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第7本 ピーターパン

「今日こそは!今日こそはあの娘に告白してやる!」


一人の青年がお豆腐屋の前で気合いを入れていた。

最近ではすっかり珍しくなった豆腐の専門店『大豆』そこの店員である一人の女の子が居た。

名前は雪ちゃん。

本名は知らないが別の客がそう呼んでいたのだ。


「よぅし!行くか!」


青年は気合いを入れて店に入る。


「いらっしゃいませ~」


愛しのあの雪ちゃんからそう声を掛けられる、この一瞬を失いたく無いから告白をずっと思い止まっていた青年は今日こそはと手に力を入れた。


「あっいつもの…」

「どっども…」


駄目だ、前に立つとそれだけで固まる青年。


「も、木綿を1丁」

「は~い」


毎度のこのやり取りのせいで主食が豆腐になりつつある青年はなんとか会話を繋げようと言葉を絞り出す。


「そ、そう言えば豆腐って漢字で書くと腐った豆って書きますが、豆を腐らせた納豆って漢字で書くと納める豆です。良く考えたら逆ですよねアハハ」

「えっ?!あぁ本当だ!面白いですねー!ハイ、木綿1丁です」


青年は雪ちゃんと会話出来たことに満足し会計を済ませ店を出る。

手には今夜の豆腐、店の常連となった彼はまた明日も告白をしに来て豆腐を買って帰るだろう。

青年の名前は『パン』


リピーターのパンであった。




END

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