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温水さんとしりあがり寿さん
俳優の温水さんが僕の小説を読んでいると言う。彼に会うと「爽やかだからね」とニコニコしながら話してくれる。「でも爽やかだけでは、温水さんもここまでやってこれなかったでしょう?」と僕が訊いた。
彼は恥ずかしそうに「まあね」と答えた。「それで続編はいつ書くの?」と彼が訊いてきた。彼が言った作品名の2つは僕も知っているが、その2作品の間の1つ(?)は有名なシャンソンの曲名だ。
「僕の奥さん、しりあがり寿も君の本を読んでいる」
僕は本を出版していないのだが、ああ・・・インターネットに掲載されている作品を読んでいるのかと納得した。
「僕の奥さんの本を読んだことある?」温水さんがまたも訊いてきた。
「文春で連載しているやつでしょ。2,3冊読んだことがあります」僕は歯医者に行った時の待合室でよく週刊誌を読むのだ。
「11冊出ているわよ」としりあがり寿さんは嬉しそうに言った。
温水さんとしりあがり寿さんは唐辛子のような辛い空気をまとっていた。そのために僕の目はヒリヒリと痛んだ。




