27/83
姉御の彼女と編集長のトミー
僕の恋人は仁侠道の姉御だ。しかも大親分の妻である。でも名前はいたって平凡。
僕たちは編集会議に出席していた。編集長のトミーは坊主頭で眼鏡をかけて無精ひげで甲高い声をもち、みんなから嫌われている。今日も編集部員の女の子をいじめて泣かしている。彼女はもうこの会社を辞めますと言いながら、作業の進捗状況を説明している。泣きながらプレゼンし、そして母親にスマホで連絡をとっている。それでもトミーはグチグチと嫌味を言っている。ほかの社員全員がトミーを批判しているのに、トミーには聞こえないようだ。
僕の彼女、山田康子はその道の雑誌にもモデルとして載っている。道を極める男たちの雑誌なのに、ファッショナブルでカジュアルでポップだ。彼女はその中でエクササイズをしている写真もある。モデルをしているのに、体型はそれほど良くない。手足の短いアメリカ人みたいだ。そして彼女はプロレスもしている。長い金髪がリングによく映える。性格もサバサバしていて、頭の回転も速く、みんなから好かれている。彼女が編集長をやったら絶対上手くいくと誰もが思っているが、トミーはそんなことを全然気づいていないのだ。




