表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オルタナ外伝ーアルトレア物語ー  作者: 絃芽こう
2学年 波乱の日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

146/146

49 引き継ぐということ

49

「…トレア先輩?…アルトレア先輩?」


ふと、私は誰かが自分の名前を呼んでいるのに気付いて、ハッと我に返る。


『やっと反応した』

そう聞こえたかと思うと、目の前にズイッと女の子の顔が近付いてくる。


その声の主は、『やっと反応した』と言って、私の正面にズイッと顔を寄せてくる。


「カミラ?どうして2年生の教室に?」


ここでようやく、私が声の主を認識すると、驚く事に相手はカミラだった。


「どうしてって…先輩が言ったんじゃないですか。『放課後教室に来て』って」


少し困った顔をして、そう指摘する彼女に、私は周りを見渡す。


「いつの間にか放課後だったのね。ごめんなさい、少し気が抜けてたみたい」


そして、私は今の状況を正しく認識すると、そう言って彼女に謝罪する。


「どうしたんですか?授業中も上の空だったみたいですし」


そんな私に、カミラは少し困った顔をしつつも、心配そうにそう問い掛けてくる。


「ちょっと考え事をね」

「1日中ですか?……相談なら…乗りますよ?」

「大丈夫よ。別に悪い事じゃ無いから。ただ、私の心の準備が出来てなかったと言うか、予想外過ぎたと言うか…」


彼女にそう返事をしつつ、私は昨日の先輩との会話を思い返す。




『私のになるって…もしかして、わ、私が先輩の研究を引き継ぐんですか!?』

『いや、別にそれはどっちでも構わないが、出来ればお前に室長になってもらいたいとは思っている』

『そ、そんな事…急に言われましても…』


私は、何となく流れでこの研究室に身を置くことになったせいで、実感として薄いけど、1年生の内から研究室に所属するのすら、本来なら相当難易度の高い事なはずだ。


ましてや、そこを少人数で運営するなんて、先輩だからこそ発明品の販売とか、学園内外の協力者の存在だったりとで、実現出来ているわけで、その両方に頼るつての無い私が、いきなり室長になったとして、とてもこれまで通りに存続させられるとは思えない。


『わっ…』

『まぁ、まだ時間はあるからな。ゆっくり人を集めれば良い』


反射的に『私には無理です』と断りそうになるけど、その前に先輩が有無を言わせない言い方で、これからの事を話すので、私は『引き継ぐのは確定なんですね…』と呟いて、覚悟を決めるしか無かったのだ。


そんな事を思い出していると、急に廊下の方から


「おい、いつまで話してんだよ。さっさと行くんじゃ無いのか?」


と、怒ったような、ここ最近ではすっかり聞き馴染みとなった声がする。


「アレン、あなたも居たの?」


私が直接誘ったのはカミラだけだったので、彼女の従兄妹であるアレンも姿を見せるのは驚きだ。


「オレは別に行きたくないんだけど、こいつが無理やり…」

「うるさい!あんたも一緒に来るの!!…アルトレア先輩、ダメですか?」


いまだに私に対して、反抗的な態度を取る彼が、良く今まで静かにしていたと思ったけど、あの様子を見るに、元々乗り気でないところを、カミラに無理やり連れてこられたようだった。


そんな彼を、研究室に一緒に連れていきたいと、カミラが私に事後承諾の形で求めてくる。


「まぁ、ダメとは言わないけど…アレンは良いの?」

「良いんです!お兄ちゃんだって、ホントは行きたいくせに、意地張ってるだけなんで!」

「そうなの?ちょっと意外ね」


どうせ今日は、ちょこっと研究室の様子を見せるだけのつもりだったので、1人も2人も大して変わらないだろう。


それよりも、カミラのこの言い方だと、アレンも先輩の研究室に興味があると言うことになるのだけど、何か理由があるのだろうか


「お兄ちゃんてば、先輩が『魔力針』以外にも、魔道具を見せてもらえないかなって、ずっとソワソワしてたんですよ」

「し、してねーよ!」

「ウソつき!今日だって、私が先輩に誘われてから、『ホントに行くのか?』って、ずっと何度もしつこく聞いてきたくせに!」

「まぁまぁ、とりあえず2人とも来るって事で良いのよね」


と、私が聞く前に、カミラが説明をしてくれるのだけど、お互いに相手の言葉へ反論を繰り返すので、だんだん言い争いが激しくなってくる。


ここで兄妹げんかを始められると、研究室へ行くのが遅れてしまうので、私は適当に2人を宥めながら、移動を促すのだった。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございます♪

また次の更新もお楽しみに!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ここまで読んでいただきありがとうございます。 よければ次の更新まで投稿した他の作品も見ていってください。 X(旧Twitter)アカウントはこちら 現在連載中の作品【アルトレア物語】【人生裁判】 ピックアップ短編【恋心】
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