049●わたし、強いの?
アリスに連れられて、兵の訓練場に来た。
そろそろ他流試合もしなくちゃ、って言われて、緊張で胃がキリキリする。
意義はわかるけど、アリスとエンジェル・ナイトたちと、和気藹々と厳しい練習では、やはりダメなのか?しかも、正体を悟られないように、服も着替えて名前も変えるんだ。
ブルーウィンド・イン・ジューン。通称、ブルー。
アリスの国の言葉で「6月の青い風」っていう意味なんだって。
ブルーか。うん、なかなか良い名前だ。
「すまん、言っていたヤツを連れてきた。剣を交えてやってくれないか。」
「あっ、アリス殿!もちろんです。でも・・・、その小柄な男ですか?」
「そう。侮るなよ、結構な遣い手だぞ!気をつけろ。」
アリス!そんな風に挑発しちゃ嫌だよ。この人たち、本当に初心者?
いや、初心者みたいなもんだ、ってあなたは言ってたけど。
なんか、随分、強そうだ。
「はい、はい。アリス殿が嘘をついたことなんて、一度もありませんからね。おーい、みんな、集合だ!自由乱取りを始める!」
号令と共に、引き締まった体格の兵士たちが次々と姿を現し並んでいく。
その表情は皆、真剣そのものだ。
これは怖い!・・・ああ、そうだ、深呼吸だ。
怒りや憎しみ、恐怖は大敵だったな。
落ち着こう。やったことを試す!そのために来たのだから。
隊長!だめですぅ!歯が立ちません!手が付けられないとは、このことです!
なんて強さだ、コイツ。女みたいに細くて小柄なのに。
俺達、コテンパンだ。正直、もう動けねぇ。
隊長、もう、いいですかあ?!
兵士たちがへたり込む。
えっ、どうなってるの?この人たち、これで全力でやってるの?
まだ、本気、出してないよ、わたし。
アリス、一体これは?
ええっ!この人たち、近衛兵なの?
それって、最強部隊じゃないか?!
・・・わたし、強いの?
ホントに?ホントに?
えっ〜!!




