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夢千夜  作者: 西野了
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飛行機から新幹線、そしてオンボロ普通列車で函館から広島、そして岩国へ

 北海道の函館から飛行機で山口に帰る予定だった。しかし台風が接近して飛行機が飛ぶかどうか怪しい。隣の素敵な女の人が「大丈夫、飛びます」と言ってくれた。彼女は歌手らしい?

 飛行機は予定通り出発したが、名古屋上空で小さな飛行機が近づいてきた。あわや接触か! と思えたが僕の乗った飛行機は上手く旋回して衝突を避けた。そして飛行機は広島に降り立った。

 僕は岩国に行くために新幹線に乗った。しかし愛想の悪い乗務員は何も教えてくれない。国鉄の職員なのだろうか、何やら難しい顔をして男性二人が話している。そうこうしていると山の中に見慣れない風景が見えてきた。僕はこの列車は岩国行きではないと判断した。二人の職員は「この新幹線は広島県を一周する観光列車だよ」と教えてくれた。僕は次の駅で降りるときに彼らに二万円支払った。財布の残りは五千円しかない。僕が下りた駅はものすごくさびれていて駅舎はなくて小さな小屋がひとつあった。そこに感じの良さそうな若い男女が駅員として勤めている。可愛くて美しい女性が山口行きのホームを教えてくれた。それはものすごく細くて野ざらしでトロッコが走るような代物だ。おまけに普通の線路からかなり外れた場所、山の中にある。そしてその傍は海なのだ。僕はそのオンボロ線路のわきで待っていると岩国行きの屋根のないオンボロ列車がやって来た。僕は恐る恐るそのオンボロ列車に乗った。小屋にいる若い男女二人は嬉しそうに手を振ってくれた。彼らは恋人同士なのだろう。

 その屋根のないオンボロ列車は快適であっという間に岩国に着いた。五千円は使わなくてよかった。僕は岩国から実家に連絡すると、弟か兄が迎えに来てくれるらしい。「やれやれ・・・」僕はやっと安心した。

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