX-01 ならず者。
観測者
[ヒーローもの始めました!]
[コメディにチャレンジ!]
【20xx年 5月24日 午前11時10分】
女性客で、
賑わうカフェ。
角の席で、
コソコソと話する女子高校生。
女子A
「ねぇねぇ…知ってる?」
スマホの、
画面を見せる。
女子B
「なになに?」
女子C
「ん?」
一斉に、
それを、
覗き見る。
女子C
「キャッやだ!」
女子B
「王子様と店長じゃない!」
女子D
「どうしたの?それ!」
女子A
「こないだ、二人でデートしてるとこ、撮っちゃった〜!」
盛り上がる一同。
後ろの席で、
ガラケーをいじる少女。
女子A
「ねぇ…お兄さんと店長って幼馴染なんでしょ〜?」
少女の、
背に話しかける。
女子B
「凛ちゃんなら知ってそう〜」
笑い合う。
凛は、
それどころではない様子で唸っていた。
凛
「ん〜…どうしよう」
椅子から、
立ち上がり、
皆の間に入り込む。
女子B
「どうしたの?」
凛
「変なのに絡まれた〜」
女子A
「変なのって?」
凛は、
店の中を見渡した。
少し警戒した様子。
凛
「このチャット見てよ」
凛は、
ガラケーの、
画面を見せた。
凛
「変な男がチャットに入ってきてさ…」
女子D
「何これキモ」
女子B
「ガラケー使ってるの凛だけだよ」
女子A
「凛ちゃんスマホも持ってるのに…それ!」
コンコンと、
指先で画面を突かれる。
女子A
「いい加減やめなよ…」
凛
「…これでしか、Bチャットできないんだもん」
女子B
「わかるけど…それまずくない?」
女子D
「ヤバいと思う、それ!」
「このカフェに居ることバレてるじゃん」
凛
「でも…私、男って嘘言ったんだよ」
チャットのやり取り。
22:夢見カフェ コラボ
>>12
こんにちは。あなたに興味があります。
23:夢見カフェ コラボ
>>22
私は男性です。女性ではありませんのでお断りします。
24:夢見カフェ コラボ
>>23
男性を探していました。スカウトさせてください。
25:夢見カフェ コラボ
>>24
あの…結構です。お断りします。
26:夢見カフェ コラボ
>>25
夢見カフェに居るのですね!そちらに伺います。すぐ伺います!
女子B
「それ…仇になってるじゃん」
凛
「そうなんだけど…」
不安そうに、
カフェの中を見渡す。
凛
「しっ…!あれ…」
視線が、
カフェの入口へ行った。
男の姿。
ズカズカと、
中へ入って行く。
客席の、
テーブルにある伝票を見始めた。
その客席の女性は、
隣に立つ男に気づかない。
その異様な光景に、凛は気付いた。
息を止める。
その男から、
視線を逸らした。
凛
『こっちに来ないで…』
瞳を閉じ、
体が硬直する。
…ドクンッ
ドクンッ…
足音が消えた。
そっと、
振り返った。
ゆっくり、
瞳を開けた。
男は居ない。
いつもの、
店の賑わいだった。
女子B
「凛ちゃん?」
女子D
「おーい、どうしたの?」
凛
「いや…」
深呼吸と共に力が抜ける。
女子A
「大丈夫?」
女子B
「飲み物お替りしてくる〜」
女子C
「うちも〜」
女子Dも、
立ち上がる。
三人は、
カウンターへ向かった。
凛
「純子〜」
純子(女子A)
「どうしたの?」
凛
「あのさー」
テーブルから顔を上げた。
その瞬間。
窓の外に貼り付く男。
凛
「わあっ!!さっきの男!!」
純子
「キャッ!なになに??」
凛
「あれ!」
窓へ、
指を差した。
純子
「え?なに?」
騒然とする店の中。
男
「みーつけた」
窓に、
貼り付いたまま、
ニヤリと微笑んだ。
青ざめる凛。
息が詰まった。
◇◆◇
爽やかな風。
髪を撫でる。
店先の、
長椅子に座る和装の美男子。
俯く二人。
その間に一人。
右端
「ねぇ…ごめんね」
真ん中
「そんなに落ち込むことか?」
左端
「こっちこそ、すまん…」
背後に二人。
右側
「まーた、やってる」
左側
「あ!友里ちゃんおかえり〜」
「「「「おかえり〜」」」」
田舎娘の、
衣装を着た、
女性が駆け寄ってきた。
友里
「ただいま!」
右側
「お花畑だね〜」
真ん中
「友里ちゃん、リーダーは?」
友里
「あれ?居ない?」
汗を拭いながら、微笑む。
後ろを、
振り返った。
左側
