056●奥義、不発!
アリスたちと、いつもの練習場にいる。
「ねえ、アリス。あれ、やってみたいんだけど。」
「おっ!やる気満々だね。先日の武者修行、効果あったみたいだね」
確かに、思っていたより自分は強い、んじゃないかな?と、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ思う。
だけど・・・。
「まだ一度も奥義、成功してないよね。」
アリスは頷いた。
「奥義は奥が深いよ。熟練者でも、老境に入ってようやく理解できるって人もいるくらい。でも、マスターできれば、身を守るには最適だよ。」
互いにシナイを構える。
深呼吸。アリスはもう、目を閉じたりしない。
真っ向から勝負してくれる。
「じゃあ、まずお手本ね!いらっしゃいな。」
「ヤア〜!!」
裂帛の気合を込めて、アリスめがけてシナイを打ち込む!
バァーン!!
すごいなあ!見事に跳ね返され、同時に頭部に打撃が入る。
「それじゃあ、交代ね。いくよ!」
来た!アリスの剣にあわせて一撃を返す!
ぽこーん!
頭にアリスの一撃を受ける。
「だめだ・・・できない・・・。」
アリスは笑いながら、優しく言葉をかけてくれる。
「焦らないで。では、ゆっくりやってみよう。相手の気配を感じて。慌てず、落ち着いて。」
彼女が剣速を落としてシナイを振る。
それに合わせて、わたしも振る。・・・う〜ん、むずかしい。
「ウィルは筋がいいよ。努力ももちろんだけど、剣の素質がある。大丈夫、きっとできる。」
う~ん、道は遠いなあ・・・。




