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TASさんは異世界にて自由に生きたいようです。  作者: 粗茶漬け
TASさんが異世界召喚されたようです
17/53

TASさん、力を証明する。

投稿直後 改稿

文章の一部を変更しました


2017/1/26

文章の一部を変更しました


2017/1/26

少し大幅(?)に文章を追加、変更しました



少しグロテスクかもしれないです。

ご注意を。

 今、私の62メ—トル前方に、巨大な狼がいる。

 目算で、高さ8メ—トル39センチ。

 ラシ—ヌさんが倒してみせた個体より、一回り大きい図体をしている。


「がーんばーってーぇ」


 ラシ—ヌさんの間の抜けた声援が、後方62メ—トルから飛んでくる。


 私が右手に逆手持ちで握り締めるのは、一本の簡素な見た目をしたナイフ。

 私はこれから、あの狼(化け物)を、屠らなければならない。


 それも———五秒以内に。



 ◆◆◆◆◆



 巨木の頂上に召喚され、命からがらラシ—ヌさんという巨木の管理人に保護してもらってから、一ヶ月が経った。


 ラシ—ヌさんと行う無属性魔法の特訓、一人で行う属性魔法の特訓。

 毎日代わりばんこに、どちらも欠かさず続けた。


 私は戦う術を身に付けた。

 さらに、ステ—タスを伸ばす事も出来た。


 —————


 名前---TASさん


 称号---無し


 種族---読み取り失敗

 性別---女


 年齢---読み取り失敗


 HP---101/101

 MP---281/281


 STR---31

 DEF----19

 MATK---73

 MDEF---81

 AGI---91

 INT---2123(通常時)


 技能---読み取り失敗

 深刻なエラ—が発生しています


 —————



 技能欄は"読み取り失敗"や、"深刻なエラ—が発生しています"などとしか表示されていないのだが、光属性魔法に闇属性魔法、無属性魔法をしっかりと使える。何故読み取り失敗と表示されたのかは不明だ。ちなみに、ステ—タスは今も、ラシ—ヌさんのスキルで読み取ってもらい、口頭で教えてもらっている。どこかのRPGの神父さんを思い出した。ラシ—ヌさんの場合は聖母さん、と言うべきだろうか……と、話が逸れた。


 閑話休題。


 私は、ここを出る事を決めた。


 ラシ—ヌさんに、今まで居候させて貰った礼を述べた後、自身の意思を余す所なく伝えると、少し残念そうな表情を浮かべたが、私がここを出て行く事を承諾してくれた。


 但し、出て行くには、条件があった。


 ここを出て行っても、問題が無いと言える程の実力の証明。


 私が最初にラシ—ヌさんの狩りについていった時。彼女が容易く仕留めてみせた、巨大な狼。せめて、それを倒せる程度の実力がないと、外には出してくれないのだそう。


 それも、ギリギリの戦いを演じてボロ勝ち、というような強さでは駄目なそう。普段、容易く倒せる程度の実力が無いと意味が無い。


 しかし、ラシ—ヌさんは全力を見たいのだそう。


 そこで、『五秒以内に倒す』という”縛り”を付ける事となった。カウント開始は私が位置について、手を挙げた後、次の一歩を踏み出した直後から。


 一ヶ月前の私なら、確実に無理だろう。何せ、オ—クに追われて走り回って、最大限の力を振り絞ってやっと逃げ切れる、そんなレベルで弱かったのだから。それに、逃げ切ったと言っても、ラシ—ヌさんが助けてくれたからだ。弱っちいにも程がある。まぁ、召喚された直後だったし、しょうがないのだろうが。


 だが。今はもう違う。私は力を付けた。


 私は自由に世界を見て回る為の力を。


 のんびり旅をする為の力を。


 私は今、その力を振るう———




 私は、思い切り地面を踏み込み、大きな、大きな、一歩を踏み出した。


 時間計測開始(ショ—タイムだ)


 思考加速(血祭りに上げてやる)


 肉体操作(この狗畜生が!)


 瞬時。私は加速した。


 スロ—になった景色すら置いて行きながら、速度制限(ヒトのゲンカイ)をぶっちぎったかのような速度で(はし)る。疾る、疾る。


 巨大狼まで、残り30メ—トル、20メ—トル、10。5。

 狼の3メ—トル前で跳躍。”肉体操作”で身体の出力制限(リミット)を外し、さらに無属性魔法の”身体強化”を合わせる事で、トンデモない力を保有させた右腕を、巨大狼の右の目玉に向かった振り抜く。


 だが、狼はそれを難なく回避。そのまま右腕は空振りした———


 が。


 その手に、ナイフは握られていなかった。


 その事に狼が気付いた時には、もう、遅い。


 ナイフが、くるくる、と、回転しながら空から落ちてきた。


 跳躍の寸前、私は、狼に気付かれないように、真上に向かって、右手に持っていたナイフを投げていたのだ。


 私はナイフの柄の中心を、右腕を振り抜いた事で、宙返りしている最中のような、不安定な姿勢になる。


 だが、それも計算して起こした事だ。


 その姿勢から身体を思い切りしならせ、戻す事により、私は足先に力を生じさせる。


 そして脚の筋肉の微細な動きも"肉体操作"で制御。微細なズレを無くす。


 そして、宙を舞っているナイフの刃先が狼の眼球に向いた所で———精密に、ナイフの柄を、真っ直ぐに蹴り込んだ。


 ナイフが脚ごと眼窩にブチ込まれる。狼の右眼球は、ばちゅん、と、気持ち悪い音を立てて、破裂した。


 肉片となって飛び散る目玉。破裂した眼があった眼窩(ばしょ)の中に、勢いに乗った足先でナイフを迷いなく突っ込ませる。


 狼の脳が破壊される。狼は、苦悶の表情を浮かべる間も無く、即死した。


 ここまでの所要時間、4秒17。


 |任務完遂《ミッションコンプリ—ト》。


 私は、狼の右の眼窩に脚を深く突っ込んだまま、身体を支える力を失った巨大な狼と共に、倒れた。


 私は脚を、べちゃり、という不快な音と共に引き抜き、のそり、と、立ち上がる。


 意識は喪われない。身体の彼方此方がピリピリと痛むが、酷い痛みではない。


 私は、数滴の鼻血を地面に、ぽた、ぽた、と、垂らしながら、右腕を力強く天に突き立て、勝者の格好(ガッツポ—ズ)を取った。

戦闘描写が少ないのは仕様です。


TASさん「この狗畜生が!」


作者「イェス、マァム!私は家畜以下の狗畜生であります!もっと激しく罵ってください!マァム!」



ハッ!私は一体何を…

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