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王女奪還作戦 内乱の後始末

毎日1000文字を目標に続きを書いています。

次回の更新は明日です。

 その後、ロザリアが落ち着くのを待ってから、客室で待機していた侍女に事の顛末を話し、急いで帰り支度をするように指示を出した。


 竜の背に乗って帰れば、今日の夕方には王都に着いてしまう。


 リカルドとその取り巻きたちが夜を徹して奔走していたことを考えると、今頃、王都は俺とロザリアの結婚に関する噂で持ち切りになっているはずだ。


 そんな折、俺がロザリアを連れて凱旋すれば、王都はお祭り騒ぎになるだろう。


 そうなってしまえば、後はもう放っておいても、噂は血液のごとく国中を駆け巡る。


 同時に、反乱の失敗もほぼ決定的になるというわけだ。


 多くの国民から「悪役」認定されてしまった反乱軍など、ただのテロリストでしかない。


「陛下としては、早々に南部軍との和睦を成立させて、国内に侵攻しているスエービルランス王国軍に一撃を加えたいであろうな」


「追い返すってことか? 形勢不利になれば、勝手に逃げていくんじゃないか?」


「この戦争を痛み分けで終わらせるには、ただ追い返すだけでは足りん」


 ゲンジロウ爺さんの説明によると、今回の反乱で最も得をするのは、実はシャードではなく隣国のスエービルランス王国らしい。


 なにしろ、反乱が成功すればシャードに大きな貸しを作れる上、アルバレンティア王国から独立した南部地域にそのまま軍を駐留させて、事実上の傀儡国家にすることができる。


 そして、たとえ反乱が失敗に終わっても、スエービルランス王国軍が撤退した後に残るものは、さながら焦土作戦のごとく、見せしめとして破壊された幾つもの街と、身内同士の戦闘によって疲弊したアルバレンティア王国軍――――結果として、スエービルランス王国は反乱の成否に関係なく、隣国の国力を大きく削ぐことに成功するのだ。


「おぬしのおかげで正規軍と南部軍の大規模な衝突は回避できそうだが……。もし、このままスエービルランス王国軍に実質的な勝ち逃げを許すようなことがあれば、対外的な評価としては、この国は戦争に負けたという扱いになるだろう」


「勝ち逃げか。たしかに、それは面白くないな」


「うむ。もし、それが原因で近隣諸国が友軍の派兵を渋るようになったら、魔王軍の支配するトレンタ大陸と、海峡を隔てて最も近い位置にあるこの国にとっては、大きな痛手だ」


 特に制海権の確保が難しい、と。


 ゲンジロウ爺さんはしかめ面で愚痴を零した。


 当然のことではあるが、友軍は捨て駒ではない。


 近隣諸国がアルバレンティア王国のことを政情の不安定な戦争の弱い国だと判断してしまえば、貴重な戦力を友軍として派兵することに躊躇する可能性は、飛躍的に高まるだろう。


 そして、制海権を確保できないということは、かつて港湾都市のオターネストを魔王軍の獣人部隊に占領されたように、オット大陸侵攻のための橋頭保を、敵に築かれてしまうリスクが高まるということでもある。


「海戦だと、俺は役に立たないからなぁ……」


 制海権そのものは、竜の巣に応援を頼めばあっさり解決してしまいそうな問題だが、何から何まで竜の力に頼るわけにはいかない。


 今後も竜の巣との良好な関係を維持するためには、食糧支援の見返りに庇護を受けるのではなく、可能な限り対等なパートナーであるべきだ。

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