十二、反省会
十二、反省会
松山
猫阿吽出てくる。(もう少し前からでも良い)
猫、琵琶をべベンと鳴らす。
阿吽 おしまい
鶴、ゆっくり拍手をする。
猫 なぁー。やっぱ最後。も少しなんかいいの無いかなぁ
阿 だよなぁ
吽 なんかもう少し、こう、劇的な感じ。
猫 でも実際負けちゃったからなぁ…
阿 あとさぁ、頼長と為朝、出てくるの突然すぎねぇ?
吽 それ、俺も思った。しかし、為朝かっこいいなぁ…あとさぁ、信西って誰?ってならねぇ?
阿猫 それなー
鶴 いまの話は…
阿 ん? 大体創作
吽 御館様から聞いた話を、こう山盛りに超盛った。
猫 崇徳院って呼ぶと怒んだけど、いなくなってしまった人を、残すために…物語中ではその名前で呼ぶことを許してくれてんだ。
吽 んで、普通に話しただけだとつまんないから
阿 色々脚色した。
猫 殆どかもなー
鶴 最後の言葉も?
阿吽猫、うなずく。
吽 ここに来る前、結構てんやわんやでバタバタしてたみたいでさ。
猫 まぁ…敗戦側なんて皆そうなのかもしれないけど。
阿 恨み言言ってる暇なんて、無かったはずだよな。
吽 それにさ。俺たちに言ったことは無いけど…御館様は京に帰りたい筈なんだ。
阿 いつも物憂げに京の方を眺めててさ。
猫 帰れたらいいのにな
阿吽猫は崇徳の真似をしながら(似てなくてよい)全員違う方を向く。
鶴 京は多分あちら
全員同じ方向を向く。
吽 少し前。京へ何やら手紙を送っていた。
阿 何年も掛けて心を込めて書き上げた経典の写しも一緒にさ。
猫 俺達、物語だからって、調子に乗って
鶴 大分乗ってましたね
猫 …大分調子に乗って御館様を復讐者と歌ったけど、あの人は、ほんとは、ほんとは優しい人なんだ
鶴 知ってますよ。この話をあの方の前で歌ったとしても、笑ってくれるでしょう?
吽 いや、最後の恨み言でげんこつくらうかもしれねぇ
阿 違いねぇ!
猫……もし、手紙で気持ちが届いて…
阿 御館様が京に帰ることになったらどうなんだろ
吽 俺達どうなっちまうんだろう
猫 お…置いてけぼりかな
鶴 そんなことないですよ。多分、貴方達はどこへでもついて行けると思います。
阿吽猫、照れている。




