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TASさんは異世界にて自由に生きたいようです。  作者: 粗茶漬け
TASさんが流浪の旅を始めるようです
52/53

TASさん、状況を説明する。

お待たせしました

「――――あ、あー、一体何があった?何があって、今こういう状況になってる?」


……おい、答えろ、ヤブ医者。


頭を手でボリボリと掻きながら、女性Aに向かっている。


部屋の入り口の前に立ったイゴールさんは、女性Aを問い詰めている様子だ。


そう、イゴールさんである。

酒場で謎の液体状の何かに首を吹っ飛ばされて、死んだ筈のイゴールさん。


死んでしまった筈の、イゴールさん。

今、ここにいる筈のない、イゴールさん。


……うん、私は今、非常に混乱している。


今、イゴールさんが生きているという事は、つまり、あの時イゴールさんは死んでいなかったワケで。


しかし私はイゴールさんの首が血を吹き出しながら飛んで行った様子をこの眼で観測しているワケでーーーー


つまり、首を吹っ飛ばされた、というのは、何らかの幻覚?

それか、首を吹っ飛ばされても生きていた、という事だろうか?


普通に考えて人間が唐突に首を吹っ飛ばされた場合、生き残る術などある筈が無い。

しかし、この世界には魔法という超自然的(オカルティック)な力が存在している。


それを使えばあるいは?いや、それでも断頭後は急激な血圧の変化がある、恐らく数秒で脳が死んでしまう。

死亡した脳細胞を蘇生するなど、そんなものは……


「あー、タスには話してなかったな、()()()()。混乱するのも無理はない。何故俺が生きているのかについては後で話すから、取り敢えず、状況を……」


「ひいい!ひいいい!」


「……取り敢えず、お前は少し黙ってろ」


そう言って、イゴールさんは女性Aの口を、両手を使って抑え込む。

……荒技である。


「ごごごご!んふご!ふ!」


女性Aは非常に苦しそうにしながら(イゴールさんのかなり大きめな手に隠れて表情は見えないが、恐らく苦しそうな表情をしているだろう)、手をバタつかせて必死に、手を離してください、と懇願したようだが、努力も虚しく、彼女は一分も経たないうちに気絶してしまった。


イゴールさんが手を離すと、女性Aは青い顔(比喩ではない)をして、口から泡をブクブクと噴き出していた。


……今にも死んでしまいそうな様子なのだが、大丈夫なのだろうか?


「眠りゴケ、眠り草、薄力粉を水に混ぜて、出来た水溶液を乾燥させて、溶液内の薄力粉に濃縮した睡眠成分を付着させた、俺流の簡易睡眠薬を吸い込ませてやった。泡が噴き出すのは唾液の水分に反応して粉末に混じった眠りゴケの成分が催眠ガスを出してるだけだから、別に問題ない」


……この人、見た目によらず、器用なようだった。薬物の調合って……。

持っている知識の量も多いし、どういった出身なのだろうか。


少し聞いてみた。


「それについては体質と一緒に後で話す。まずは状況の説明をしてくれ、タス。何がどうなってお前、こいつ……、ヤブ医者の事を問い詰めていたんだ?」


イゴールさんに対して、溢れ出る疑問は後回しになった。

というか、イゴールさん、部屋に入ってきた時の会話から察していたが、女性Aと知り合いのようだった。


ヤブ医者……?


「おいしゃさんなんれすか?そのひと」


「ああ、そうだ。……うーん、お前、やっぱり覚えてないのか?あの事」


「?」


あの事?いったいどの事だ?


「いごーるさんのくびがふっとんれしまったことれすか?」


「おおぅ、そこは覚えてるのか……。が、やっぱり、あの狂乱していた時の記憶は無い、と」


ん?狂乱?

つまり、私は、意識が遮断されていた時間中、あの”空腹時”のような状態で、暴れまわった、という事か……?


「まぁ、その事については一旦置いておこう、疑問が絶えないのは分かるが、何度も言うように、先ずは状況の確認だ」


「……わかりましら」


そして、私は意識の覚醒から今に至るまでの状況を大まかに話した。

……一部は除くが、まぁ、重要な事ではないので、別にいいだろう。


そして、話し終わる。


すると、イゴールさんが、頭に手を当て、なにやら難しい顔をしながら、私に話しかける。


「話は分かった。取り敢えず、あのヤブ医者のやり方はいつも乱暴というか、滅茶苦茶だからな……。悪かった、一言、状況理解が出来るよう、伝言くらい残しても良かったかもしれん」


確かにイゴールさんの言う”ヤブ医者”さんは、かなり滅茶苦茶な人だった。

行動的にも、人格的にも。


「まぁ、あんなでも”悪い奴”じゃあないし、腕の立つ医者なんだ、後で一発殴っておくから、勘弁してやってくれ。それよりだ、お前、あの”魔導具”から抜け出したって言うのか?」


「ぇえ、ぬけましら」


「……普通、”あれ”に拘束されたら、内側からはどうしようもない筈なんだが……?俺でも抜けられるか分からんぞ……あんなえげつない仕掛けの付いた拘束具」


「やっぱり、こうそくぐ、れすよね」


もしかして、”狂気”に犯されている私を止めるため、か?

聞いてみた。


「ああ、まぁ、そう言う事だ。後、一部、筋肉が断裂してたり、骨が粉砕しちまっていたからな……まぁ、あの拘束具を通して、さっきの”ヤブ医者”……そこで泡噴き出して倒れてる奴が、かなり強力な持続型の”聖法”を掛けてたから、大体の怪我は治ってると思うぞ」


……”聖法”、か。

前にペルシカ一行のバイロウさんが、そんな単語を口にしていたな。


恐らく、この世界で言う”回復魔法”。

バイロウさんとの話を振り返るに、痛みが伴うモノなのだろうが、それ以上の情報は分からない。


と言う事で、聞いてみた。

中途半端ですね(錯乱)

次話はこの話に統合するかもしれません






次話投稿は土日のどちらかに一回やります


作者に大きな暇ができたら、

ペースアップするかもしれません

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