TASさんと、知らない天井。
3/8 改稿
致命的な時系列の矛盾を解消しました
内容を一部追加しました
誤って二重投稿をしてしまっていたので、正しく修正しました
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ————————
あああああああああああああああああああああああああああああ————————
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ————————
————イタイ。
◆◆◆◆◆
目が覚めた。
……何だか酷く、嫌な夢を見ていた気がする。どんな夢だったのかは、何故か、思い出せないが。
————まあ、夢の話だ。別段気にすることでもないか。
——状況確認。
まず視界に入ったのは、木造家屋でよくありそうな屋根。
……知らない天井である。
屋根の真ん中辺りには、ランの様なモノが吊るされており、そこから暖色系の光が発せられている。
耳に入るのは、ざぁざぁ、と、いう、雨が降り注いでいるような音。
どうやら、私は何処かに寝かされているらしい。
身体には毛布が掛けられており、宿屋の布団程ではないが、暖かい。ただし、肌触りはなんだか良くない気もする。ふかふかな見た目と反して、肌触りは少し硬めである。
上半身を起き上がらせようとするが、身体に力が入らない。まるで身体の彼方此方、指一本余さず、人間としての全ての可動部に枷を付けられているかの様に、ぴくりとも動かない。
それ程までに、身体が怠いのだ。さっきの例えた様に、指一本すら動かせないのである。首も動かないので、周囲の状況を確認する事さえできない。
ああ、此処は何処だ?私は、一体、何故ここにいる?
記憶が、はっきりとしない。
————確か。
私は、今日、イゴールさんと魔物の討伐に行くはずだった。
冒険者ギルドでイゴールさんと待ち合わせて……
そして、確か、酒場で……
木製のジョッキに入った、謎の液体が出されて……
ああ、思い出してきた。
謎の液体が急に動き出して、気が付いたら、私はイゴールさんに腹を殴られて、
後ろに吹っ飛んでいた。
そうだ。イゴールさんも、酒場の店主さんも。
首を飛ばされて、死んでしまったのだ。
その後、私は兎に角、無我夢中で走ったのだったか。
その途中から、記憶は、ぷつり、と、途切れてしまっている。
……はぁ。
どうやら、臨時パーティの件は破綻してしまったようだった。
組む相手が死んでしまったのだから、どうしようもない。
ああ、これからどうしたものか。
ペルシカさん一行を助けた時に、食料供給の約束と別に、追加で、銀貨を三枚(彼女らの持っていた硬貨の半分ほどだ)貰っているので、食うに困ることはないだろう。銀貨が一枚あれば、数ヶ月食い繋ぐことができる。三枚あれば、一年くらいは、切り詰めれば生活できる。
住む場所にも困ってはいない。ペルシカさん一行の一人、アーレンさんと同じ部屋に泊まっている為、掛かるお金は少なくて済む。(ちなみに割り勘である。『お金はこちらで全額負担しますよ』と言われたが、流石に頼りきりというのは私の自立に良くないという趣旨の事を話し、最終的に割り勘という事になった)
なら、暫くは、この街に留まる事にしようか。
旅を出来るだけのお金を貯めてから、この街を出よう。
うん、それがいい。
そんな事を考えている内に、耳に入っていた雨音も、いつの間にか聞こえなくなっていた。
どうやら、雨が止んだ様だ。
いや、別に、雨が止もうが止まなかろうが、ベッドの上から動けない私には関係ないのだが。
◆◆◆◆◆
眼前に広がるは、床以外には何も無い、何処までも広がる真っ白な空間。
何もやる事が無く、余りに暇だったので、自由に動ける別の空間を想像して、そこに私の身体能力の程度を打ち込み、分身体を作り、それに意識を移してみた。空間のモデルは神の空間(?)だ。
そして、創り出した仮想敵と戦ったり、的を作り、その中央目掛けて、連続で仮想のナイフを投げたりしている。
ここは仮想空間なので、私の現実の身体が鍛えられるという事は無いのだが、これにはしっかりとした別の目的がある。
その目的とは、体の感覚を、私の意思に馴染ませる事だ。
ラシーヌさんの元で、色々と訓練をしている時に気付いたのだが、余りに複雑な動きを連続で行っていると、身体が付いていかない訳ではないのだが、どうにも、少しずれてくるようなのだ。
詰まる所、"ラグ"がある。
"ラグ"とは、簡単に言えば、『"操作を入力"してから、"その操作が実現される"までの"時間の差"』の事だ。
ほんの僅かな時間の差、非常に微細なズレ。
だが、しかし、一度動きがズレると、その場で修正をしない限り、その後の行動が全てズレる。
なので、かなり深刻な問題だったりする。出来るだけ、こういった問題は解消しておきたい所である。
なので、宙返りをしながらナイフを連続で投げたり、逆立ち状態で仮想敵と戦ったりして、少しずつ、意思と身体の動きの統一を図っているのだ。
前世で言う、"ゲーム"でのインターネットの通信の遅れや、装置の処理能力の低さ等、外からの原因による"ラグ"は解消のしようがないが、此処は現実だ。
今は、左手と頭と両の肩を使って皿回しをしながら、右手を地につけて、腕立て伏せをしている。
やはり、数ミリの差というものは、かなり大きい。
今でこそ、皿(仮想)を落とさずに腕立て伏せが出来ているが、初めて十分くらいの間は、皿を落としまくっていた。別に、仮想の皿なので、落としても割れないし、幾らでも創り出せるのだが、そういう問題ではない。
ラグの修正は大切だ。
これからも暇な時は積極的にやっていこう。
————ところで、私が目覚めてから、もう既に、五時間八分十九秒もの時間が経過しているのだが。
コレ、食事とか、どうすればいいのだろう?
お手洗いとか————どうやって行けばいいのだろう?




