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【第一巻発売中】スナイパー・イズ・ボッチ ~一人黙々とプレイヤースナイプを楽しんでいたらレイドボスになっていた件について~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
代理戦争編

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221/281

第220話 ベストスコア

 チーム数34 出場者数102名

 2047年 9月 第4期(CZグループ) E級ランクマッチ


 現在、上記ランクマッチにて、前代未聞のことが起きていた。


 試合開始15分で、とある1チームの合計キル数が40を超えたのだ。


 観戦部屋(exルーム)にあるモニターの90%がそのチームを映していた。


「アイツら誰?」

「スナイパーの子見たことあるよ。ほら! 代理戦争の!」

「上に連絡しろ。オケアノスの主力だぞ多分」

「これさ、マジで半分以上1チームで倒すんじゃないの?」

「あり得ないでしょコレ……合流もしないでさ……」

「チーム名は――『クレイジー・バレット』。知らないわね」


 シキ27キル。

 ラビリンス(登録名ラビ)12キル

 ロゼッタ7キル

 合計46キル


 残り人数は31名。


「間に合いましたね」


 噂を聞いたシーナは仲間を連れフリーパーチからスペースステーションexルームに移動していた。A~C級のランクマッチはexルーム外にも中継されているが、E級のランクマッチは中継されていない。なので直接足を運ぶしか無かった。


 シーナはモニターに大きく映るシキを見て、微笑んだ。


「遂にチームを作りましたか。しかも全員が精鋭……合計で46人も倒すとは、恐ろしいですね」

「相手E級でしょ? 別に運良くエンカウントしまくればこれぐらいいくでしょ」

「ニコさん、気付きませんか?」

「? 何によ?」


 シーナの問いにペテルが答える。


「奴ら、武装を1個しか使っていませんね」

「はぁ!?」

「オレもいま気づいたぜ。壊れても無いのにウィングを使わない理由が無い。ピースも使っていない。間違いなく、武装を縛ってやがるな」

「な、なんでよ!? 舐めプ?」

「恐らくは武装の情報を漏らさないためでしょうね。事実、ここまで武装を縛られると、フル装備の時とは動きが別物になってしまう……参考にはなりません」


 ガーネットはその花柄の瞳孔を光らせる。


「武装1個で最高キル数を狙うなんてぇ! ロマンだね!!」

「最高キル数っていくつだっけ?」

「個人では33、チーム単位では49です。このままいくと、どちらも更新する可能性がありますね」


 シーナはシキの動きに注目する。


「ニコさん。スナイパーにとって、最も大切なモノとはなんだと思いますか?」

「なによいきなり。私はスナイパーの対極よ。わかるわけ無いじゃない」

「適当でいいですよ」

 

 ニコは暫し考え、


「……そりゃやっぱり、射撃の腕でしょ」

「ふふっ。まぁそう考えますよね」

「なによムカつくわね。他に何があるのよ!」


 ニコは肘でシーナを小突く。


「私は2人のスナイパーに同じ質問をぶつけたことがあります。1人は六仙さん、もう1人はシキさん。どちらも私が知る限り、3本の指に入るスナイパーですが、2人とも、スナイパーにとって最も大切なモノは射撃の腕とは答えなかったのです」

「なんて答えたの?」

「六仙さんは『位置取り』と答えていました。たとえ1発も当たらずとも、ベストな位置を取り続けられるスナイパーはチームに貢献できると」


 ニコは首を傾げる。


「それはなんとなくわかるな」


 クレナイが同意する。


「しつこく死角を狙ってくるスナイパーが居ると、それだけで目の前の敵に集中できなくなるからな。どうしても動きに制限がでてくる」


 ペテルも頷く。


「相手にプレッシャーを与えられ、戦場を俯瞰でき、狙われても逃走できるポジションを取り続けられるのなら……置物でも価値はある」


 ニコは首を横に振る。


「微妙に理解できないわね。弾当ててこそのスナイパーでしょ。それで、シキはなんて言ったの?」

「シキさんはこう言いました」


 シーナはその時のことを思い出し、頬に冷や汗を浮かべる。


「――『想像力』」

「想像? イメージ?」

「スナイパーは指よりも脳を動かすロールだと、シキさんは言っていました」


 シーナは自分の頭を指で叩き、


「シキさんはターゲット1人を撃ち抜くために、いつも20以上の展開を想像しているらしいですよ。ターゲットを撃ち抜くまでの道筋を、20パターン用意しているそうです」

「20!? 無理無理。そんなのでまかせよ!」

「誇張している可能性は否定できませんが……もし本当だとしたら怖いですよね。相手側は、彼女の想像する20の勝ち筋全てを躱さないと、勝負にすらならない」


 ニコはつい、息を呑む。


「今の私の話を踏まえて、シキというプレイヤーを観察してください。彼女と『勝負』をしたいのでしょう?」

「……はいはい」


 ニコは真剣な眼差しでモニターを見る。


「凄いプレイヤーですね。確かにそれだけの戦術を用意していてもおかしくない。動きの1つ1つに意図を感じる。ただこれまでの戦闘を見るに、戦術のパターンは大きく3つ程に分けられますね」


 ペテルはシキの映像を見つめ、


「常人にはできない超人技を披露し、相手を動揺させ、その隙に撃墜。自分以外の他の要素に意識を誘導し、その隙に撃墜。まず弱い攻撃をヒットさせ相手を怯ませて、本命の攻撃で撃墜。高確率でこれらのパターンです。驚異的な射撃能力の影に隠れていますが、この人は……格段に『崩し』が上手い」

「その通りです」


 ペテルは何かを思いつき、考え込む。

 ペテルの様子を見てシーナは「来た甲斐がありましたね」と呟いた。


「終わったわよ」


 部屋中に歓声が響き渡る。


 E級ランクマッチ終結。優勝――クレイジー・バレット。


 シキ35キル

 ラビ15キル

 ロゼッタ9キル

 合計59キル


 個人キル数及びチームキル数歴代最高記録更新。

【読者の皆様へ】

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― 新着の感想 ―
清々しいほどに圧倒的な成績。次のD級参加チームが戦々恐々をしてそうな気がしないでもない
今回E級ランクマッチに参戦した他チームはご愁傷様の一言に尽きちゃうw
更新お疲れ様です。 こ れ は ひ ど い(心底同情 Eランクモブガールズたちからすりゃ『(リアルで言うなら)初心者サバゲーしてる最中にラン○ーやメイ○リクス○やダッ○が実弾で殺りに来た。そこにプレ…
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