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【第一巻発売中】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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第250話 ログアウト・アフター

 脳疲労で強制ログアウトをくらった後、ベッドで起きた僕は慌ててスマホを起動させた。


「……わわわわっ! は、早く続き! 代理戦争のチャンネルどれだっけ~!?」


 配信サイトの中継から代理戦争の行く末を見守る。


「うわ! 自動修復のΩアーツを仕込んでいたなんて……さすがシーナさんだ。だ、大丈夫だよね……? イヴさんならなんとかしてくれるはず。頑張れイヴさん、頑張れ……」


 布団にくるまって、スマホの画面を見る。


「うわ、わ! え、すごい! なにいまの! 岩の隙間を……えぇ!? コロニーに!? こここ、ここからどうするんだろう……サマーソルト!? うわ、ぶつかる! 主ほ……うわっ!? みゃあああああああああああああっっっ!!!?」


 バタン! と急に部屋の扉が開かれた。


「にゃああああああっ!!?? ななな、なに!?」


 扉を開けたのは梓羽ちゃんだ。


「お姉ちゃん。うるさい」

「ご、ごめんなさい……」

「いま集中してるから」


 梓羽ちゃんは注意するとすぐに部屋から去った。かなりご立腹だ。

 手にタッチペンを持っていたから多分、勉強中だったんだろうね。邪魔しちゃってごめんなさい。


「あ、試合終わってる!」


 結果は――オケアノスの勝利。


「よ、良かったぁ……」


 薄氷の上の勝利ばかりだけど、なんとか全勝をキープできている。

 今日はまだ四回戦があるけど、オケアノスは休みのターンなので僕はログインしなくて問題なし。


「火緋色金の試合も終わったみたいだ」


 火緋色金は三回戦も勝利した。火緋色金もオケアノスと同じでここまで全勝だ。

 火緋色金が僕らの最終戦の相手。この人達に勝たないと優勝はできない。要チェックだ。


「火緋色金の戦い、見たいな。火緋色金の次の相手は……KnightNight」


 KnightNightで強かったのは槍使いの夜暗さん。この夜暗さんに火緋色金がどう対応するか見たいところ。


「リアルタイムで見るのはきつい……ログで見ようかな。さすがにちょっと頭を休ませないと」


 僕は台所へ足を運んだ。

 小鍋の中でチョコレートと砂糖と牛乳を温めながら混ぜ合わせ、特性の甘々ドリンク『シュガーバレット』を作り、飲み干す。糖分の弾丸が脳髄を貫く。


「く~! 効くぅ!!」


 脳を糖分で満たした後、梓羽ちゃんが沸かしてくれていたお風呂に入って更に脳をリフレッシュさせる。


「ほかほか~」


 お風呂から出ると、夕食が用意されていたので食べる。今日は梓羽ちゃんお手製タコライスだ。


「うまうま~」


 部屋に戻り、机につく。

 さっきは時間が惜しいからスマホで見たけど、四回戦はPCの大画面で見ることにした。机の上のPCを起動させ、配信サイトを開く。



 ---



 第四回戦ステージA 火緋色金 vs KnightNight。


 ステージは雪国。天候は朝・雪。雪国は雪山、雪原、街があるステージだ。

 地上のほとんどに雪が積もっている。足元が悪い。これは地上戦が得意なプレイヤーには厳しい場所。スナイパーにとっては嬉しいステージだ。雪は紛れやすいし、相手の機動力が鈍るから弾も当てやすい。現実だと指がかじかんで手先の繊細さが損なわれたりするけど、ロボットの体ならそういった難点も無い。


『さぁ序盤は火緋色金優勢か! KnightNightは雪原の上で艦隊戦を仕掛けるも返り討ち! 本隊を下げていく!』


 実況はイルカの被り物をしていることでお馴染みいるかさん。いつもの如くテンションが高い。けど、一応しっかり状況説明はしてくれている。


『お互い切り札は切らず、ジリジリと間合いを測る!』


 戦いは火緋色金優勢。プレイヤー1人1人の強さがまず違う。KnightNight2人と火緋色金1人で同等ぐらいだ。戦艦、TWの性能も火緋色金の方が上。軍全体がしっかりと強い。


 試合開始30分。KnightNightはサブシップを2隻落とされ、本隊は雪山の裏に引っ込んでしまった。引っ込んだKnightNight本隊を火緋色金機兵隊が執拗に追撃する。


