59/94
061●思考力がシャープな人
ディーン・シャープの思想の根幹は、独裁体制や圧政に対抗するための「戦略的非暴力」だ。彼の権力理論の核心は、いかなる権力者も人々の協力なしには権力を行使できない、という点にある。
彼は、非暴力闘争は受け身ではなく、積極的に行動することであり、絶対平和主義とは異なると主張している。彼の言葉である「従順なれども従わず」は、支配者の命令を公には拒否しないまでも、実際には指示に従わないという戦術を端的に表している。たとえば、独裁政権が職場への出勤を義務付けたとしても、従わない。人々が同時に仮病を使って欠勤することで、権力機構の機能を麻痺させるといったことがこれにあたる。
非暴力闘争を成功させるには、参加者の質が重要であり、恐怖を克服し積極性を持つ必要があると述べている。彼の著作は、独裁体制を打倒するための指南書として、多くの国の抵抗運動に、今なお、影響を与えている。




