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夢千夜  作者: 西野了
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川沿いの道の行き先にジェルの整備工場があった

 明日は久しぶりに外出だ。ハイエースを運転するのも久しぶりである。僕は運転席でガソリンの残量をチェックすると、やはりガソリンはほとんどない。

 お寺の広い道路を突っ切って目的地の植物園に行こうとするが上手く行けない。14時に出発したが利用者さんは要介護の人が一人だけなので、職員は僕一人だけだ。サイト―さんにも出勤してもらえれば良かったと後悔した。

 僕の勤めている施設ではガソリン給油はジェル石油しか駄目なのだ。僕は黄色い貝殻の看板を探した。エネオスとかの看板はあるがジェルの黄色い看板は見当たらない。平田川沿いにジェルの大きな整備工場があって、そこでは給油もできそうだ。僕の運転するハイエースは川沿いの細い道を下っていった。

 整備工場につくと、スタッフがすぐにタイヤを外して点検してくれた。僕はガソリン満タンにしてくれるように頼むと、ガソリン代のおつりが1400円ほど無いのでどうにかしてほしいとスタッフに頼まれた。僕は自分のデイバッグに財布があって、それを探しに川沿いの道を駆け上がった。すると整備工場のトイレに行きたくなり男子トイレに入ろうとした。するとそこは清掃中ですすきのような葉っぱがたくさんあって、掃除のおばちゃんが竹ぼうきでその葉っぱを丸めていた。

 僕は慌ててトイレに入ると八村塁のようなバスケットボールの選手がそこで懸垂をしていた。僕は急いでトイレから出ると、ポケットから財布を取り出した。財布は小銭でパンパンに膨れていたが、おつり用のお金は1300円しかなかった。スタッフのお兄さんはそれでいいと言ってくれた。

 植物園に行くために利用者のみんなを迎えに行くには、もう時間がなかった。僕は仕方がないなぁとのんびりした感覚に浸って、みんなを迎えに行くことを諦めた。


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