089●食事はもちろん
今日も絶好調だ。
G-80の身体も、愛車のNATTO2000も。
メンバーは増えて、G7からG20になった。
20人の平均年齢は78歳から82歳へ。
俺なんて、まだまだ若手だ。四輪車も5台に増えた。
リーダーが駆るのは、いつものロータス・エスプレッソ。
それ以外にポンタN360って超レトロなやつや、
スカイライオンなんていうのもいる。
ヤッホー!15台のバイクと共に、いざツーリングだ!
気持ちよく風を切って走っていると、バックミラーに1台の白バイが映り込んだ。
サイレンが鳴り、
「全員、側道に停まってください!」という指示が聞こえてくる。
我々G20は遵法精神あふれるジェントルメンだぞ。
ウィンカー出して、っと。
全員がバイクと車を路肩に寄せ、バイクの連中はヘルメットを脱ぐ。
白バイ隊員がこちらへ歩いてきた。
「えっ?暴走族と間違えられた?!俺たちが!」
隊員は苦笑しながら口を開いた。
「すいませんね。これだけの台数が揃うと、どうしても確認せざるを得なくて。」
「今どき、そんな元気のある連中っているのか?」
「ええ。ごく稀にですが、昔のゾクが年取ってから、青春をもう一度、なんて言って集まってる人たちがいるんです」
へえ、すごいなあ。
昔の知識とテクニックで、検問もうまくすり抜けていくのか。
隊員は俺の顔をじっと見つめていたが、突然ビシッと敬礼をした。
「お久しぶりです、その節はお世話になりました!」
なんだあ?・・・
あっ!思い出したぞ!
オマエ、俺が昔、逮捕して説教してやった、テンプラーズの特攻隊長!
不起訴になって、心を入れ替えて警官になったのか!
「はい。今は、白バイ隊員です。運転技術を買われまして。」
「人生、わかんないもんだな。」
「今度、お食事でもどうですか?色々とご報告したいこともあります。」
俺は昔の血が騒ぐような、懐かしい感覚に襲われた。
「おお、いいね!何を食べにいこうか?」
隊員はニヤリと笑った。
「当たり前です、天ぷらです!」
おい、おい!つまらんダジャレを言う年になったんだなあ、元テンプラーズ!




