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【第一巻発売中】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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第227話 情報交換

 僕とミフネさんの間で起きたことを六仙さんに語る。

 僕が話し終えると、六仙さんは深くため息をついた。


「なるほどね。そんなことがあったのか」

「強い憎しみを抱いているようでした。僕と……あと、恐らく」

「僕にも、だろうね」


 やれやれ、と六仙さんは肩を竦める。


「ミフネさんの消息が掴めないと何か問題があるのですか?」

「そりゃあるさ。なんせ彼女はウチの機密情報をいっぱい握っているからね。悪用されるとまずい」


 そうか。それなら――


「僕に考えがあるのですが……」


 あの人の行動パターンはわかる。どうせなら利用するべきだ。


「多分だけど、僕と君は同じことを考えていると思うよ。どうせなら利用しよう、だろう?」

「は、はい!」

「今日はたっぷり時間がある。ゆっくりと話し合おうじゃないか。これについても、ぜひ話を聞きたいしね」


 六仙さんは代理戦争のルールブックを右手に持つ。


「あ、気付いたのですね。あの『隙』に……」

「ああ。まったく、気付いていたのなら教えてくれたら良かったのに」

「いえ、杞憂の可能性もありますし、六仙さんには代理戦争に集中してほしくてですね……」


 決してコミュ障が発動したわけじゃない。うん。


「さてと、作戦会議第二幕といこうか。遠慮せずに発言してね」

「はい!」


 僕と六仙さんは話し合う。お互いに情報を出し合って最適解を作っていく。


「……なるほど。いざという時にはあの人達で対応するつもりだったのですね」

「うん。これまでの戦いで彼女達を出せなかったのはそのためさ」

「こんなことを言うのは失礼ですが、正直……」

「弱いか。やはり、僕もオケアノスに残るべきかな」

「いえ、そうしては代理戦争のメンバーの士気に関わります。六仙さんは会場に居るべきです」


 だからと言って、あの『隙』を放置することもできない。


「僕にアイディアがあります。えっと……アイディアと言ったものの内容はシンプルで、成功率は五分五分……ただ上手くいけば軍の消耗も少なく、摩擦もそこまで生むことなく対処できます」


 僕がアイディアを語ると、六仙さんは大きく目を見開いた。


「まったく君の発想には恐れ入る。だけど、上手くいくのかい? 個人的には五分も無いと思うんだけど」

「本当に読めません。一応、勝算はあります」

「ならば任せよう。しかし、成功してしまうと1つ大きな問題が生まれてしまうね」

「え、何かあります?」


 六仙さんは呆れたように笑う。


「代理戦争が前座になってしまう」



 --- 


 

 会議が終わった後、兵士の方々は例のTWをマスターするため練習漬けになっていた。

 僕はもちろん、あのTWの練習はしない。適正0。やるだけ無駄である。


 僕は1人、個室のモニターでフリーパーチの主力の人達の動画を見ていた。まずシーナさん、ニコさん、クレナイさんの最新のランクマッチを見る。


「皆さん、動きのキレが以前より増している……」


 元から強かったのに、困ったものだ。

 次に僕の知らない2人、ガーネットさんとペテルさんの動画を見る。


 まずガーネットさんだけど、


「こ、これは……」


 滅茶苦茶だ……。

 一戦毎に使っている武装が全然違う。バズーカをメインにしているのは変わらないけどさ……。


 能力のムラも凄い。あっさり落ちる時もあれば、大量のキル数を稼ぐこともある。調子が良い時は……恐ろしい。あまり、相手にしたくないタイプだ。


 次にペテルさんだけど、


「……ペテルさん……全然戦闘データが無い」


 ランクマッチの戦闘データはいつまでも残っているわけじゃない。古くなれば公式記録からは消される。だけど、例えばガーネットさんのように派手な戦闘スタイルの人の動画は動画サイトや掲示板に残っている。だからこうして研究することができた。シーナさん、ニコさん、クレナイさんの動画も探したら見つかった。


 でも、ペテルさんの動画は一切無い。


 ペテルさんとガーネットさんは代理戦争に一回戦から参加している。そっちのデータも漁ったけど、ペテルさんの姿は全然カメラに映っていなかった。ちなみにガーネットさんはいっぱい映っていた。


 失礼だけど相当戦闘スタイルが地味なのか、それとも意図的に自分の手で自分のデータを消しているのか。あるいは両方か。


「これはどうしようもないなぁ……六仙さんは対戦したことあるみたいだし、あとで色々聞いてみようか」


 ピンポーン。と個室内にチャイム音が響く。来客を知らせるチャイムだ。


「は、はーい……」


 体育座りを解き、床から立ち上がって小型モニターから扉の外を確認する。


「あれ?」


 誰もいない。


「失礼しまーす」

「うわぁ!?」


 いつの間にか、僕は後ろからハグされていた。ラビちゃんだ。

 僕はラビちゃんの抱擁を振り解き、G-AGEを構える。


「ららら、ラビちゃん! 驚かすのやめてってばぁ!!」

「ちゃんとチャイム鳴らしたじゃん」

「チャイム鳴らしたら抱き着いていいわけじゃないよっ!」

「はいはい。ごめんごごめんご。それよりさ、シキちゃんに聞きたいことがあるんだけど」


 なにやら真剣な顔だ。

 ラビちゃんは1枚のディスクを見せる。


「シーナちゃんのデータ見たけどさ……強いねこの子」

「う、うん。基本的に、できないことが無い人だよ。ソロでもチームでも、確実な働きをする」

「うん。そして何より……可愛い! 子供が頑張って大人びている感じが堪らないね~」


 シーナさんとラビちゃんが出会ったらどんな会話をするんだろう。そ、想像ができない……。


「ちょっと教えてよ。弱点とかさ」

「弱点が無いことが長所みたいな部分もあるから、難しいなぁ……」


 あ、でも1つだけあるかも。


「シーナさんは冷静に見えて……結構動揺しやすい」

「ほう」

「まったくもって無駄な行動をするとフリーズするかも。って、こんなのアドバイスにならないかな」

「いや……ふふふ! いいこと聞いた。ありがとシキちゃん! 参考にするよ!」


 ラビちゃんは悪い顔をして出ていった。

 い、一体何をするつもりだあの子……。

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― 新着の感想 ―
そのアドバイスによってどんな結末(笑)を或いは逆効果になるかのやら…w
精神攻撃は基本(白目) ラビちゃんってある種の隠キャボッチの天敵みたいな性能してますからねえ(シキは親友信頼補正で気安く無効化しちゃってるだけで)。 シーナちゃん、可哀想に⋯⋯(気が早い?ごもっとも)…
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