 全員が強い火緋色金だけど、特に暴れているのが2人。


『ここで仕掛けるは最高のコンビ! アネモネ&ネモフィラ、アネネモ姉妹だーっ!』


 白い髪で毛先だけが赤色の女の子と、同じく白い髪で毛先だけが青色の女の子のコンビ。

 綺麗な髪……花の配色をイメージしているのかな。花って中心は白いやつ多いもんね。名前も花由来だし。


 毛先赤の子がアネモネで、毛先青の子がネモフィラという名前らしい。アネモネとネモフィラでアネネモかぁ。繰り返し読んだら噛んでしまいそう。

 実況を聞く限り姉妹らしい。本当に姉妹なのか、あくまでゲームの中でのみ姉妹を名乗っているのかはわからない。


『アネネモ姉妹がホスト女子をバッタバッタと排除していく! 素晴らしい連携だ!!』


 そう。連携が凄い。


 アネモネさんはサーベル2本持ちのアタッカー。ガンガン前に出る。ニコさんに似たタイプだ。

 ネモフィラさんは右肩・左肩にそれぞれ1基ずつ大砲を装備していて、その大砲からレーザー砲弾を発射して攻撃するボマー。大砲はそれぞれ正面を向いていて、ネモフィラさんは中距離から隙を見てレーザー砲弾を発射している。空いている手には大盾を装備し、詰めてきた相手をいなすのに使っている。


 アネモネさんが引き付けて崩し、ネモフィラさんが大砲で相手を撃ち払っていく。2人はまさに阿吽の呼吸。連携に僅かのズレも無い。


 アネモネさんはピースにアタックピースを採用していて、アタックピースのレーザーの刃で敵を穿つ。シールドピースは無いため防御は薄いけど、そこをネモフィラさんがシールドピースでカバーする。


 武装構築の隙をパートナーが埋めている。とてもじゃないけど真似できない。連携前提で武装を構築するなんて僕には考えられない。


『これが姉妹の成せる技か!? 完璧超絶コンビネーションが止まらない!』


「アレを崩すのは難しいね……」


 画面の先で、アネモネさんにピンチが訪れる。

 アタッカー3人に囲まれてしまったのだ。しかも、相手は全員結構の手練れ。


『おーっと! アネモネ選手ピンチ! このままではやばいぞ!』


 アネモネさんはアタッカーの連携に崩され、無防備な首をサーベルで狙われる。


『万事休すか!?』


「うん。これはどうしようもない」


 落ちるのは確実、そう思った時だった。

 アネモネさんが口元を笑わせた。瞬間、アネモネさんの姿が消え、代わりにネモフィラさんが現れた。


「え!?」


 2人の位置が、()()()()()()

 ネモフィラさんは手に持った大盾でアタッカーの総攻撃を受け切る。次の瞬間、また2人の位置が入れ替わり、アネモネさんのサーベルがアタッカー3人の胴体を斬り裂いた。


「……入れ替わり!? な、なにが起きてるの!?」


『出たー! アネネモ姉妹が持つリミテッドアイテム! 『ポイント・チェンジ』!! ポイント・チェンジの能力は座標の交換! ポイント・チェンジを装備している2人は任意のタイミングで位置を入れ替えることができるぞ! 使用できるのは両者の距離が40m以内の時に限るが、転移は一瞬! 限定条件付きテレポートマシンだぁーっ!』


 相手が攻撃してくる刹那に入れ替わり、ネモフィラさんが盾で攻撃を弾き返し隙を作る。また入れ替えして、怯んだ相手をアネモネさんの斬撃で撃墜する。これは凶悪だ。


『おーっと! ここでアネネモ姉妹の前に新たな強敵の登場だ!』


 恐らく、この戦い最高のカードが揃う。

 2人の前に現れたのは、槍を肩に背負う槍兵。首元に蜘蛛のタトゥーがある、タンクトップの女性だ。


『KnightNightのエース夜暗(よあん)登場! 夜暗vsアネネモ姉妹! 勝利はどちらに!?』

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― 新着の感想 ―
単にチームプレイって訳でもないからコンビネーションに馴れる頃にはやられているパターンが多そう。
ホストが姉妹によって攻略(撃破)されて行く。字面だけ読むと中々面白い光景が目に浮かびますね
高い練度と抜群のコンビネーション、ランクマッチの様なランダム配置ではない場合には凶悪の一言ですね。位置の入れ替えが長距離可能ならランクマッチでも極悪だけれど。 そしてホスト軍団のΩアーツ持ちが再登場…
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