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星撃ちの魔術師  作者: 星宮 しずく
8章.晴れやかな夏
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6.共同全線

前回の3秒あらすじ

セレナには何が見えています。

セレナはただ、立っているままだ。動く様子すらない。


「ねぇ、セレナ⁉」

「大丈夫」

「何が大丈夫なの!セレナ⁉」


 セレナはただ、二人を見ているだけだ。アーサーとベネディクトはセレナの様子が変な事に気が付いているが好都合だと認識している。


 ベネディクトの火球が大きくなっている。


「後十秒」

「セレナ⁉」


 セレナは、ルナの周辺にのみ結界を貼る。万が一を備えてだ。だが、セレナの思考に万が一なんて想像していない。

 絶対的な自信がセレナにはあった。


「女…何考えてるんだ」

「お前は魔術に集中しろ厨二病」

「高等二年生だわー!!」


 二人は本当に余裕そうだ。無駄な話ばかりをしている。背後をいつ取られてもおかしくないのに。


(これが終われば後は…手強そうな五組だけ。ルナに任せても大丈夫)


 セレナも余裕そうだ。対して魔力を消費していない。


「五、四…」


 セレナが突然数字をカウントを始めたことに二人は呆気にとられる。しかし、魔術は維持したままだ。


「三、二、一、ゼロ」

「お前…なんのカウントを……ベネディクト?どうした」


 ベネディクトは、魔術を行使していたはずがいつの間にか解除されている。それどころか顔が青い。

 魔力切れだ。


「おっとー。優勝候補のベネディクトとアーサーチーム失格!!魔力切れのようだ!!」


 会場が大きくザワついているうちにセレナはルナを立ちあがせる。どうやら魔術の効果が解除されて普通に戻っているようだ。


「さて!残るは五組!!!誰が勝ち残るのか!!」


 アナウンスは戦況は伝えないが、元気が良さそうだ。


「…残ってるの誰だろう…?」


 セレナは、周囲を見渡す。しかし、中々視界に入らない。


「…シャーレイの所あと、トールとエリック、ラインの組」

「…聞いた事ない」

「エリック以外皆、私同じクラスなの…一番手強いのが残ってるな」


 セレナは少し殺気を感じて結界を編み上げる。すると、強い強化術を感じた。


「…!重力増加」


 セレナとルナはへたり込む。どうやら他の三組も強化術にやられているようだ。


「エリック…」


 ルナの悲痛そうな声が聞こえる。


「あ、あの、エリックさんって誰…?」

「ま、魔術優秀なんだけど、使い方とか、人格が荒くて三組にいる人!!」

「わたしと同じじゃん…」


 全くクラスメイトを把握していないセレナであった。


 暫くすると強化術は鳴りを潜めた。多分、何処かで大技を繰り出すつもりだろう。


「あら、ルナと平民の娘じゃない」


 目の前にはシャーレイがいた。後ろには二組のシャーレイのパートナーがいる。


「なにシャーレイ」

「ふっ、やっと本性を出したのね。口調がいつもと違うわ」

「そんな雑談に構ってられないけど」


 ルナは、扇子をシャーレイの目の前に突き出す。しかし、シャーレイは中々動じない。むしろ余裕の笑みまで浮かべている。


「あなたがあたくしを超えることはないのよ」


 そういうとパシャリと扇子を閉じた。


「術式開放。アマテラス」


 そういうとシャーレイの周りの石が動き始める。


「展開、瑠璃の箱」


 セレナがすかさずに結界を編みあげたため、大事には至らなかった。しかし、シャーレイの後ろには彼女のパートナーがいる。


 油断は出来ない。


「ルナ」

「わかった」


 ルナは、深呼吸をし地面に扇子を向ける。杖の代わりとして扇子を代用しているのだ。

 植物を操るには何かを握っていた方がやりやすい。


「シャフト。大地の籠」


 ルナは、扇子をゆっくりと上げていく。するとセレナが芽吹かせていた植物が伸び始める。ゆっくりと、ゆっくりと確実に魔力を注ぎ込んでいるのが分かる。


「…⁉なんの術なのよ」

「あ、恐らく攻撃術かと思われます…シャーレイ様…」

「!結界を張りなさい!!」

「は、はい!」


 どうやらパートナー相手も中々苦労していそうだ。ルナは左手の指も上げ始める。


「ムクゲの雨」


 確実にシャーレイとそのパートナーを囲いこんでいる間に攻撃術も使う。ルナの実力では攻撃がまだ出来ない水魔術。しかし、視界を奪ったり判断力を鈍らせたりは出来るのだ。


「…ちっ、避けなさい!」


 シャーレイは、後ろにパートナーの男子生徒を追いやる。


「術式開放。水流の煌めき」


 目には目を歯には歯を、水には水を、ということだろうか。シャーレイは、結界を水で編み上げた。


(やっぱり、この人にはちゃんと力がある)


 いつかも同じ魔術をシャーレイは使っていた。その時とは比べ物にならないくらいに制度も上がっている。


「……ねぇ、セレナ下がってくれない?」

「え?」

「私さ、シャーレイと本気でやり合いたいの。いいかな?負けちゃう気がするけど…」

「…わかった」


 そう言うとセレナは、下がる。ルナを心配そうに見ている。シャーレイも感じ取ったのだろうか、パートナーに下がれと言っている。


「よーし、シャーレイ。一対一、全力でやり合おうよ」

「構わないわ。どうせ、貴方が負けるのよ」

「分からないじゃん、そんなの」


 お互いに扇子を向け合う。誰にも邪魔できない雰囲気だ。


「「さぁ、幕開けの時間ね」」

誤字報告、ありがとうございます。

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