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TASさんは異世界にて自由に生きたいようです。  作者: 粗茶漬け
TASさんが流浪の旅を始めるようです
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TASさん、誘いに乗る。

 私は、ぱちり、と、目を開く。


 現在時刻、七時。

 朝である。


 窓から差し込む、ほんのりとした陽光に、暖かいお布団。


 うん、素晴らしい朝だ。


 私は身体を起こし、ぐいぃ、と、背伸びをし、ベッドから降りる。


 壁に掛けた、新しい布の服(昨日、帰り際に買った)を着て、腰に色々な物を着ける為のホルダー(転生時の初期装備のボロ布を材料に自作した)を巻き付け、ナイフを差し、革製のポーチを着ける。


 完全武装である。まぁ、普段着みたいな感じだが。


 私は部屋を出て、扉に鍵を掛け、てくてく、と、廊下を歩く。


 朝食を取らねば。


 向かうは、宿屋一階に併設されている、食堂。


 階段をたっ、たっ、と、跳ねる様に降りて、一階に到着。


 食堂と宿の一階との間には、壁などの仕切りが無い。


 私は食堂のテーブルに向かい、適当な場所で座る。


 店員さんを呼び、適当に料理を注文して、料金を支払い、料理が来るのを待つ。


 十分後。


「へい、お待ち!」


 そんな、何処か日本式(ジャパニーズ)めいた掛け声と共に、私のテーブルの前に料理の乗った木製のトレイが置かれる。


 お茶漬け、鮭の切り身、味噌汁。


 古代の勇者とやらが広めたのだろうか。この世界では、和食が広く、色々な人達に食べられている。


 知識としては知っていたが、ヒトとして和食を食べるのは、初めてだった。


 あっさりしていて、美味しかった。

 朝食向きの料理だな、と、感じた。


 私は手を合わせ、ご馳走様、と、唱え、その後、椅子から立ち上がり、食器を回収棚に置きに行った。


 そして、建物から出る。


 向かう先は、冒険者ギルド。


 ————昨日、私は、とある人物に、暫くパーティを組まないか、と、誘われた。


 私はそれを承諾した。


 何故、誘いに応じたか。

 それは、私が余りに物を知らなさ過ぎるからである。


 まぁ、昨日の”衝撃で変色したリストロ草の復活方法”の様な、世間一般に余り知れていない(らしい)事は、知っていなくても生きては行けるのかもしれない。


 だが、そういう知識を除いた、”一般常識”というものが、私には足りていないらしい。


 例えば、”薬草の採取は、採りすぎず、少し残して置く”等の、冒険者としての”マナー”。


 例えば、”魔物の毛皮等には、高価で買取って貰える物がある為、肉が食べられる魔物の場合、血抜きをしたりする時に、皮に傷を極力付けない様にする”等の、”生きて行く為の常識”。


 この二つの例は、やけに局所的な例だが、なんというか、まぁ、私が昨日した失敗である。


 昨日、私は、イゴールと名乗った男性に、そんな事を注意された。


 というか、説教された。一時間二十七分五十六秒間くらい。


 まあ、イゴールと名乗る男性は、余りに常識を知らない私を見兼ねた様で、”冒険者としての最低限の知識”を教えてくれるのだそう。


 何処か怪しいと思い、発汗量や、表情の変化等から、彼の言っている事が、嘘なのか、本当なのか、調べてみたところ、嘘は付いていなかった。


 まぁ、嘘は付いていない(恐らく)のだから、その話に乗っても損はしないだろう、と、思い、私はイゴールさんと臨時的なパーティを組むことにした。


 “パーティ”。


 何人かの冒険者で集まって、冒険者ギルドに申請をすると、”パーティ”として登録が出来、”パーティ依頼”という、人数の必要な依頼が受けられる様になる、そんな仕組みである。


 今回は、”暫くの間”という条件付きの為、”臨時パーティ”という、登録にも解散にも手続きが素早く、少なく済む、方法で登録することとなった。


 まぁ、警戒は怠らないつもりだが、あの人は、何故か分からないが、”いい人”な気がしてならない。


 そもそも、相当な、究極的なお人好しでなければ、少し、見かけただけの他人に、こんな事は言い出さないだろう。


 他にも、私の感じる限り、纏っている雰囲気が、見た目や口調と反して、何処か、"のほほん"としていた。


 ギャップ(?)の凄い人だな、と、思った。なかなか変な人である。


 ……まぁ、それは置いておいて。


 暫く歩いていると、冒険者ギルドに着いた。


 ————今日は、魔物の討伐依頼を受ける事になっている。


 初めての討伐依頼だ。魔物を倒した事があるからと言って、油断してはいけない。


 気を引き締めていかねば。


 私は頬を、ぺちん、と、軽く平手で叩き、気合いを入れて、冒険者ギルドの扉を開けたーーーー

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