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星撃ちの魔術師  作者: 星宮 しずく
8章.晴れやかな夏
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7.女の戦いは怖いです

前回の三秒あらすじ

 バチバチバトル宣言がされました。

「おっとー⁉ここでライン、ラオンの双子グループ退場‼残りは四組!!シャーレイ、ルナグループはお互いに見つめあっている⁉どうなっているんだ‼‼」


 アナウンスは興奮を隠しきれていない様子。実は、一番性格悪いのはアナウンスをやっている先生だとセレナは思っている。

 セレナは身を小さくして上空の騎士団に見つからないようにする。確か、身長だけで誰かを当ててくる凄く変人がいたからだ。


「術式開放。浮遊」


 シャーレイが先に動き出した。空間術を使ってふわりと浮いている。上空からの攻撃は確かに正しいと言えるだろう。


「シャフト!大地の籠!」


 ルナも、足元の植物達を使ってシャーレイを捕らえようとする。しかし、シャーレイの方が技術が上なのか中々捕まえられない。


「ルナ。貴方そんなに魔力使っても良いのかしら?」

「うるさい!シャフト!薫風!!」


 ルナはイライラしながら魔術を行使している。怒り、は魔術の威力を高める。しかし、思うように動かしにくいと言う弱点もある。


「属性を知らないの?貴方は水。風魔術なんて弱いわよ」


 シャーレイは、ふわりふわりと浮いたまま岩石を操っている。やはりセレナの見込みは正しかったようだ。


(……あっちもやり合っている。時間はかかりそう)


 セレナは、この二人の邪魔をしてきそうならあの二組は早々に潰すつもりだったがあちらはあちらで喧嘩をしていそうだ。

 セレナの対角線先にはシャーレイのパートナーがオドオドとみている。シャーレイを心配しているのだろうか。


「風だろうと水だろうとなんでもいいでしょ!それに、魔力は簡単に尽きない!」

「何処からの自信かしら?」

「だって、だって私には、すっっごい、すっっごい友達がいるんだもん」


 ルナは、怒りが沈んだのか魔術を確かに操り始めた。魔力を注ぎ込み、会場の植物を使い始める。


「そのすっっごいご友人とやらに何を教わったのかしら?ルナ」


 シャーレイは、容赦なく岩石をルナに叩きのめしてくる。当たったら絶対に痛いだろう。しかし、ルナは植物の檻を自身の所で編み上げ、身を守る。


「し、シャーレイ様、頑張ってください!」


 シャーレイのパートナー相手が応援している。魔術での援護が出来ないからせめてもの声援だろう。


「あ、え、る、ルナ頑張れ…!」


 セレナも何故か対抗を始める。男子生徒よりは声が小さい。


「術式開放、水流の針」


 シャーレイは、扇子を植物の籠にいるルナの方に向ける。籠の隙間から針を入れるつもりなのだろう。

 水魔術の攻撃は中々難しい。しかし、それをやってのけるシャーレイは、かなりの実力者だ。


(多分、勉強家なんだろうな…)


 セレナは、小さくなりながら考える。


「み、水使えるの⁉聞いてない!」

「視力が悪いのでは?」


 ルナは、大慌てでちゃんとした結界を貼り始める。しかし、貼っているとシャーレイは魔術を解除する。


「な、なになになに⁉こ、こわいよ!読めない人無理!!」


 ルナは卑屈になりながらも魔術を行使し始める。植物の檻をシャーレイの周辺に作り出す。


「実戦してなんぼですわ」


 シャーレイは、浮遊を解除した。

 完全にルナは翻弄されている。


(…あ、魔力少なくなってるのか…)


 セレナは、少しの魔力を感じ取る。よく見ないと分からないが額に汗が滲んでいる。ルナを翻弄するため、そして、自身の魔力回復のために一度解除したのだろう。


「もう分からない!!シャフト、ライムの活力!」


 ルナは、既に状況把握が出来なくなっている。目の前の相手や魔術で精一杯だ。ルナの足元にはライムの花が咲き乱れる。

 そして、扇子をシャーレイに向ければブワッとその方向へライムが伸びていく。


「…!治癒術⁉」


 シャーレイはやっと気が付いたようだ。ルナが使っているのは攻撃術の何かでは無く治癒術の魔術だと。


「…貴方、本当に治癒術なの⁉」

「そ、そう!分からないけど多分そう!!」

「…火球!」


 シャーレイは、ルナの植物に向かって小さな火球を投げ出す。そうすればライムはちりじりになる。


「ライムがぁ⁈」


 ルナは、ライムが燃えた事にショックなのか半泣きだ。ルナがこの魔術を選んだのには理由がある。しかし、色々あるので隠しておこう。


「術式開放、大風鈴」


 シャーレイは、火球の後に追い打ちを書けるかのように魔術を行使する。これも音の反響を使うようなものだ。

 セレナも煩いと感じる鐘の音だ。実際は風鈴のようなものだが、近くに居すぎてもう鐘の音にしか聞こえない。


「う、うるさ……皆なんでこれ使うの…」


 ルナは、片耳を塞ぎつつも何とか堪えているようだ。成長している。


 しかし、シャーレイは、いつの間にかいなかった。


「あ、あれ?どこいった?」


 ルナがクルクルと回っていると後ろから少しの殺気を感じて後ろを見る。シャーレイは、後ろを振り向かれるとは思っていなかったのだろう。


 動揺している。

 ルナは慌てて魔術を行使する。


「し、シャフト。水流の煌めき?」


 シャーレイが使っていたのをそのまま行使するが、水流の煌めきは結界だ。そして、水で作られる結界。簡単に外部からの侵入を許してしまう。


「術式開放、水煙の遥」


 視界を奪われたルナは、ちょっと騒いでいる。しかし、扇子をシャーレイの方へ正確に向けた。


「シャフト、風の流星」


 ルナとシャーレイの間には強い風と水飛沫が飛んでいる。


 しばらくして、落ち着くとお互いに地面にへたり込んでいた。少し奥ではまだ残っている二組がやり合っているようだった。

 会場は、半分は静寂。もう半分は熱狂に包まれていた。


「おっとー⁉シャーレイ、アンドレアチーム。ルナ、セレナチーム失格‼シャーレイの魔力切れとルナに上がった白旗が見えるぞ!!」


 セレナは、上を見てみる。確かに白旗が上がっていた。

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