生肉を食べちゃダメ!
お久しぶりのお久しぶりです
高密度注意
ラサキ:「知らない人について行っちゃダメなの」
デデェェェン!!!!!
ヒツジチャン:「メ、メェ? メェ〜!!
よく考えると怪しいお姉さんメー。
でも大丈夫メー
パーティーに必要なドレスを用意するだけメー
さあ一緒に──」
ラサキ:「だめ、タダより高いものはない」
んー、私の本能はいい羊だと言ってるけど、
でも一理ある。
うん、一回だけ逃げてみよう
シシハ:「行くよ」ガシッ
ラサキを抱えてジャンプ!!
ビルの屋上へシュタッと。
ヒツジチャン:「メェー!!
行かないでメーー、こうなったら〜、
♈️【ゴールデンアクセラレーション】」
げげ、ゴールデン羊になった!
ヒツジチャン:「魔王四天王、
金火のヒツジチャン!!
しっかり目に焼きつけるがいいメー!」
ビュン
シシハ:「速ッ!?」
ラサキ:「♋️【クラブシールド】」
>>>羊おでこに盾が発生!
ごつん
ヒツジチャン:「いたいメー」
シシハ:「ナイス」ビュン
さあ逃走劇が始まったよッ!
まさかライオンが逃げるとはねッ!
ヒツジチャン:「んメェェェェェーへへへー」
シシハ:「くそ速」
速度は向こうが30倍。
しかたない。
筋肉チャージ100倍だ。
空をえぐって足場にするよッ!
▼
◯クマーべシティ・魔王ビルディング
マグマの魔界の高層ビル群、
全体が魔王城のごとし。
中央に最も高いビルディング、
最上階には防弾ガラス、ワイドだぞ、
社長室には緑があふれ、そして魔王……
魔王:「キュノスは王子としての自覚が足りぃぃん!」
バリィィィィィン!(ガラス粉砕)
鮭秘書:「魔王さま、お気を確かに」
魔王は3メートルのツキノワグマ、
秘書は鮭にスーツを着せた珍獣、
シュールでございます。
魔王:「カーッ! 落ち着いてられっかー!
モヒカンだぞッ!
…魔王とは威厳たっぷり帝王なのだ。
▼
モヒカンだぞッ!!
…まるで雑魚キャラではないか」
鮭秘書:「へい魔王さま、魔王さま、
威厳がはがれ落ちておりますぞ」
魔王:「んなっ……うぉっほん。
吾輩こそが、魔王『ベアモス』であるぞ」シャキン
鮭秘書:「へへえ、それでこそマイロード
さあさあこの私『サケルス』を噛むのです」
ベアモス:「うむ。では失礼」がじがじ涎ダラァ
サケルス:「ぎゃー」
鮭をくわえる熊、
腕をかかげ無駄にカッコつけたポーズ。
とても似合っています。
ベアモス:「あー、遥かな北よりやって来る
白い悪魔と ブリザード
その狂信者は 理性をもって
いざテロリズム 破壊の限り
我ら魔王は 防波堤なり
パワーとカリスマ 平和の礎なり〜♪」
サケルス:「へい、森に響き渡るいい声で〜
……えと、あの」
ベアモス:「なんだ」
サケルス:「失礼ながらそろそろガジガジは、
骨が折れそ──」
キュノス:「ただいま〜 パパうえ〜」
ベアモス:「帰ったか!」ポイ
サケルス:「ホワッツ?」ザッパーン
エレベーターから熊耳の息子です。
半人半獣の熊さんです。
ベアモス:「こんのアホ息子め。
今夜は白熊令嬢とのパーティーだぞ、
どこをほっつき歩いて──」
キュノス:「パパうえ〜
おれ、婚約する」
ベアモス:「な、なんだってー!?」
キュノス:「見て、ヒツジチャンカメラ」ピッ
社長室の壁にブルーレイの大画面。
一面のシシハ!
シシハ:「獅子流星拳・ニノ段【雪蹴翔】」ドゴォォォォン
ヒツジチャン:「♈️【ゴールデン・ブレイザー】」炎の渦
ベアモス:「ブフォッ!」
キュノス:「ワイルドでしょ?」
ベアモス:「ビルが焼けただれとるわー」
避難警報だ!
