055●提督
王虎さんがやってきた。
久しぶりだ!全員で迎える。
「お久しぶりです!お元気でしたか?ムサシさんやリョウマさんもお変わりありませんか?」
「おうよ!みんな元気にしているぞ。ブラッド、雰囲気が変わったな。知的にみえるぞ!」
「またぁ!そんな風に人をおだてて、その気にさせるんだから!中に入りましょう。何かお話があって、来たんでしょう?」
「ああ。やるな!俺の心も読めるようになったんだな?」
それは、秋の収穫が済んだあとに始まるであろう、戦争についての話だった。
あの陽気で冗談好きな王虎さんが、真剣な顔で話を続ける。
「君たち、伯爵領海軍は、ラベリア艦隊に対応してもらう。」
作戦行動計画の詳細を読む。
船を沈める、あるいは焼き払う。だが、できるだけ敵の兵士は救出する。
最後のところが、むずかしいぞ。
「全艦隊に、それぞれの海域で迎撃に出てもらう。海軍としての君たちが、今回の戦略の要の1つだ。」
「ブラッド、俺たちだって撃沈されたあと、甲板に引き上げてもらって武装解除、そのまま助けてもらったじゃないか。まあ、君は王虎さんと一戦交えたけどな。」
「やってみようよ。できるさ。俺たちだって、ずっと訓練してきたんだから。」
そうだ。あの時、もっと悲惨な結末を勝手に想像していた。
だが、知識を授けてもらい、経験を積む機会に恵まれ、今では伯爵領海軍の中心となることができた。
この恩に報いるのは、この時しかない。
「わかりました、王虎さん!我々は全力で任務を全うします。」
「頼んだぞ。全艦船の運用を任せるぞ、ブラッド提督。無茶を言ってスマン!」
「だって、なんでも言うことを聞く、って約束だったでしょうが。」
王虎さんと固い握手を交わす。行こうぜ、みんな。




