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運転が上達した彼女と駅前のラーメン屋さん
南九州横断道路を走る。運転は彼女だ。彼女はこんなに運転が上手かったのかと、僕は驚いている。いつも僕が迷う場所もスイスイと行って、ちゃんと目的地に着くのだ。苦手のはずだったバックも完璧にこなしている。
僕らは目的の駅に着いた。小さな寂れた駅だ。発車まであと35分しかない。僕は慌てて駅の近くにあるラーメン屋さんを指差し「あそこに入ろう」と言った。彼女は古ぼけたラーメン屋を見て、しばらく考え言った。「私はお寿司屋さんに行く」彼女はこうと決めると頑固なのだ。僕は諦めて一人でラーメン屋に行った。
ラーメン屋の室内はとてもカラフルでサイケデリックだった。使い込んだフライパンは壁に掛かっているし極彩色のタペストリーがカウンターの前にぶら下がっている。僕が店の椅子に腰を下ろすと、ちょうど三人組が食事を終えて出て行くところだった。彼らは常連さんなのか、僕を珍しそうに見て出て行った。
僕は壁に掛かっているメニューの札を見た。それらはどれも馴染みのない名前で僕は不安になった。取り敢えず「ラーメンひとつ」と注文した・若い店主は不思議そうな顔をした。そのとき僕は別れた彼女がお寿司屋さんで何を注文したのだろうかと思った。彼女も注文に困っているだろう。此処はそういう場所だったのだ。




