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オルタナ外伝ーアルトレア物語ー  作者: 絃芽こう
2学年 波乱の日常

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40 良いこと悪いこと

「それで、お前は魔法と魔術、優先して覚えたい方に希望はあるのか?」


スイネグ先輩は、サヤカに身体強化以外の魔法を、使えるようになる可能性を告げると、確認するようにそう尋ねる。


「ん、特には。ちょっと想像してなかったから、特に希望は無い。」


私としては、先輩の推測が大きく外れているところを見たことがないので、サヤカが一般的な魔法を使えるようになるのは、もはや確定事項だろうという気持ちでいるけど、彼女の方はまだ先輩の言葉を信じきれないのか、困惑の表情を浮かべたままそう答える。


「そうか、それならアルトレアから魔術を教えてやってくれ。恐らくそちらの方が先に感覚を掴めるようになるだろうからな」

「はい、元々教えるつもりだったのでそれはいいんですけど、結局、サヤカが魔法を上手く使えないのってどうしてなんですか?」


そんな様子の彼女に構うことなく、先輩が私に聞いてくるけど、特に断る理由も無いので、そう了承の返事をしつつ、先程結論からと言うことで、一旦後回しにされた内容について尋ねてみる。


「そうだな。ここに居る奴らに言って伝わるか分からんが、俺はさっきも言った通り、こいつが魔法を使えない原因を、体質ではなく認識の問題だと見ている」

「認識?」


先輩のその答えに、サヤカはまた頭にはてなを浮かべているが、私も同じ表情をしていることだろう。


「あぁ。俺の予想だが、お前は魔力を身体の一部として認識してしまっているのだろう。それ故に、強化魔法以外がほぼ使えないのだと思われる」

「うーん?」

「スイネグ先輩、もうちょっと簡単に説明してもらわないと、私達には理解が難しそうです…」


先輩から見ると、私とサヤカの魔力に対する感覚は一般的なものからズレているとのことだけど、なるほどそれなら、私達に伝えられるか先輩が悩むのも無理もないだろう。


それでも、もう少し分かりやすい説明は無いのかと、私は先輩に尋ねてみる。


「ふむ…。感覚的なものだからな、簡単に説明しろと言われても難しいが…強化魔法というのは、あくまで元ある能力を、魔力によってその効果を増幅させているだけだというのは分かるな?」

「えっと、力が強くなるとか、感覚が鋭くなるとか…ですか?」


それならば、回路に魔力を通すだけでも起きることなので、なんとか私達でもどういった感じなのかを想像出来る。


「そうだな。他にも、そいつみたいに武器をメインにしてる奴らの中には、それも身体の一部として認識してるのか、無意識に自分の武器が強化魔法の対象になってるのも居る」

「そう言えば、サヤカって武器には強化魔法を纏えてたわね」

「確かに、それは意識してなかったかも…」


更には、武器も身体の一部だなんて説明を先輩からされて、普段サヤカと練習する時は、魔力を絶っていた為忘れていたけど、あの親熊と対峙したとき、彼女の武器にも強化魔法が掛かっていたのを思い出す


「あっそう言えば、SSクラスに付与魔法が得意って子が居たんですけど、もしかしてそれも強化魔法なんですか?」


武器に纏うのが強化魔法なら、あのSSクラスの1年、アレンの魔法もそうなのかと思い、私は先輩に聞いてみる


「付与魔法か。それはそいつ自身がそう言ってたのか?」

「はい。確かそうですけど…」


すると、先輩から反対に、そう聞き返されてしまう。


「そうか。付与魔法には確かに、強化魔法的な効果を持つものも多くあるが、SSクラスの奴が使うとなれば、魔法効果そのものを付与する場合もあるから、今回の場合は例として適さないなだろうな」


どうやら彼の使う付与魔法は、私の想像しているものよりも複雑なものらしく、先輩のしようとしてる説明からは外れてしまうようなので、今回は話が脱線しないように、SSクラスの子たちについては一旦置いておくこととなる。


「それで話を戻すが、強化魔法は元の能力を増幅させるものだというのは今話したな?」

「はい」「うん」

「それは、ある意味では拳に力を入れる、耳を澄ませると言った行為と変わらない事は理解出来るか?」

「まぁ、一応?」「分かる」


そして今度は、私達に合わせて説明をしてくれるので、私もサヤカも先輩に頷きを返しながら、話を聞いていく。


「だが、火球を撃つ、水壁を出すと言った行為は、明確に魔力を別の物に変化させるわけだ」

「まぁ、そうですね」

「つまり、魔力を身体の一部として認識してる者にとってそれは、腕や足を全く別の物に変質させる行為に等しくなる」

「あぁ、なるほど。それでサヤカは…」


ここでようやく、先輩の説明を完全に理解して、私は彼女の方を見てそう呟く。


「あぁ。魔力に関して、習熟度が高い故に引き起こされる弊害だな」


そして、私の呟きを補完するように、先輩が簡潔にひと言でまとめるのだった。

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