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TASさんは異世界にて自由に生きたいようです。  作者: 粗茶漬け
TASさんが流浪の旅を始めるようです
22/53

TASさん、狂気に蝕まれる。

今話では、TASさんが狂います。


まぁ、サブタイの通りですが。


グロいのでご注意を。


そういうのが嫌いな人は、この話を読まなくても、どういう事があったのか次話で補完できるようにしますので、読まなくてもOKです。

 目覚め。私はいつもの様に腰を思い切り起き上がらせーーーようとしたが、


「もっ!」


 がっ、と、自分の膝に顎のあたりを思い切りぶつけた。


 …痛い。じーんとする。思わず変な声が出た。これ、歯とか折れてないよね?


 私は”痛覚遮断”を行い、歯が折れていないか確認をする。うん。折れていないな。一安心。ほっ。


 というか、ここは……ああ、思い出してきた。


 私は気絶したんだった。ここは自分で掘った穴だったな。


 アラームが鳴っていないので、恐らく、今は夜。


 このまま寝ていた方がいいのだろうが、正直嗅覚のいい、例えば、巨大な狼とかに襲われては、眠っているこちらはひとたまりもない。


 探知機(ソナー)の真似事の定型(テンプレート)で敵感知をしようにも、ここは狭い穴だ。外からの音は吸収されて、殆ど意味が無いだろう。


 私は、のそのそ、と、穴から這い出て、立ち上がり、服(ボロ布)に付いた土埃を、ばさばさ、と、払う。


 そして、探知機(ソナー)の真似事で辺りを警戒しながら、てくてく、と、歩き始める。


 巨木の頂上から見渡した景色。森の先に、草原があった。私は今、そこを目指している。一週間も歩けば、この森からは、出られるだろう。


 私は腰につけた小さなポーチに右手を突っ込み、(まさぐ)る。別に見た目以上の内容量があるとか、そんな事はない、平凡なポーチだ。


 手にぷに、とした感触。私はそれを掴んで、ポーチの中から取り出すと、ボール状のぷるん、と、した小さな果実が幾つもくっ付いている果物が姿を表す。


 私はそれを、口に頬張り、もく、もく、と、咀嚼しながら、夜の森を進んでいった。







 ◆◆◆◆◆







 ……もう、森を歩き始めて、何日経っただろう……


 ……どれくらい歩いたのだろうか……


 それすらも、頭に浮かんで来ない。


 ……空腹を、満たさなければ。


 死んで、しまう。


 だが、辺りに食べられそうな物なんてない。


 もう、その辺に生えている草でも食べてしまおうか。そんな事を本気で考え出した時。


 目の前に、一匹の、白い兎。


 (うさぎ)だ。……うさ、ぎ。う、(お肉)、だ。


 この時。私の、ナニカが、ハジケ(コワレ)た。


 私は腰を屈め、足元を思い切り踏み込み、地面すれすれで前に飛び出す。


 全力で飛び出した後、その兎の頭部を思い切り殴りつける。


 それだけで、あっさりと、兎は絶命した。


 肉片や血(兎だったモノ)が飛び散る。


 あ、勿体無い。


 私は手を地面に擦り付け、飛び出した身体にブレーキを掛ける。


 指の爪が何枚かもげたけど、今はそんな事、どうでもいいや。


 私はボロボロになった手で、ばらばらになったソレを掻き集める。けど、土などで汚れてしまっていた。残念。食べられなさそう。


 でも、胴体は残った。


 私は(お肉)毛皮(包装)を素手で、ぐじゃり、ぶちゃり、と、剥いでいった。


 これでよし。いただきまーーー


 あ、火を掛けなきゃ駄目だ。生は良くない。危険だ。お腹を壊してしまう。


 ポーチから藁と火打ち石を取り出し、二つのそれ同士を、一心不乱に叩きつける。火花が散る。火打ち石が粉々になり始めたが、気にせず叩き続ける。飛んで来た破片が頬に刺さった。痛い。


 暫くそれを続けていると、火花が藁に飛び、それは小さな火種となる。


 息を、ふぅ、ふぅ、と、吹きかける。吹きかけすぎちゃ駄目だ。軽く吹かないと、火が消えちゃう。そんなのは嫌だ。可愛い可愛い兎さんを食べられなくなる。可哀想だ。なんちゃっ、て。えへ、へ。へ。


 そのうち火種は小さな火へ、そして、それを拾ってきた乾燥しているまきに火を燃え移らせ、焚き火の完成だ。ひょー。


 やっきにく!やっきにく!


 私は皮を剥いだ兎を火にかける。


 あ、これ、取れないなぁ。


 困った。あ、なにか、棒で刺せばいい。


 私は近くに生えていた木から、枝を一本、ばきり、と、へし折って、それを(おにく)の心臓に突き刺す。びちゃり、と、血が飛び跳ねて、どくどく溢れてきた。おいシそ、ウ。


 暫く待つ。


 焼きあがった。私は(おにく)を口に含み、咀嚼。咀嚼、咀嚼。


 あ、そういえば、内臓取るの忘れてた。てっへぺろー。


 私は、座ったまま、こてり、と倒れ、気絶した。



 ◆◆◆◆◆



 目が覚める。


 私は、正気に戻った。

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