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Episode 4: 再会のディナー

登場人物


田所家

 健一 /元ハリウッド映画原作主演

 カヨ /健一の妻、ハリウッドのカリスマ、管理魔

 トシキ /健一の息子、東大生、マザコン


 シンディ・ゴールドバーグ/ トシキの彼女、東大留学生、カヨの弟子


スティーブン・シュピーガー/ハリウッド映画巨匠監督、#スピルバーグではありません


エマ、ルピタ、ジェマ、ソフィア/ ハリウッド女優、カヨ信者



AIサミット、最終日。

健一の講演は、無事終わった。

「お疲れ様」

カヨが、水を渡してくれた。

「ありがとう…緊張した」

「でも、良かったわよ」

「そうかな…」

講演内容は、シンプルだった。

『デジタル・ゴースト』をどう作ったか。

プロンプトの組み立て方。

編集者視点でのAI活用。

特別なことは話していない。

でも、観客の反応は悪くなかった。

質問もたくさん来た。

「Mr. Tadokoro, great speech!(田所さん、素晴らしいスピーチでした!)」

「Can I get your contact?(連絡先もらえますか?)」

名刺を何枚も配った。

トシキとシンディも、客席で見ていた。

「父さん、良かったよ」

「ありがとう」

「でも、やっぱり母さんの方が注目されてたね」

「…うるさい」

実際、講演後、カヨの周りにも人が集まっていた。

「Are you Kayo? The management expert?(あなたがカヨ?管理の専門家?)」

「I’m not an expert. Just a wife(専門家じゃないわ。ただの妻よ)」

「But I heard you managed a Hollywood production!(でもハリウッド映画の制作を管理したって聞きました!)」

「…まあ、主人の健康管理をしただけです」

カヨは、困惑していた。


その時、スマホが鳴った。

シュピーガーからだ。

「もしもし?」

『Kenichi! Good speech!(健一!いいスピーチだったよ!)』

「ありがとうございます」

『Tonight, let’s have dinner. I made a reservation at a nice restaurant(今夜、ディナーしよう。いいレストランを予約したんだ)』

「ええ、ぜひ」

『Bring Kayo. And Toshiki too. I want to see how much he’s grown(カヨも連れてきてくれ。トシキもだ。どれだけ大きくなったか見たい)』

「分かりました」

『7 PM. I’ll send you the address(午後7時だ。住所を送る)』

「ありがとうございます」

通話が終わった。

カヨに伝える。

「シュピーガーから。今夜、ディナーだって」

「分かったわ」

トシキも、聞いていた。

「俺も?」

「ああ。シュピーガーが、お前がどれだけ大きくなったか見たいって」

「へぇ」

シンディが、横から言った。

「Can I come too?(私も行っていいですか?)」

「もちろん。シュピーガーに紹介するよ」

「Thank you!(ありがとうございます!)」


午後7時。

高級レストラン。

ビバリーヒルズ。

「The Ivy」

有名店だ。

入口には、パパラッチが何人か待機している。

「すごいな…」

俺は、少し緊張した。

カヨは、平然としている。

トシキとシンディも、少し緊張気味。

「Kenichi!(健一!)」

シュピーガーが、手を振っていた。

個室のテーブル。

「お久しぶりです」

「Good to see you again!(また会えて嬉しいよ!)」

握手。

「And Kayo!(それにカヨ!)」

「Hello, Mr. Schpieger(こんにちは、シュピーガーさん)」

「You look great, as always(相変わらず素敵だ)」

「Thank you(ありがとうございます)

シュピーガーが、トシキを見た。

「Toshiki! You’ve grown so much!(トシキ!すごく大きくなったな!)」

「お久しぶりです」

「Last time I saw you, you were…what, 13?(前会った時、君は…何歳だっけ、13?)」

「そうです」

「Now you’re a university student!(今は大学生だ!)」

「はい」

シュピーガーは、シンディを見た。

「And who’s this beautiful lady?(そしてこの美しい女性は?)」

「あ、彼女のシンディです」

トシキが、紹介した。

「Nice to meet you, Mr. Schpieger. I’m Cindy Goldberg(はじめまして、シュピーガーさん。シンディ・ゴールドバーグです)」

「Goldberg? Are you from LA?(ゴールドバーグ?LA出身?)」

「Yes, sir(はい)

「Wonderful! Welcome!(素晴らしい!ようこそ!)」

シュピーガーは、にこやかに握手した。

「Sit, sit!(座って、座って!)」


席に着いた。

メニューが配られる。

高級料理。

値段は載っていない。

(これ、いくらするんだ…)

俺は、少し不安になった。

その時、ドアが開いた。

「Kayo!(カヨ!)」

エマが、駆け込んできた。

「Emma!(エマ!)」

カヨは、少し驚いた。

「I heard you were having dinner with Steven! I had to come!(スティーブンとディナーするって聞いて!来なきゃと思って!)」

