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ビオラの子と会ってから、ドルフィンは再び家を出た。
呑気な両親を置き、ロベリアだけを引き連れて王都の邸宅へ。
そして、王太子の側近という立場から強く政務に関わり出した。
ドルフィンのやることは強引さが目立ったが、必ず結果を出したので、是非が分かれることが多かった。特に、共に戦地を駆け抜けた若者達からの支持は厚かった。
「陛下、僭越ながら弱気すぎます。ですので各国から舐められるのです」
ドルフィンの言葉に、王太子派と呼ばれるドルフィンを支持する者達が失笑を漏らす。
年を経る毎に、若かった支持者達が重要な場に顔を出すようになった。任される仕事も増え、国への影響力が加速していた。
会議後、同じ場にいたサフィラス伯爵が頭を下げた。
「陛下。愚息が申し訳ございませぬ。あの子は愛国心が強すぎるのです」
国王は疲れを滲ませながら首を振った。
「ああ。そして能力もある。ドルフィンらの功績は多く、広く、もう数えきれない……王太子よ」
「はい、陛下」
「ドルフィンを上手く制御しろ。必ず成果を出すが、あれは荒馬だ……我は年老いた。其方が手綱を握れ」
「はい。……子供の頃のように、もう少し落ち着いてくれるといいんですけど」
正式に、国王から王太子への政権交代が知らされても、ロベリアは変わらず、ドルフィンの側にいた。
「やっと陛下は引退されますのね。お歳を取られて不安でしたけど一安心ですわ」
そして、ドルフィンの身の回りを細々と世話しながら独り言のように囁く。
「ああけれど、王太子殿下も気骨がないというか……ドルフィンさまがおりますから、大丈夫ですけれど」
言いながら、誇らしげに笑う。ロベリアはドルフィンが赤子の頃から側にいた。ドルフィンは順調に育って、今や国の中心にいる。
「王太子殿下がドルフィンさまのお仕事の邪魔をしなければいいのですけれど」
だからこそ、ドルフィンの行動に制限をかける王太子が憎らしい。王太子の周りは昔から守りが堅い。ロベリアには手が出せないのだ。憎らしい。
「……また王太子殿下が決断を渋ったのですか? ああ、もう国王陛下でしたわね。嘆かわしいこと」
だけれど、ロベリアは諦めない。ここから王宮を見守ることしか出来なくても、ドルフィンなら手が届く。
「ドルフィンさま。ドルフィンさまが国王となり、この国を導くべきです…!」
だから、ロベリアは繰り返しドルフィンを唆した。




