ロザリア(悪酔い)
毎日1000文字を目標に続きを書いています。
次回の更新は明後日です。
「どうした?」
「ふふっ。ヒナちゃん、すっかり眠っちゃいましたね」
「三回も言わなくていいだろ」
「ふふふ」
そう言ってにこにこと微笑むロザリアの頬は、風呂上がりであることを差し引いてもやけに赤くなっている。
「あ。お前、もしかして、酔っぱらってるだろ?」
俺はロザリアが宴会の席で、周囲から勧められて酒を飲んでいたことを思い出した。
平然としていたので酒に強いのだと思っていたが、そうではなかったようだ。風呂に入ったせいで、一気に酔いが回ってしまったのかもしれない。
「酔ってなんかいませんよ」
酔っ払いが必ず言うセリフを口にしながら、ロザリアは上体を起こした俺と向かい合うようにして、ベッドに這い上がってくる。
「ロザリア、待った」
「何ですか?」
「その体勢はマズい。その、寝間着が大きいから」
四つん這いに近いその体勢では、ぶかぶかの襟元から胸がまる見えになってしまっている。
見るなら見ろと言わんばかりのノーガード戦法だ。
俺から指摘されて、ロザリアは居住いを正したが、再び同じ体勢になったので、再び胸元がはだけてしまった。
「駄目ですね、これ」
「そうだな」
学習能力が低下しているあたり、完全に酔っぱらっている。
「それに、覇王丸様は服装とか関係無しに、いつも私の胸を見ていますよね?」
「はい」
そして、常日頃からの俺の視線もばれているようだった。
これはちょっと恥ずかしい。
「大丈夫。花を愛でるような綺麗な気持ちで見ているから」
「そうだったのですね」
それなら安心です、と。
もし、定時帰宅した山田がこの場にいたら「なんだそりゃ!」とツッコミを入れてくること間違い無しの言い訳だったが、ロザリアは酔っぱらっているのであっさり納得してくれた。
「それよりも、覇王丸様。よろしいですか?」
「何がだ?」
俺が聞き返すと、ロザリアは無言のままにっこり微笑んで、俺の首に抱き付いてきた。
風呂上がりの体温と、柔らかな胸の感触が寝間着越しに伝わってくる。
このまま、俺と一緒にベッドに寝転がろうとしているのだろうか?
ロザリアは体を密着させると、もたれかかるようにして俺を押してきたのだが――――
(軽すぎる)
体重差がありすぎて、正直、びくともしなかった。
だが、せっかくなので好きなようにさせてやろうと考えて、俺はロザリアの体を支えながらベッドに仰向けに寝転んだ。
「これでいいか?」
横を見ると、ちょうど腕枕の体勢になっているロザリアは、ご満悦の様子だ。
「少しだけ。こうして甘えさせてください。覇王丸様に、ご迷惑はおかけしませんから」
「迷惑じゃないぞ」
「ありがとうございます」
ロザリアは感謝の言葉を告げると、再び俺に体を密着させてきた。
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