「…」

シュピーガーが、笑った。

「I invited them too. Hope you don’t mind(彼女たちも招待したんだ。気にしないでくれ)」

ルピタ、ジェマ、ソフィアも入ってきた。

「Kayo! Long time!(カヨ!久しぶり!)」

「How have you been?(元気だった?)」

「We missed you!(会いたかったわ!)」

四人は、カヨを囲んだ。

俺とトシキは、遠くで見ていた。

「…またか」

「父さん、慣れた?」

「…まあな」

シンディも、少し驚いている。

「Mrs. Tadokoro…really popular(カヨさん…本当に人気なのね)」

「ああ…そうなんだ」

俺は、小さく溜息をついた。


食事が始まった。

前菜。

スープ。

メイン。

どれも美味い。

でも、会話の中心は、やっぱりカヨだった。

「Kayo, I’m still using your schedule method!(カヨ、今でもあなたのスケジュール方法使ってるわ!)」

エマが、嬉しそうに言った。

「I’m glad it’s working(うまくいってるなら良かったわ)」

「And I meditate every morning, like you taught me!(そして毎朝瞑想してるの、あなたが教えてくれたように!)」

ルピタも、誇らしげに言った。

「That’s good(それはいいわね)

「I manage my stress better now(ストレス管理、今は上手くできてるわ)」

ジェマも、頷いた。

「Wonderful(素晴らしいわ)」

カヨは、にこやかに答えた。

シュピーガーが、俺に話しかけた。

「Kenichi, your wife is amazing(健一、君の奥さんはすごいな)」

「…ええ」

「She changed these actresses’ lives(彼女が女優たちの人生を変えたんだ)」

「そうみたいですね…」

俺は、複雑な気持ちで答えた。

(やっぱり、主役はカヨか…)

トシキが、横で小さく笑っていた。

「父さん、相変わらず空気だね」

「…うるさい」

シンディは、カヨとエマたちの会話を、興味深そうに見ていた。

「Mrs. Tadokoro is incredible…(カヨさん、すごい…)」

「…ああ」

トシキは、少し誇らしげに答えた。

「でも、それが母さんなんだ」

「I can see that(そうみたいね)

シンディは、微笑んだ。


デザートの時間。

エマが、カヨに聞いた。

「Kayo, how long are you staying in LA?(カヨ、LAにどのくらいいるの?)」

「A week, maybe(1週間くらいかしら)」

「Can we meet again?(また会える?)」

「Of course(もちろん)

「I want to introduce you to someone(紹介したい人がいるの)」

「Someone?(誰?)」

「A friend. She’s…struggling. I think you can help her(友達。彼女…苦しんでるの。あなたなら助けられると思うわ)」

「…Okay. I’ll meet her(分かったわ。会ってみる)」

「Thank you, Kayo(ありがとう、カヨ)」

エマは、安心したような顔をした。

(頼られる事が多いな。毎度のことだが…)

俺は、カヨを見た。

カヨは、相変わらず冷静だった。

でも、その目には、優しさがあった。


ディナーが終わった。

店を出る。

パパラッチが、フラッシュを焚いた。

「Schpieger! Over here!(シュピーガー!こっち!)」

「Who’s with you?(一緒にいるのは誰?)」

シュピーガーは、手を振った。

でも、カメラの多くは、カヨに向けられていた。

「Who’s that woman?(あの女性は誰?)」

「Is she a new actress?(新人女優?)」

カヨは、平然としている。

俺とトシキは、少し離れたところにいた。

「…父さん、母さん、写真撮られてるよ」

「…ああ」

「明日、ネットに出るかもね」

「…そうだな」

俺は、小さく溜息をついた。

(また、カヨが話題になるのか…お約束だ)


ホテルに戻った。

部屋で、俺はベッドに横になった。

「疲れたな…」

カヨが、横に座った。

「お疲れ様。今日も長い一日だったわね」

「ああ…」

「血圧、測るわよ」

「…はい」

ピピピピ…

「132/84。まあまあね」

「良かった…」

カヨは、血圧計を片付けた。

「今度、エマの友達に会う約束したわ」

「ああ、聞いてた」

「苦しんでる人らしい。助けられるかどうか分からないけど」

「…お前なら、大丈夫だよ」

カヨは、少し笑った。

「あんた、最近、素直になったわね」

「…そうか?」

「ええ。昔は、そんなじゃなかったわ」

「…年取ったのかな」

「かもね」

カヨは、電気を消した。

「おやすみ」

「おやすみ」

俺は、目を閉じた。


翌日。

シンディのスマホに、メールが届いた。

『Cindy! Long time no see! I’m in LA this week. Let’s catch up! ☕』

送信者:Amy Varden

シンディは、嬉しそうに言った。

「Toshiki, my friend wants to meet!(トシキ、友達が会いたいって!)」

「友達?」

「Yes! Amy. She's a friend from high school (ええ!エイミー。高校時代の友達なの)」

「へぇ」

「She’s very…energetic(彼女、とても…エネルギッシュなの)」

「…どんな人?」

「You’ll see(会えば分かるわ)」

シンディは、少し笑った。

トシキは、何となく、嫌な予感がした。

(エネルギッシュ…?)

(どんな人なんだ…)

月曜木曜8時更新

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