親子がギャーギャーしてるうちに映像はどんどん進み、空を上下に飛ぶシシハの尻を映しながら、
シシハ:「羊、アンタ心は綺麗なんでしょ」上へ
ヒツジチャン:「メ、分かるメー?」火を吹く
シシハ:「勘だよ。サバンナの本能」吐息
ヒツジチャン:「メェェェェ、うれしい、
この時ばかりは野生に感謝メェー」大炎上
シシハ:「でもボコる」足を上げて
ヒツジチャン:「メ、り、理不尽!?」毛皮ガード
天高く舞うシシハ、背景にマグマバードの輪舞曲
シシハ:「獅子星拳・ニノ段【獅子落雪脚】」踏みつけラッシュ
ふみ
ふみ
ふみ
ふみ
ふみふみ
ふみふみふみふみふみー
▼
◯クマーべシティ・シシハ視点
シシハだよ。とうとう羊を捕まえたよ。
手足を潰してサインを描けなくしたんだ。
シシハ:「へっへっへ、
尻をジンギスカンにしてやろうか じゅるり
胸をカツ丼にしてやろう はむはむ」カプリ
ヒツジチャン:「げほ、ん、メー、
食べないで〜」もじもじ
よく見ると贅肉タップリだね。
へっへっへ さあどうしてくれよう
ラサキ:「やめたげてよお。かわいそうだよ」
な、ラサキちゃん、今いいところなんだから
ちょっとペロペロしただけだよ。
ヒツジチャン:「ラサキちゃんは優しいメー」
んな!
ラサキ:「シシハちゃん、あんまり人を食べちゃダメだよ」
シシハ:「ええー」
ヒツジチャン:「そうメー そうメー
外の世界は知らないけど
この魔界では、野生動物の捕食は有罪メー」
シシハ:「有罪……え、まじで
おまわりさん来るのか!」
ラサキ:「当たり前だよ」ぺち
ヒツジチャン:「そうそう
ケルベロスのおまわりさん……」
シシハ:「3つ首だ!」
チラッと。
2キロ先の工事現場で交通整備をしてる。
あの舌が赤くてヨダレ豊富なのがそうだね。
シシハ:「んじゃ、死体なら?」ギラリ
ヒツジチャン:「ダメぇぇ〜」
シシハ:「やっぱりかー」
ラサキ:「お願い、やめたげて」
生肉を食いちぎるの うまいのに。
もったいないなー。
シシハ:「それで、肉は、
お肉はどこからやって来るのさ」
ヒツジチャン:「家畜メー」
なんだってー!?
ジャンプ! ブワッ!
おおーすごい大都会
キョロキョロ
お、あったあった、山のほう、
牧草の黄緑色だ! 3箇所も。
わお、ミノタウロスはヒゲ剃り機
草は剃られて縞ハゲになってる!
ヒューん、シュタッと。
シシハ:「ほんとだ。すげー
ミノタウロス食い放題じゃん!」
ラサキ:「まってシシハちゃん、
人のモノを食べたらダメだよ
お金を払わないと」
シシハ:「んなっ、なんだって!?」
生きたまま『物』として売買するなんて、
さすがは魔族、外道だね。
ヒツジチャン:「メ、メメメ……
発想がこわいメー……
あなたは王子様のフィアンセ
未来のプリンセス……」
おい待て、フィアンセ?
まさか、私?
おい羊、なにをトチ狂ったことを、
シシハ:「ガオー」
ヒツジチャン:「ヒッ!?」びくびく
首ぐらを掴む、足払い、押し倒す、腹に乗る、
アスファルトにガツン、ドン!
シシハ:「おい羊、どういう事だ。言え!」ガルッ
ヒツジチャン:「メ、メェ」ぐるぐる
◯ 魔王ビルディング
ベアモス:「おお、素晴らしい威圧感だ。
マフィアの令嬢として ふさわしい
まさにダイヤの原石だ」
キュノス:「うう…
ね、ね、いいでしょ
ちょっと怖いけど」
ベアモス:「弱音を吐くなガオー
ちったあカッコつけろ」
みかんを食べながら、
ベアモス:「うむ。…むむ?
あの紫の、見覚えがあるような……
もしや封印されし結界が……まさか」
と考え込む魔王様でして、池のほうへ、
ベアモス:「おいサケルス
ちょっと結界を見てこい」
サケルス:「あいあいさー。了解」♓️
空気に溶けていきましたとさ。
◯アスファルトの上
シシハ:「おい羊、詳しく話せ」
ヒツジチャン:「メェー、実は……」
過激派宗教団体【クマカイド】
ただいま抗争中
うれしいのは即戦力
あわよくば子孫を残して万々歳
シシハ:「なんてやつだ」
ラサキ:「やっぱり危ない話だった」
まあいいや。食べ物だけたかって帰ろ。
シシハ:「わかった。
じゃあさ、賞金代わりに何か食わせてよ。
もう腹減ったの」
ラサキ:「さっき蟹たべたのに」
シシハ:「運動したの」
ヒツジチャン:「メメメ、しかたないメー」
ポーション飲んで、回復!
