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オルタナ外伝ーアルトレア物語ー  作者: 絃芽こう
2学年 波乱の日常

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34 尽きないもの

「レアちゃん久しぶりー」


今日は、私が校外学習に行くのが決まってから初めての休日。


どうやら先輩が予測していた通り、成績順に1年生の班に2年生が振り分けられていたのか、ようやくSクラスの方でも、色々と準備が一段落ついたみたいで、私達4人は、メリッサの呼び掛けで久し振りに集まって、街に遊びに来ていた。


「本当に久し振りね、レイナ。サヤカとはこの前道場で会ったばかりだけど」

「そうだね。まさかクラスが変わっただけで、こんなに会えなくなるなんてねぇ」


既に、5月も終わりだというのに、学年が上がってから、私達が皆で集まって遊ぶのはこれが初めてだった。


「つってもよぉ、別に会おうと思えばいつでも会えたんじゃねぇのか?」


と、せっかく私が久し振りに友人に会えた喜びに浸っていると、横からメリッサが水を差すようなことを言う。


「忙しそうにしてるから、遠慮してたのよ」


実際、私は放課後スイネグ先輩の研究室に顔を出す為、そこに向かう途中でSクラスの生徒とも良くすれ違い、その中に彼女達が居ることもあった。


けれど、そう言う時は大抵、彼女達は私の知らないクラスメイトと一緒に居たり、私自身も早めに移動しなければという状況だったりで、なかなか話し掛けるタイミングが無かったのだ。


「遠慮なんてしなくていいのに〜。そう言えば、校外学習の準備レアちゃんにも手伝ってもらえば良かったね」

「確かにそうだな。こいつ、毎日暇そうにウロウロしてたからな」

「別に毎日じゃないわよ!私も一応先輩の手伝いとかしてたんだからね!」


そんな私を慰めるように、レイナが気にしなくて良いと言ってくれるが、その後にメリッサが適当な事を言うので、私は彼女に強めに抗議する。


「ん、残念だけど、先生に確認した時、成績の悪い人は難しいって断られてる」

「ちょっと!そんなはっきり言わないでよ!私だって気にしてるんだからね」


更に、サヤカの悪気の無い追撃に、私の心は荒んでいく。




「まぁでも、この後は魔獣?とか言うやつの説明で、アルトレアも忙しくなるんだろ?」


と、そんな私の気持ちを察したのか、メリッサが話題を違うものに変える。


「うーん、どうだろう。スイネグ先輩、『面倒くさい事は全部学校に任せる』って言ってたからなぁ」


私はそれに乗っかって適当に相槌を打つけど、今彼女に答えた通り、最近のスイネグ先輩は、意図的に表立っての行動を避けてるようなので、今回の『魔獣について全校生徒に周知させる』というのも、先輩は情報だけ渡して後は先生達が説明する予定になっている。


なので、先輩の代わりに助手の私が、なんてこともないので、今回の校外学習での私の役割は、一般生徒とそう変わらないはずだ。


まぁ、いつの間にか私とタイガを囮にしていたみたいに、先輩がまた何かしら企んでる可能性もなくはないが、特に指示をされた訳でもないのに、わざわざ自分から目立つ行動をする必要も無いだろう。


「何だぁ?お前らのやらかした事が原因で、校外学習の時期が早まってるのに、当事者が説明しないのか?」

「色々事情があるのよ。と言うか何でそれを知ってるのよ」


けれどまぁ、カインの事を知らないメリッサからしたら、それは当然の疑問だろう。


だが、今は街中に居て誰が何処で耳を澄ませているのか分からない状況だ。


そんな中で正直に全てを話すわけにもいかないので、私はそう誤魔化す。


それよりも気になるのは、メリッサが誰からそれを聞いたのかだ。


今年は、例年よりも校外学習の時期が早まるのは、既に周知の事実ではあるが、その原因に私が絡んでいることは、あまり知られていないはずなのだが。


「セイラの奴に聞いたんだよ。まさか自分達の研究が、こんな大事になるなんて思ってなかったってな」

「あー、あの人かぁ」


まぁ、私やスイネグ先輩以外からとなれば、事情を詳しく知っている人は限られる訳だが、その人物の名前を聞いて私は納得する。


「確かにあの人は、あんたになら話すか」


忘れていたがメリッサは、中等部まではSクラスに所属していて、セイラ先輩やサク先輩と深い関わりがあった。


一時期ちょっとしたトラブルから距離を置いてる時期もあったけど、少し前に無事仲直りをしてるので、メリッサが私の友人だと知っているセイラ先輩なら、話していてもおかしくない。


「でも、その話はあまり知らない人に言わないでね」

「分かってるよ。セイラからも言われたからな」


だけど、この事を無秩序に広められても困るので、私は一応メリッサにそう釘を刺すけど、どうやら2人ともちゃんと、その辺りの分別はついていたようで安心する。


その後、とりあえず続きは人に聞かれない場所でと移動するのだけど、その途中でも久し振りに会ったからなのか、話題が尽きることも無く、私達の会話は続くのだった。

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