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【第一巻発売中】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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222/281

第221話 シーナの提案

「負けたぁ~! 惨敗だぁ~!」


 クレイジー・バレット、オペレーター室。

 ラビちゃんはバンザイしてソファーに寝転んだ。


「いや、勝っただろ。優勝じゃないか」


 イヴさんが冷静に突っ込む。


「そっちじゃないよ! 個人成績! シキちゃんにダブルスコアで負けてんじゃん!」

「こればかりは運だから仕方ないよ」


 僕は笑って誤魔化す。


「射程の問題もある。むしろダガーのみでよく15キルもできたものだ」


 ロゼッタさんの仰る通りだ。

 数キロメートル先の相手を狙える僕とは違って、ラビちゃんはほぼゼロ距離まで近づかないといけない。キル数を競うのなら、この差は大きい。


「優勝祝いにほれ、1杯やろうぜ」


 イヴさんはワイングラス4個を右手の指に挟んで持っている。左手には赤い液体の入った瓶だ。


「イヴさん、お酒はダメですよ」

「わかってるよ。ジュースだ。ぶどうジュース」


 イヴさんはテーブルにグラスを置き、グラスに瓶の液体を注ぐ。僕らはそれぞれグラスを持つ。


「リーダー。掛け声よろしく」

「え!? は、はい……しょ、初戦、快勝、お疲れ様です……か、乾杯!」


「「「乾杯!」」」


 僕らはグラスを合わせ、ドリンクを飲む。豊潤で甘いぶどうの味が口の中に広がる。


「これで私達のチームランクはDになったんでしょ?」

「ああ。チームデータを確認したがきっちり上がっていたぞ」


 滑り出しは順調だ。


「しかし、かなり目立ってしまったね。これは外野が黙っていないぞ」


 ロゼッタさんが忠告すると同時に、ピンポーンとチャイムが鳴った。


「お客様ですね……」


 出たくないけど、僕が1番扉から近い……。


「ぼ、僕が出ます!」


 僕は立ち上がり、部屋の扉を開ける。扉の先から現れたのは5人のスペースガール。その内の3人は知っている人だ。


「こんにちは。シキさん」

「初心者狩りお疲れ様」

「よっ! シキ!」


「シーナさんにニコさんにクレナイさん!? ど、どうしてこちらに?」


「敵情視察というやつです」


 5人を部屋に招き入れる。


「……」


 1人、フードを深く被った隈の凄い人が僕をジッと見つめてきた。


「あ、あの……?」

「ペテルです。はじめまして」


 ペテル……って、もしかして、


「仕事人のペテルさん?」

「はい。よくご存じで」


 黒い髪で、低い声で、ボーイッシュで、落ち着いていて……なんだろう、この人。『怖さ』を感じない。


「ねぇねぇ!」

「うわぁ!」


 僕とペテルさんの間に、なにやら元気溌剌な女の子が割り込んできた。癖だらけのオレンジヘアーで、花模様の瞳孔をした人。ペテルさんとは真逆の雰囲気。


「どっちが好き?」

「どっち、とは?」


 女の子は2枚の写真を見せてくる。


 片方は、最近のアニメの爆発。

 もう片方は、昔のアニメの爆発だ。


「こ、これ!」 


 僕は昔のアニメの方を見て、つい大声を出してしまった。


金多(かねだ)さんのやつですよね!? 80年代90年代を代表するアニメーターの! このデフォルメ加減がほんっとに凄い……」


 僕が言うと、女の子は目を輝かせ、


「わかるじゃんきみぃ!! じゃあこっちは誰のかわかる?」

佐崎(ささき)さんですよね? 爆風の描き方に特徴があるからわかりやすい!」

「じゃあこっちは!?」

橋元(はしもと)さん! 僕、この人のエフェクトめちゃくちゃ好きなんですよ!」


「なんでコイツら50年以上も前のアニメがわかるわけ?」

「知りませんよ……」


 ニコさんとシーナさんが呆れている。


 ふふ……わかっていませんね。素晴らしい作品に賞味期限は無いのですよ。


「お……おぉ!」


 女の子は興奮し、僕の胸に飛びついてきた。


「きみ! ロマンわかってるぅ!」

「え? えぇ??」

「爆発はロマンだよ♪」


 見知らぬ人に抱き着かれ、動揺する僕。


「このクソガキぁ! 誰の許しを得てシキちゃんに抱き着いているかぁ!」


 と、ラビちゃんが女の子に手を伸ばすけど、女の子は僕を盾にして手を躱した。ラビちゃんの手は僕の胸を掴む。


「ほう。これは事故……ゆえに仕方なし」

(今の身のこなし……)


 早いし、無駄がない。

 と、僕が冷静に分析しているのに、ラビちゃんは構わず右手をモミモミと動かすので、


「いてっ!」

「もうっ……!」


 チョップを脳天に下した。


「き~めた!」


 女の子は僕から離れ、右手で銃を作り僕に向けた。


「きみは、ガネちゃんがどっかーんとさせてあげるねっ!」

「え?」

「どどどどどどど、どっかーん!!」


 女の子ははしゃぎ回り、部屋を出て行ってしまった。


「に、ニコさん……なんですか、あの人」

「前に話したでしょ。アレがガーネットよ。ああ見えて、実力は本物だから」


 ガーネットさん。確か、花火師の異名を持つボマー……あの人が??


「シキさん、初戦優勝おめでとうございます」


 シーナさんはそう言って、右手を差し出してくる。


「シーナさん……ありがとうございます!」


 僕はシーナさんの手を取り、握手する。


「あなたがチームを抜けてからずっと、あなたの作るチームを楽しみにしていました。あなたらしい、フリーダムなチームですね」

「あはは……チームを作ったのはいいですが、まだ何も、チームらしい動きができていません。チームワークって難しいです。今回は最後まで個人プレイ頼りで……」

「手を取り合うだけがチームワークというわけでもありません。個々の能力を信用した結果、別れて行動したのならそれもまたチームワークです」


 上手いこと言ってくれるなぁ、シーナさん。


「それで。()()()()が吾輩達になんの用かな?」


 釘を刺すようにロゼッタさんは聞く。


「1つ、ご提案がありまして」


 シーナさんの瞳が妖しく輝く。


「1人居なくなってしまいましたが、どうでしょう。ここに居る4人と、そちらの3人で、模擬戦をしませんか?」

【読者の皆様へ】

この小説を読んで、わずかでも

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「もっと頑張ってほしい!」

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― 新着の感想 ―
ふと思ったけど、ラビちゃんの行動とシキの気安い反撃ってってシーナにとっては割と衝撃なのでは? 妹レベルの対応の人物ってラビちゃんが唯一ですからね。以前のシキを良く知る人物ほどこの警戒心のなさは驚くとい…
事故故に此度の揉み揉みは致し方無しの一言ですわー
梓羽ちゃんを呼んでこないと!?
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