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ウォートシエイラ訪問 一

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明後日です。

 更に、数日後。


 この日は、久しぶりに大森林の集落――――名も無き獣人の隠れ里からウォートシエイラに名称を改めた、ライカの生まれ故郷に足を運ぶことになった。


 とはいえ、単なる二度目の里帰りではない。


 トレンタ大陸上陸作戦を決行する前に、調達しておきたい物が大森林の集落にあるのだ。


 同行者は、ライカとハウンドの里帰り組と、息抜きと気分転換を兼ねたゲストとしてヒナとロザリア、その護衛としてゲンジロウ爺さんの合計五人。


 当初は純粋な里帰りメンバーだけを連れて、その日のうちに王都に戻ってくる弾丸ツアーを予定していたのだが、いつの間にか身内全員を連れて帰省することになってしまった。


 全員で集まって晩飯を食べている時に、話を切り出したのがまずかったようだ。



 王都に滞在している間の暗黙のルールとして、日中は別行動でも、晩飯の時は一堂に会して話をするというものがある。


その日の出来事を報告しあうことで、情報を共有し、親睦を深めることが目的だ。


 王城での生活にまだ慣れていなかった頃、俺とライカとハウンドの三人で始めたこの食事会も、今ではゲンジロウ爺さんが加わり、ヒナが加わり、最近はロザリアとジョアンも毎日のように顔を出すようになったため、かなりの大所帯になってしまった。


 地球からこっちの世界に転移して、家族と呼べるような存在は一人もいなくなってしまった俺が、今では気の置けない多くの仲間と一緒に食卓を囲んでいるのだから、不思議なものだ。


 そんな家族同然の仲間に対して、俺がウォートシエイラに用事がある旨を伝えたところ、


「ヒナもご一緒します!」


 案の定、真っ先に同行を申し出たのはヒナだった。


 ヒナは前回の里帰りの時も「疲れるだけだから」と俺に説得されて留守番をしているので、「今度は譲らねぇぞ」と言わんばかりに鼻息を荒くしている。


「多分、日帰りになるけど、それでもいいか?」


「勿論です!」


「それじゃあ、ヒナも一緒に行こう」


「はい! やりました!」


 ガッツポーズとともに会心の笑みを浮かべるヒナを見て、全員が穏やかに微笑んだ。


 とまあ、ここまでは予想通りだったのだが。


「覇王丸様。今、大森林では、新しく街を作っているとお聞きしましたが」


「そうだな。元々の集落とは別に、森の入口から近いところに街を作るらしい」


「何も無いところに、一から街を作るなんて……。私には想像もつかないことです」


「興味があるなら、ロザリアも一緒に連れて行ってもらえばいいじゃないか」


 俺とロザリアの会話に、横からジョアンが口を挟んできたことで、王国内をちょっとしたお祭り騒ぎにしてしまうレベルの一大イベントが、開催されることになってしまうのだ。

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