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オルタナ外伝ーアルトレア物語ー  作者: 絃芽こう
2学年 波乱の日常

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32 前途多難?

「はぁー?Aクラスの雑魚2人が俺達の補佐かよ!?」


スイネグ先輩から、校外学習について聞かされた次の日、さっそく先生の方から話が来たので、私はクラスの授業を抜けてもう一人のクラスメイトと、指定された場所、第一訓練場へと向かっていた。


そこに到着すると、既に1年生は何組かのグループに分かれていて、私達もその中の1つに案内される。


私達が見ることになるのは、男の子2人、女の子2人の4人グループだった。


当然ながら、その中に知っている子は1人も居なかったので、とりあえず先輩である私達の方から、自己紹介でもと思ったのだけど、私が自分のクラスを告げた途端に、グループの中で1番背の低い男の子が騒ぎ出したのだ。


『はぁ、出だしからこれなら、スイネグ先輩があんなふうに注意してくるのも頷けるわね』


恐らく、去年と同じ流れならば、これから班の役割だったりを決めていくのだろうけど、まさか、まともに挨拶すら出来ないとは予想外だった。


魔力の流れから、ここに居る4人ともが上位クラスの生徒だという風には見えるが、この男の子の騒ぎ方からして、Sクラス以上はあるのだろう。


まぁ、だからといって怯むつもりは無いけど、このまま黙っていても時間の無駄だ。


一体どうしたものかと、溜め息を吐きつつ頭を掻いてると


「あっ、あのっ!それっ!見せてもらっても良いですかっ!?」


と、その男の子よりは少し背の高い女の子が、間に入ってくる。


「おい!今はオレが話してんだろ!」

「うるさい!お兄ちゃんは黙ってて!!」


ボグッ


それを少年が咎めようとしたところ、あまりに勢いの乗った右ストレートを、顔面ど真ん中へ打ち込むことで、少女はこれを黙らせる。


『よ、容赦無くいったわね…』


その遠慮の無い一撃と、その前に彼女が発言した兄という言葉から、私は去年の班員だった、フレアとワタリの双子を思い出し


「きょ、兄妹って、どこも結構、コミュニケーションが激しくなりがちなのかしら」


ついそんな事を呟いてしまうのだけど


「あっ、えっと。アタシとアレンはいとこ同士なので、兄妹では無いです」


どうやら、その声は少女の耳に届いていたようで、少年の名前がアレンということが分かる。


「あら、そうなのね」

「そんなことより!それって、『腕時計』ですよね!?あの、ニューホーン大陸の!!」


そして、今度こそ邪魔されまいと、少女が興奮気味に聞いてくるのだけど、私は彼女からその大陸の名前が出てくる事に驚く。


「ごめんなさい。それは、元になった物の名前で、これとはちょっと違うんだけど、よく見ただけで分かったわね。それに、大陸の名前も」

「えっ?違うんですか?」


彼女の方も、それが似たような別物だと知ると、驚いた顔をしている。


「えぇ。元の腕時計は、こっちの大陸だと動力を確保するのが難しいみたいで。これは私と先輩がそれを改造した『魔力針』って言うものよ」

「…確かに、こちらの大陸だと電池を手に入れるのも、一苦労ですもんね」

「でんち?」


私が彼女に、スイネグ先輩から聞いた、この魔道具がそのまま使えなかった理由を話すと、彼女はすぐにそれを理解していた。


むしろ、彼女が言う魔道具か何かの名前に、私の方が首を傾げてしまう。


名前を聞いただけだと、どんな物なのか想像がつかないので、彼女に説明を求めようと聞き返したところで


「アルトレア。話が脱線し過ぎじゃない?」


と、ここまで沈黙を貫いてたクラスメイト、カツミからストップが入る。


「あっ、そうね。去年と同じ流れなら、これから色々と決めなくちゃだものね。じゃあ、この話は一旦後でね。えっと…」


そうだった。すっかり他の子達を置いてけぼりにして、雑談に入ろうとしちゃったけど、今はまだ授業中で、新しく班の顔合わせをしているところだった。


とりあえず、先生が見回りに来る前に、リーダーやら何やら決めなければならなかった事を思い出した私は、1年生達にやる事を指示しなければと、目の前の子に呼びかけようとしたところで、まだ自分が、相手の名前すら聞けてない状態だったことに気が付くのだった。

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