60/94
062●優先順位の説得
俺の出番か?よし、わかった!
馬車に乗り込もうと混み合ってるな。女性と子ども、身体の不自由な人たちが優先だよな。なるほど、元気な男たちまで、我れ先に馬車に乗ろうとするのか?いかんなあ。
「おいおい、ランス村の方々!席を譲れば、やがて有名な画家が、その勇気を讃える名画を描きますよ。」
ランス村の男たちは、馬車から離れて歩き出す。
「はいはい、ギリイス村の方々!あなた方は紳士でしょう?」
ギイリス村の男たちは、馬車から離れて歩き出す。
「ねえねえ、タリイア村の方々!歩いて行けば、女性がキスしてくれるかも?」
タリイア村の男たちは、馬車から離れて歩き出す。
「さてさて、リカアメ村の方々!ここはヒーローになるチャンスですよ!」
リカアメ村の男たちは、馬車から離れて歩き出す。
「あれれ、パンジャ村の方々!元気な男性は徒歩!みなさん、そうしてますよ。」
パンジャ村の男たちは、馬車から離れて歩き出す。
「まあ、こんなもんでいいか?」
「あなたに頼んでよかったよ!さすがだねえ、師匠!」
こうしてラベリアの進軍に対する脱出は、うまく進んだという場面もあったとか、なかったとか。
おあとがよろしいようで。