「あ!リーダー!!」
「「「「「おかえりなさい!!」」」」」
――背景が、
キラッと輝く。
彼らへ、
ウインク。
風が髪を、
撫でながら、
ゆっくりと、
カフェの方へ去って行った。
右側
「どこ行ったんだ?」
友里
「路地に入って行ったよ」
左側
「ふーん」
◇◆◇
カランッ…カランッ…
下駄が、
裏路地で鳴り響く。
「おいおい」
不審な男へ声をかける。
不審な男は、
カフェの窓に張り付き、
こちらに気づいていない。
美男子
「おっさん」
やっと、
こちらへ振り向いた。
不審な男
「…なに!?」
「貴様、私が見えるだと!?」
美男子
「見えちゃわりーかよ」
店内の女性客が騒ぎ出す。
「見て!王子様よ!!」
「キャー格好いい!!」
「イケメン!!」
「こっち見て〜!!」
窓際へ、
一斉に集まりだす。
凛は、
慌ててカフェの中央へ下がった。
凛
『堂々と…最悪!』
『おにいのバカ…』
不快な表情で、
カフェを出て行った。
不審な男
「ど…どこだ!い…居ない!」
窓に貼り付く女性たちを、隈なく見回す。
不審な男
「違う!…違う違う!!」
「貴様!!よくも〜!!」
不審な男の姿が、怪人へ変わる。
怪人
「あの娘じゃないと!!」
美男子
「あの子がなんだって?」
怪人
「貴様!!何者だ!!」
美男子
「俺?嫌だな〜…わからない?」
「ふっ!」
「料金取るけどいい?」
怪人
「いいわけ無いだろ!」
美男子
「じゃっ!俺からのサービスってことで!」
「泣く娘も黙る、このイケメン」
胸元から、
ラメ入りのカードを取り出す。
「怒る娘、黙る、この笑顔」
腰に、
ベルトが現れる。
「我、乙女に幸福をもたらす、風来人」
カードをベルトへかざす。
「変身!」
カフェの、
窓際が騒がしくなる。
女性客
「キャー!!!」
怪人
「う…うるさい!!」
風来人
「とう!」
高く跳び上がる。
怪人へ、
飛び蹴り。
怪人
「暴力はんたーい!!」
派手に、
路地の奥へ吹き飛ぶ。
ピンクな声援へ、
決めポーズ&投げキッス。
女性たちは、
メロメロに崩れた。
風来人
「はっ!」
再び、
高く跳び上がった。
怪人の前へ降り立つ。
風来人
「おいっ」
ゴミ箱に、
お尻がハマりもがく怪人。
風来人
「早くしろ」
怪人
「誰のせいだ!」
「うううっ…くそっ出せ!!」
風来人
「まあいいや」
「ねぇ…」
怪人の肩へ、
ぽんと手を置いた。
風来人
「なんで、あの女の子狙ってたの?」
怪人
「は?…ああ。えっと……」
「って!言うわけねーだろ!!」
「触るな!」
怪人に、
手をペチンと叩かれた。
風来人
「痛っ」
「ひどーい」
怪人を、
ゴミ箱へ押し込んだ。
怪人
「ちょっ!あっ…やめて!」
風来人
「教えてくれないと助けなーい」
ずいっと、
怪人に顔を近づけた。
風来人
「知ってるんだよ?あの子がどんな子か…」
怪人
「なにを知っている…」
風来人
「教えるわけないじゃ~ん」
「だって…ねぇ?」
怪人
「うん」
頷く。
風来人
「でしょ?」
怪人ごと、
ゴミ箱を転がす。
風来人
「早く答えなよ〜」
怪人
「吐くぅぅ〜」
風来人
「吐けぇぇ〜」
キラキラ。
あはは…うふふ…。
怪人
「どこがだ!!おえ〜…」
パンッ!!
怪人が、
風船の様に弾けた。
小さな、
両生類へと姿を変えた。
怪人
「離せー」
怪人を指で摘む。
風来人
「はいはい」
「お家に帰ろうね〜」
怪人は、
ひょうたんの中に吸い込まれた。
風来人
「回収完了っと」
ベルトが取れ、変身が解けた。
風来人
「あとで、じぃ〜〜〜くり話そうねぇ〜」
ひょうたんを耳に当てる。
フリフリ揺らした。
ひょうたんの中で、怪人が叫ぶ。
「やめろ〜」
カランッ…
下駄の音を、
鳴らしながら、
来た道を戻る。
友里が、
路地を走ってくる。
友里
「あ!風来人!」
「また、怪人?」
風来人
「うん」
友里
「あっ!そうだ!」
「凛ちゃん、さっきオコだったよ?」
「何かあったの?」
風来人
「さぁ、知らないよ〜」
美男子たち
「「「「リーダー!!」」」」
風来人
「おーう」
Next Time Hint
――おじいちゃん。
観測者
[出来たてほやほや。明日はどうかな?]
[最後まで、読んで頂き、ありがとうございます!]




