092●ささやかなパーティ
「さて、ではみなさん、かんぱ〜い!さあ、食べましょう!」
来て良かったのだろうか?
レイディ・アリスにどうご報告すればいいんだろう?
マイロードとウィル様のお宅になんて。
もう、夏まっさかり。
復興と平和になったことのお祝い、ということで、
マギ、ガイ、レオも呼ばれている。
レオ、あいかわらず遠慮がないな。うん、ビールが冷えててウマイ!
侍女のケイトも、今日はお客様だ。
6人で先に食べて、飲んで、すみません、マイロード。
貴方様が料理をご担当されるのは、よいのですが・・・よくありません。
美味しいんですけど、何だかやはり、変です。
マギとガイは、そのあたりは理解してそうだけど。
このような経験は、アークエンジェルの方々でも、レイディ・ココアぐらいではないだろうか?
あっ、マイロードがエプロンを外しながら、キッチンから出てこられる。
「いやあ、これだけの人数だと、楽しいね!思いきりやれるって、いいね!」
マイロードが思いきりって、本当は少し危ないのでは無いだろうか?
聖者の剣を抜かないで、制御できるのだろうか?
「ありがとうございます!とても美味しいです!」
レオ、食べながら言わない!失礼でしょう!
「まだ、続きがあるからね。ちょっと、わたしもいただくよ。」
そう言って、ビールを飲まれる。
「この飲み物と、エダマメっっていうんですか、よくあいますね!」
「そうだろ、ケイト!俺もそう思う!」
「レオ、オマエは食べ過ぎだ!目の前にいくつ、エダマメのサヤの山をつくるんだよ。」
「いいじゃないですか、マギ。あなたの取り皿の山も、相当なものですよ。」
笑い声。いいな。何だか、いいな。緊張が解けていく。
「でも、ヴラドルフ公爵の反乱の時には、こんな日がくるとは思っていなかったよね。」
「あの時には、もう、ウィル様、行政に関わっておられましたからね。毎晩、遅くまで事後対応で、お着替えをお願いしても、あとでって、ばっかりでしたから。」
「ごめんね。これからも、よろしくね!」「ハイ!」
この主従もいい感じだ。マイロードが話される。
「考えてみれば、あの公爵にしても、わたしがラベリアと通じているのではないか、と心配していたことが発端だったな。言わば、彼も国のことを思っていたんだ。それが、自分たちの権益を守ることだとしても。誰かが自分を害しないか、自分の幸せを奪わないか、その思いが、あんなことに繋がってしまったんだね。・・・みんなが安心して暮らせるようになるといいんだけど。」
ドアが開いた。
「それは、もうここで実現しているではないか。」
うぇ!ヴァルター将軍まで、招いているのですか?
「ああ、いらっしゃい!お待ちしておりましたよ、将軍!あの時はどうも!」
「将軍はやめてほしいな、ウィルフレッダ。儂はもう、ただの老人だ。」
「じゃあ、ヴァルターさん。ふふっ、家族以外でウィルフレッダって言ってくれるのは、あなただけです。」
「まあ、お座りになって。取り敢えず、ビール!」
何回目かわからんが、乾杯は何度やってもいいな!
あれっ?ウィル様、お酒のんでいいの?
あっ、あなたの分だけ、ノンアルコールなのね。