シュババ(早着替え)
ヒツジチャン:「魔王城
メイド長にして 三つ星コックの免許持ち
このヒツジチャンが、ここで
野生児の味覚に 大革命をもたらすメー」
!! まじか、コックだったのか。
カラスケのパンよりうまいのか?
◯唐突のミュージック
ジャァーン♪
ヒツジチャン「人を食べるなんて ダメぇ〜♪
美味しくないわぁ〜 メー♪」
シシハ「えー、ほんと?」
ヒツジチャン「ほんと ヒツジチャン嘘つかない
さあ行きましょ 秘密の料理店へ!
新たな世界が 待ってるメー」
ちゃりん 店内へ
オーク:「「「いらっしゃいませー」」」
ヒツジチャン「キッチン借りるメー」
ヒツジチャン「まずは前菜 サラダをどうぞ
覚悟するメー、味の散乱弾〜♪
(テーブルにドン!)
バルサミコ酢に、フルーツドレッシング!
踊るトマトの甘味〜♪」
はむはむ
シシハ「なんてこった!」
ラサキ「ふえー」
味が踊ってる!
味覚の夜明けだッ!
ヒツジチャン「お次はスープ
トロトロ ポタージュ♪
とろけるまろやかポテイト〜
(テーブルにコテン)
ニンジン、タマネギ、オリーブオイル!
森のうまみを食らうがいいメー!」
じゅる、じゅるる
シシハ「うんまい!」(((o(*゜▽゜*)o)))
ラサキ「ママのよりおいしい」
▼
◯サバサバタウン
ママト「ぐはっ」吐血
アオハ「ぐふっ」吐血
ヘビー「余命2週間となりましたー
……オラァしっかりしろー!!」ガブ
▼
◯クマーべシティ・料理店
ジュゥゥゥゥ
ヒツジチャン「ビーフ100%! 鉄板焼き!
焼き加減は レアで。
ペッパーたっぷり ジャガイモ添えて
(テーブルにドガチャン)
秘伝のタレで さあ召し上がれ!
ビッグ・アステリオス・ステーキ─特」
ガブリ ぶっちん
シシハ「わー」
ラサキ「おいしい」
外は歯応え、中はプルプル
ここまでジューシーなのか。
ヒツジチャン:「最後にデザート
季節のパフェ!
オレンジ、スイカ、パイナポー♪
(テーブルにドチャラン)
夏のトロピカル、食らうがいいわ〜
頭キンキンにはお気をつけ〜」
シシハ:「パフェうめえ」
ラサキ:「キラキラしてる」
ん、コックが踊ってる。
スライム:「生肉は〜」
オーガ:「おいしくな〜い」
オーク:「グルメ最高!」
リザード:「夢のよう!」
みんな:「HAHAHAHHA〜」
シシハ:「分かる! 今なら分かる!!」ガタン
ラサキ:「シシハちゃん!?」
シシハ:「グルメに目覚めたよ、ありがとう」
ヒツジチャン:「コック冥利につきるメェ」
シシハ:「もう生肉なくても生きていける!」
みんな:「「「イエーイ!!」」」
わーわー わーわー
ドドドドドドドド
ドドドドドドドド
ドドドドドドドド
シシハ:「ん、ヘリコプターだね」
真っ白なヘリコプター来週……
ひゅーん……ドカァァァン!
ヒツジチャン「え、あれ、もしかして……」
白熊「ヒャッハー!」
白熊「掠奪だー」
白熊「肉も食い放題だー」
「クマカイドだ」
「キャーー」
「逃げろー」
「食べられるー」
身長5メートルのホッキョクグマだ!
モヒカンベアー3メートルと比較すると、大人と小学生の差だぞ!
ボカァァァァン(ビーム)
ドカァァァン(岩投げ)
バァァァァァン(ぶん殴り)
ゴブリン「た、助けてくれー」
スライム「うわー」
白熊「ぐへへ、聖餐だ〜」ガブリ
白熊「聖餐うめえ」モグモグ
白熊「のどごしスライム神の血だ〜」ちゅるり
ムシャムシャ
ムシャムシャ
ムシャムシャ
シシハ「ねえ、あの熊さん、人食べてるけど
うまそう。
やっぱ弱肉強食だったのね」
ヒツジチャン:「メェェェェ!!」
【雪蹴翔】【獅子落雪脚】
獅子星拳・ニノ段
雪山の寒空を駆ける大胆不敵なライオンなり
その足は空を踏みえぐるのだ。
♋️【クラブシールド】
蟹っぽい盾を出す。ラサキがその場の思いつきで発動させた




