TASさん、狂気に蝕まれる。
今話では、TASさんが狂います。
まぁ、サブタイの通りですが。
グロいのでご注意を。
そういうのが嫌いな人は、この話を読まなくても、どういう事があったのか次話で補完できるようにしますので、読まなくてもOKです。
目覚め。私はいつもの様に腰を思い切り起き上がらせーーーようとしたが、
「もっ!」
がっ、と、自分の膝に顎のあたりを思い切りぶつけた。
…痛い。じーんとする。思わず変な声が出た。これ、歯とか折れてないよね?
私は”痛覚遮断”を行い、歯が折れていないか確認をする。うん。折れていないな。一安心。ほっ。
というか、ここは……ああ、思い出してきた。
私は気絶したんだった。ここは自分で掘った穴だったな。
アラームが鳴っていないので、恐らく、今は夜。
このまま寝ていた方がいいのだろうが、正直嗅覚のいい、例えば、巨大な狼とかに襲われては、眠っているこちらはひとたまりもない。
探知機の真似事の定型で敵感知をしようにも、ここは狭い穴だ。外からの音は吸収されて、殆ど意味が無いだろう。
私は、のそのそ、と、穴から這い出て、立ち上がり、服(ボロ布)に付いた土埃を、ばさばさ、と、払う。
そして、探知機の真似事で辺りを警戒しながら、てくてく、と、歩き始める。
巨木の頂上から見渡した景色。森の先に、草原があった。私は今、そこを目指している。一週間も歩けば、この森からは、出られるだろう。
私は腰につけた小さなポーチに右手を突っ込み、弄る。別に見た目以上の内容量があるとか、そんな事はない、平凡なポーチだ。
手にぷに、とした感触。私はそれを掴んで、ポーチの中から取り出すと、ボール状のぷるん、と、した小さな果実が幾つもくっ付いている果物が姿を表す。
私はそれを、口に頬張り、もく、もく、と、咀嚼しながら、夜の森を進んでいった。
◆◆◆◆◆
……もう、森を歩き始めて、何日経っただろう……
……どれくらい歩いたのだろうか……
それすらも、頭に浮かんで来ない。
……空腹を、満たさなければ。
死んで、しまう。
だが、辺りに食べられそうな物なんてない。
もう、その辺に生えている草でも食べてしまおうか。そんな事を本気で考え出した時。
目の前に、一匹の、白い兎。
兎だ。……うさ、ぎ。う、兎、だ。
この時。私の、ナニカが、ハジケた。
私は腰を屈め、足元を思い切り踏み込み、地面すれすれで前に飛び出す。
全力で飛び出した後、その兎の頭部を思い切り殴りつける。
それだけで、あっさりと、兎は絶命した。
肉片や血が飛び散る。
あ、勿体無い。
私は手を地面に擦り付け、飛び出した身体にブレーキを掛ける。
指の爪が何枚かもげたけど、今はそんな事、どうでもいいや。
私はボロボロになった手で、ばらばらになったソレを掻き集める。けど、土などで汚れてしまっていた。残念。食べられなさそう。
でも、胴体は残った。
私は兎の毛皮を素手で、ぐじゃり、ぶちゃり、と、剥いでいった。
これでよし。いただきまーーー
あ、火を掛けなきゃ駄目だ。生は良くない。危険だ。お腹を壊してしまう。
ポーチから藁と火打ち石を取り出し、二つのそれ同士を、一心不乱に叩きつける。火花が散る。火打ち石が粉々になり始めたが、気にせず叩き続ける。飛んで来た破片が頬に刺さった。痛い。
暫くそれを続けていると、火花が藁に飛び、それは小さな火種となる。
息を、ふぅ、ふぅ、と、吹きかける。吹きかけすぎちゃ駄目だ。軽く吹かないと、火が消えちゃう。そんなのは嫌だ。可愛い可愛い兎さんを食べられなくなる。可哀想だ。なんちゃっ、て。えへ、へ。へ。
そのうち火種は小さな火へ、そして、それを拾ってきた乾燥しているまきに火を燃え移らせ、焚き火の完成だ。ひょー。
やっきにく!やっきにく!
私は皮を剥いだ兎を火にかける。
あ、これ、取れないなぁ。
困った。あ、なにか、棒で刺せばいい。
私は近くに生えていた木から、枝を一本、ばきり、と、へし折って、それを兎の心臓に突き刺す。びちゃり、と、血が飛び跳ねて、どくどく溢れてきた。おいシそ、ウ。
暫く待つ。
焼きあがった。私は兎を口に含み、咀嚼。咀嚼、咀嚼。
あ、そういえば、内臓取るの忘れてた。てっへぺろー。
私は、座ったまま、こてり、と倒れ、気絶した。
◆◆◆◆◆
目が覚める。
私は、正気に戻った。




