TASさん、謎の液体と出会う。
2017/2/15
サブタイトル名を変更しました
ぎぃぃ、と、冒険者ギルドの扉を開く。
中に入り、扉を閉めると、ギルド内に併設されている小さな酒場のカウンター席から、私の方を見ている人が一人。
私と臨時パーティを組むこととなった、イゴールさん、である。
私は、そちらに向かい、イゴールさんの隣の席に座ろうとする。しかし、私の身長で普通に座るには、椅子が少し、高い位置にあった為、軽く跳ねて、ぽすん、と、座った。
「どうも、れす」
「ああ。調子はどうだ?」
「そこそこいい、れす」
「そうか、ならいい。依頼の成功率は、その日の”調子が大きく関わって来るからな。まして、討伐依頼ともなれば、調子が良くないと、下手を打ち安くなる」
「へたをうてば、かんたんにしぬ、れすか」
「そうだ。少しのミスでも、俺たちは呆気なく死んでしまう。調子の悪い日には、無理に依頼を受けず、休むのも、選択肢の一つだ。覚えておくといい。……ああ、そうだ、チビ、何か飲むか?」
そう言って、イゴールさんは、メニューの刻まれた板を、私に渡す。
酒類の名前が幾つか並び、その下にお摘みの名前が並ぶ。一番下に果実水と、表記されていた。
何の果実を絞った飲料なのか、記載されていない為、見当もつかないが、私の年で飲めそうな物は、それくらいだった。
私は、果実水を選び、イゴールさんにメニュー表を返す。
「……果実水、か。お前、酒は飲まないのか?」
……この世界では、何歳からでもお酒を飲んで良いのだろうか?イゴールさんはそんな事を聞いてきた。
何歳からお酒を飲んで良いのか、聞いて見た。
「そりゃ、二十歳以上だろう。それまでに飲むと、毒素が身体に蓄積するとかなんとかで、若いうちから飲むのは良くないんだろう?俺はそう聞いているぞ」
……日本と同じだった。というか、恐らく、”古代の勇者”が伝えたのだろう。
この世界は、ファンタジーな文明の中に、日本的な要素が大量に入り込んで、なんというか、ちぐはぐだ。
私自身、”日本で生きていた”訳ではないので、別に日本的な文化に”懐かしみ”を感じる事は無いのだが、知識として知ってはいるので、やはり、この世界の文明は、何処かちぐはぐに感じる。
まぁ、この世界で生きていけば、そのうち慣れるだろう。
と、そこまで考えたあたりで、
「へい、お待ち」
と、酒と果実汁が、テーブルに置かれた。
イゴールさんが頼んだ物は、黄色っぽい酒に白い泡が立っている感じの酒だ。まぁ、ビールである。
そして、私の頼んだ果実水は。
「……なんれすか、これ」
とても、飲み物とは思えないような、悍ましい色をした、謎の液体だった。
文章量少な目です




